「NTTジャパン ラグビー リーグワン2023-24」ディビジョン1第6節が20日に行われ、東京サントリーサンゴリアス(東京SG)が三菱重工相模原ダイナボアーズ(相模原DB)を36-34で下した。この結果により東京SGは4連勝で5勝1敗(勝ち点23)、相模原DBは4連敗で2勝4敗(同10)となった。

 

 大寒のこの日、小雨がぱらつく寒空の下、熱戦が繰り広げられた。

 

 第3節から3連勝中の東京SGと3連敗中の相模原が対戦した。コイントスで勝利した相模原DBは前半風上を選択。前節は埼玉パナソニックワイルドナイツに大敗しただけに先手を取り、勢いに乗りたいという思惑が見て取れた。

 

 5分、SH岩村昂太のトライで先制すると、9分にはSOジェームス・グレイソンのキックパスをキャッチしたN0.8ジャクソン・ヘモポがインゴール左隅に飛び込んだ。さらに11分、FL佐藤弘樹が巧みなステップで相手を3人かわしてトライ。15分には自陣でFBマット・ヴァエガがSO高本幹也のパスをインターセプト。約80mを独走するトライを挙げた。22分には45m以上あるPGをグレイソンが決めて29-0とリードを広げた。

 

 風下に立たされ、劣勢の東京SGもセットプレーを軸に反撃を開始する。28分、敵陣深くでLOトレヴァ・ホゼアが相手に捕まりながらも2m3cmの長身を生かし、インゴールに手を伸ばした。37分にはFLサム・ケイン、FBチェスリン・コルビと繋ぎ、最後はWTB尾﨑晟也がインゴール右隅に飛び込んだ。高本は2本のコンバージョンキックを難なく決め、14-29で前半を終えた。

 

 後半に入っても勢いは東京SG。7分、ケインのトライと高本のコンバージョンキックで8点差に詰め寄ると、21分には高本がPGを決め5点差と射程圏に入った。23分、途中出場のSH流大から大外の尾﨑へパス。尾﨑は縦を突いた後、中にパスを放った。このボールは若干乱れ、インゴールに転がったが、ルーズボールを流が拾い、グラウンディング。高本のコンバージョンキックも決まり、ついに東京SGが逆転した。

 

 東京SGは33分、CTB岩下丈一郎にトライを許し、再びリードされたが、再逆転を目指し猛攻を仕掛ける。20フェイズ以上重ねた東京SGは試合終了のホーンが鳴った後、高本のパスを大外で受けたCTB中野将伍がインゴール右隅に飛び込んで試合を決めた。試合を振り返り、キャプテンのHO堀越康介は「前半、最初の15分、自分たちの甘さが出た試合だったと思います」と語った。

「ただそこから、もう1回、自分たちのやることに立ち返った。この雨の中でシンプルなラグビーを遂行し、最後の最後で逆転できたことは、チームのみんなを誇りに思います。勝って反省できるのが一番良かったかな」

 

 田中澄憲監督は「0-29からスタートしてしまったのは自分たちが招いた結果。甘さというか一貫性のなさというのをしっかりと見直して、どんどんレベルアップしたいなと思います」と反省点を挙げつつも、「ただ0-29からひっくり返せる力があるということも間違いないと思いますし、選手が最後まで諦めないファイティングスピリッツというのも自分たちのカルチャーとしてある」と2試合連続の逆転勝ちに胸を張った。

 

 一方、敗れた相模原DBはこれで4連敗となった。厳しい言い方をすれば、勝たなければいけない試合だった。グレン・ディレーニ―HCは「正直悔しいです。選手みんながとてもいいハートを持って私のゲームプランにコミットしてくれた。すごくいいところもたくさんありましたし、たくさんプレッシャーを掛けることができたと思います。ただ最後のところで止めきれなかったところは残念でした」と試合を総括。キャプテンの岩村も「本当に悔しいの一言」と語り、敗因に「ディシプリンと精度」を挙げた。

 

(文・写真/杉浦泰介)