1、2、4、5、7、10、12〜17、20〜22、27〜30……。

 今年部員の整理をしてみると、人気の出そうな背番号がずらりと空きました。
 「背番号を変えたい人はご連絡下さい」と連絡網で知らせると、19人中6人から背番号変更の連絡がありました。
 中でも人気なのが「1」。6人中3人が1番を希望しています。
「今年副キャプテンに任命されたので、チームを引っ張っていくという意味でも、1番をつけたいと思っています」今年から副キャプテンになった選手は、そんなメールをくれました。

 昨年の新入部員は、一桁や10番台、20番台の人気のある番号に空きが少なかったため、重い番号をつけている選手が多くいます。その中で「47」をつけている内野手の矢筒になぜその番号を希望するのか聞きました。
「今年の新入部員よりも3ヶ月前に入部してるから、優先的に番号決めてもらおうと思うんだけど、何番がいいかな?」
 私が広げた番号表を見ながら、彼は言いました。「じゃ、47」。
「47?」
「はい。47でお願いします」
「まだまだよさそうな番号空いてるよ。なんでまた47なの?」
「工藤選手が好きだからです」なるほど。そういう理由か……。

 後日、背番号に関して監督と話をしていると、
「なんでアイツは47やねん?」と聞かれました。
「工藤選手が好きだからみたいですよ」
その言葉を聞いた監督がベンチに帰ってきた矢筒に言いました。
「お前、工藤さん好きなんか」
「いや……」
「背番号、工藤さんの番号やないか」
「あ、でも、特にそれだけが理由じゃないです」
「じゃ、なんや」
「うーん……何となく、かな」
「なんやそれ……」

 以前、別のクラブチームに所属する元プロ野球選手のコーチに、「なんで23番をつけているんですか?」と聞いたことがあります。現役時代も、高校時代も、全く関係のないような番号をつけているのです。返ってきた答えは「同じ番号をつけている先輩のプロ野球選手に道具をもらえるから」でした。そんな理由?! と思いつつ、そのような活用法もあるのだと気づかされました。

 背番号にかける思いにはいろいろあるようです。

 そういえば、監督はなんで「50」なんだろう……。今週末、聞いてみようと思います。

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広瀬明佳(ひろせ・さやか)
福島県郡山市出身。母がソフトボール、兄が野球をやっていたことから中学・高校時代ソフトボール部に所属。大学時代軟式野球サークル。前職での仕事をきっかけに初めて硬式野球の道へ。現在、埼玉県内の硬式野球クラブチームに所属。チームの紅一点として奮闘中!

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