『NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24』第6節4試合が27日、各地で行われる。キックオフ48時間前となり各試合の登録メンバーが発表された。約1カ月の中断前の一戦。注目は愛知・豊田スタジアムで行われるトヨタヴェルリッツ対東芝ブレイブルーパス東京の試合だ。“ジャパン新旧キャプテン対決”“オールブラックス10番対決”など見どころ満載となっている。

 

 開幕5連勝中のブレイブルーパスと3勝2敗のヴェルブリッツ。フィジカル自慢のFWとスピーディーなBKと、似たスタイルの両軍が相まみえる。ブレイブルーパスはLOワーナー・ディアンズ、No.8リーチマイケルらFWパックに、今季はFLシャノン・フリゼルが加わった。SOリッチー・モウンガと共に“オールブラックス効果”は絶大だ。ボールキャリーに優れるフリゼルは暫定2位タイの5トライ、プレースキッカーを務めるモウンガは同4位の54得点を記録するなど、チームを牽引している。今節は2試合欠場していたトライゲッターWTBジョネ・ナイカブラが復帰。6連勝に向けて明るい材料が揃う。

 

 ヴェルブリッツはSHアーロン・スミス、バレット、CTBシオサイア・フィフィタらが加わり、攻撃に厚みが増した。FWにはNo.8姫野和樹のほか南アフリカ代表のバックロー(FL、No.8)ピーターステフ・デュトイがおり、ブレイブルーパスのFWパックにも負けず劣らずの陣容だ。前節の花園近鉄ライナーズ戦を欠場したバレットが復帰したのは好材料だが、出場したスミスがケガで途中交代(今節はリザーブ)。代わりに入った福田健太が今節はスタメンに昇格。バレットとのコンビで、ブレイブルーパスに挑む。

 

 ジャパンのキャプテンを務めたリーチと姫野、オールブラックスの10番を争ったモウンガとバレットのマッチアップも注目だ。昨年W杯フランス大会でキャプテンを任された姫野は、3大会連続キャプテンを務めたリーチを「代表のキャプテンは相当きつい。これを8年間も続けてきたので、“この人は鉄人だ”と思った」とリスペクトの念を隠さない。だが「ゲームになったら関係ない。グラウンドに入ったら彼をドミネートする」と闘志を燃やす。

 

 10番のマッチアップも注目だ。世界最高峰の司令塔対決。この点について問われると、バレットは「私と彼の1対1ではなく、東芝とトヨタの対決。彼との再会は楽しみだが、あくまでチーム対チームだ」と答えた。本人たちが意識しなくとも、互いにプレースキッカーでもあるため、それぞれのキック精度が勝敗を分けることになるだろう。

 

 昨季5位のブレイブルーパスと6位のヴェルブリッツ。クロスボーダーマッチには参加しないため、この試合を終えれば約1カ月の中断期間に入る。どちらにとっても勝ってブレイク期間に突入したいところ。キックオフは14時半を予定している。

 

(文/杉浦泰介)