サッカー・アジアカップ(カタール)決勝トーナメントラウンド16の日本代表対バーレーン代表戦が31日、アルトゥマーマで行われ、日本が3対1で勝利した。試合は前半31分にMF堂安律(フライブルク)の得点で日本が先制。後半4分にMF久保建英(レアル・ソシエダ)の得点でリードを広げた。19分に日本はオウンゴールを相手に献上するものの、27分にFW上田綺世(フェイエノールト)の得点でダメを押した。日本は2月3日に準々決勝でシリア代表かイラン代表のどちらかと対戦する。

 

 上田、今大会4ゴール目!(アルトゥマーマ)

日本代表 3-1バーレーン代表

【得点】

[日] 堂安律(31分)、久保建英(49分)、上田綺世(71分)

[バ] オウンゴール(59分)

 

 森保一監督はインドネシア戦からスタメンをセンターバックの町田浩樹(ユニオンサンジロワーズ)からDF板倉滉(ボルシアMG)に変更。あとの10人は同じメンバーをピッチに送り出した。また、今大会、初めて三笘薫(ブライトン)をベンチ入りさせ、この1戦に臨んだ。

 

 今大会、これまで日本は堂安、久保、DF毎熊晟矢(セレッソ大阪)らが見せる右サイドでのコンビが良いリズムを作っていた。しかし、この試合は左サイドからテンポの良いパス回しが見られた。左センターバックのDF冨安健洋(アーセナル)がボールを持つと、左サイドバックのDF中山雄太(ハダースフィールド)が内側の位置を取る。左インサイドハーフの旗手玲央(セルティック)がやや落ち気味に入れ替わる。それと同時にセンターバックから中村へのパスコースも作りだすという見事な連係を披露した。

 

 均衡が崩れたのは前半31分。左サイドタッチライン際からのビルドアップから毎熊がピッチ中央へ絞りパスを引き出す。ペナルティーエリア外のゴール正面で一瞬シュートコースが空くと迷うことなく右足を振りぬいた。強烈なシュートは左ポストを叩いたがこれに堂安が反応。落ち着いてトラップしてからゴールに押し込んだ。この場面、上田やMF中村敬斗(ランス)はオフサイドポジションにいたため、あえてプレーに関与しなかったことが日本に大きな1点をもたらせた。

 

 後半4分、ついに久保に今大会初ゴールが生まれた。敵陣左サイドの高い位置で久保がプレスをかけボールを奪う。そのままドリブルで持ち運び、上田にラストパス。しかし、上田と堂安が重なってしまう。相手DFとの密集地帯から久保の足元にボールがこぼれると、このレフティーは反転し、左足で右サイドネットを揺らした。久保は明らかなオフサイドポジションだったため、この時はゴールが認められなかった。しかし、VARの介入により主審が映像をチェック。久保はオフサイドポジションだったが密集地帯からこぼれたボールは相手選手の足に当たっていたため、オフサイドは無効となり、久保の得点が認められた。

 

 良い流れのまま時計の針を進めたかったが、そう簡単にいかなかった。19分、バーレーンの左CK。ファーサイドからヘッドで合わされた。ゴール正面に飛んだシュートをGK鈴木彩艶(シントトロイデン)を弾く。カバーに入った上田と鈴木が交錯し、ボールはゴールラインを割ってしまった。このCK、数秒前にキャッチできたボールを鈴木が弾いたことがきっかけで与えてしまったものだった。弾く場面、キャッチに行く場面の判断を、この国際舞台の経験をいかして鈴木には今後の成長につなげてほしい。

 

 勝負を決定づけたのはセンターフォワードの上田だった。失点から5分後、右サイドの毎熊から上田がボールを受けると反転と右足アウトサイドタッチで相手DF3人を一気に置き去りにし、ペナルティーエリアに突進する。角度はなかったが強烈なシュートで相手GKの股下を射抜き、上田が試合にダメを押した。

 

 この後、バーレーンは前線からのプレスの決まりごとがなかったのか、追うのか追わないのかチグハグな動きを見せ、時間を浪費した。スコアもこのまま、3対1で日本が勝利し、ベスト8に駒を進めた。準々決勝は中2日という過密日程で行われる。森保監督の采配にも注目だ。

 

(文/大木雄貴)