サッカー・AFCアジアカップカタール、グループD第3節の日本代表対インドネシア代表の一戦が24日、アルトゥマーマスタジアムで行われ、日本が3対1で勝利した。試合は前半6分にFW上田綺世(フェイエノールト)の得点で日本が先制。後半7分にも上田が追加点を決めた。43分には上田が相手のオウンゴールを誘い、リードを広げたものの、45分にはロングスローからインドネシアに1点返された。この結果、日本はグループDを2位で通過し、決勝トーナメント進出を決めた。

 

 日本、流動的なポジショニング披露(アルトゥマーマ)

日本代表 3-1 インドネシア代表

【得点】

[日] 上田綺世(6分、52分)、オウンゴール(88分)

[イ] サンディ・ウォルシュ(90分)

 

 手痛い敗戦を喫したイラク代表戦から日本は8人を入れ替えてスタートした。4バックは左から中山雄太(ハダースフィールド)、町田浩樹(ユニオンサンジロワーズ)、冨安健洋(アーセナル)、毎熊晟矢(セレッソ大阪)。MF遠藤航(リバプール)とボランチを組んだのはMF旗手玲央(セルティック)。2列目は左から中村敬斗(ランス)、久保建英、堂安律(フライブルク)。ワントップには上田が入った。

 

 守備時には4-2-3-1だが、攻撃時にはボランチの旗手が前に出る4-3-3気味になった。

 

 開始早々、上田が抜け出し、ペナルティーエリア内右の深い位置でボールを受ける。うまく体をつかい相手DFに対し、ボールを隠すようにキープ。たまらず相手主将のDFジョルディ・アマトは上田を両手で抱え込むようにして倒した。ビデオ判定の結果、ファウルが認められ日本がPKを獲得。巧みにファウルを誘った上田が冷静に右隅に蹴りこみ、日本が先制した。

 

 日本は左サイドハーフの中村がワイドに開き幅をとり、左サイドバックの中山が低い位置でフォローに入る。右サイドは堂安と久保が頻繁にポジションを入れ替えながら相手を混乱に陥れ、右サイドバックの毎熊がインナーラップ、オーバーラップを仕掛け、ボールがスムーズに回った。

 

 24分、相手ゴール前で上田から久保へとボールが渡り、遠藤からリターンパスを受けた久保がエリア内で右足を振りぬくがシュートはわずかにゴール左にそれた。35分には久保が浮き球のスルーパスをペナルティーエリア内に侵入した毎熊に通す。毎熊がダイレクトで折り返し、中村が右足インサイドでゴール左を狙いすましたものの惜しくもシュートはポストに嫌われた。日本は久保を中心に好機を多く作った。

 

 後半7分、左サイドで堂安、中村、再び堂安とボールが渡る。日本の10番はグラウンダーのクロスを入れると、久保がニアで相手DFを引き連れてつぶれ役になった。ファーではフリーで待ち構えた上田が右足で押し込み、日本がリードを広げた。

 

 16分には前線に張った久保がセンターバックを引き連れて中盤に降りる。そのスペースを見逃さなかった右サイドの堂安がゴール方向に向かい走りこむ。GK鈴木彩艶(シントトロイデン)からのロングフィードを堂安が左足アウトサイドでぴたりと収め、ループシュートを放つ。惜しくもボールはゴール右に外れたものの、敵を引き連れてスペースを空ける久保と、そのスペースを見逃さなかった堂安の連係の良さが見えたシーンだった。

 

 43分には上田のシュートが相手DFに当たりゴールネットを揺らした。しかし、終了間際にロングスローのこぼれから残念な失点。クリーンシートとはいかなかったものの日本は決勝トーナメント進出を決めた。

 

 前節のイラク代表戦では中盤2列目の配置ミスにより渋滞が発生したことと、左サイドが機能不全に陥っていたが、このインドネシア戦では修正してきた森保ジャパン。グループDを2位で通過したため、決勝トーナメントは1回戦から厳しい相手と対戦するが、サムライブルーの戦いから目が離せない。

 

(文/大木雄貴)

 

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