4月26日、埼玉県内のクラブチームだけが参加するリーグ戦が行われました。4月19日から11チームがAブロック、Bブロックの2つに分かれて開幕。Bブロックの我がチームは26日が初戦でした。
 相手は1年前にコールド勝ちをしたことがある松山OBクラブです。
 先攻の相手チームに、初回から長打を許し、3回までに8失点。追い上げている3回表に本部役員がベンチに顔を出しました。
「監督、ちょっと本部席まできていただけますか」。何が起こったのかわからないといった表情で監督が立ち上がりました。

 ベンチから本部席を見ると、監督が納得いかないような表情で役員と話をしています。不安な気持ちが10分ほど続いたでしょうか。監督が失望したような表情でベンチに戻ってきました。
「3月に提出した登録届けと背番号が違う選手がいるから、この試合はオレたちの負けになるんだって。そんな試合意味ないから、5回で打ち切りにしてもらった」

 大会1ヶ月前に提出した登録名簿の背番号から変更している選手が4人いたのですが、私が背番号変更を事前に告げるのを怠ってしまっていました。試合開始のメンバー交換時には私も本部役員も気がつかず、観客席で見ていた別チームの監督が本部に申し出たことで発覚しました。

 監督とコーチは守備についている選手たちを見つめ、しばらく押し黙っていました。グラウンドでは何事もなかったように試合が進んでいきます。
 5回表の守備が終わり、最後となる攻撃の前、ベンチ前に選手を集め、5回で試合は打ち切りになると監督から選手に伝えられました。少し動揺する選手たちに、監督が言いました。
「こういうことになったからこそ、負けるな。勝って終われ」

 選手は諦めずに最後まで戦いましたが、5回までに追いつくことができず、2点差で敗れました。公式記録では、9対0のコールド負けとなっています。

 試合後、自分のしてしまったことの重大さにさいなまれました。確認を怠ったことで、せっかくの試合をゼロにしてしまいました。
 これから公式戦が続きます。今回のようなことを二度と起こさないよう、気を引き締めていきたいと思っています。



★携帯サイト「二宮清純.com」では、このコーナーのコラムをHPに先行して配信中です。紅一点の女子部員の奮闘ぶりを一足早く携帯でお楽しみいただけます。更新は第1、3火曜。ぜひ、チェックしてみてください。
広瀬明佳(ひろせ・さやか)
福島県郡山市出身。母がソフトボール、兄が野球をやっていたことから中学・高校時代ソフトボール部に所属。大学時代軟式野球サークル。前職での仕事をきっかけに初めて硬式野球の道へ。現在、埼玉県内の硬式野球クラブチームに所属。チームの紅一点として奮闘中!

(このコーナーは毎週第1・3木曜日に更新いたします)
◎バックナンバーはこちらから