世界中の注目を集める華やかな舞台――8月8日に行われる北京五輪開会式で、日本選手団が着用するウエアが発表された。選手たちは「無限∞の可能性」をコンセプトにミズノが開発したウェアに身を包み、開会式入場行進に臨む。


(写真:北京五輪開会式入場行進ウエアを着用した陸上男子400メートルハードルの成迫選手(左)と女子ハンマー投げ・円盤投げの室伏選手)
 選手たちが日々追い求めている勝利の可能性、世界へと立ち向かう思いを表現するべく「無限∞の可能性」をコンセプトに開発された開会式入場行進ウエア。選手たちに提供されるのは、ジャケット、パンツ(女子はハーフパンツ)、シューズ、ベルト、ソックスなど、男子7アイテム、女子8アイテムとなっている。
その中には、揺るぎなき自信とプライドを表現する『勇』、不屈の精神と飽くなき挑戦心を表現する『挑』、選手をサポートするために果てしなく進化する日本の技術力を表現する『翔』という3つのテーマが込められている。

 今回、ミズノはスポーツメーカーとして初めて、夏季オリンピック競技大会の開会式ウエアを手がけた。
「1年半くらい前から準備を始めたんですが、開会式で着用するのはジャケット&パンツスタイルがいいのか、スポーツタイプがいいのか……ミズノとしてどういうかたちがベストなのか、まず社内の中で意見をまとめるのが難しかったですね」
 ミズノ株式会社アスレティック事業部マーケティング部ゲームウェア企画課課長の中島雅利さんはこう振り返る。最終的には、入場の式典にふさわしく「凛とした姿で颯爽と入場してもらいたい」と、ジャケット&パンツスタイルに決定した。
 
 まず目を引くのは、武士の勝色として縁起が良いとされてきた濃紺のジャケットだ。ボトムは、日本の伝統色である白いパンツ(女子はハーフパンツ)。ジャケットの裏地には、内に秘めた闘志を表現し赤い縁取りが採用されている。
 一見すると、スポーツの祭典にふさわしい「フォーマルスタンダード」仕様だが、そこにはミズノならではのテクノロジーから生まれた「快適性」が融合されている。
ジャケットは従来よりも通気性が50%アップ、サイドにはメッシュ素材が採用された。またジャケットのインに着る男性用のポロシャツ、女性用のクルーネックには、涼感素材である「アイスタッチ」が採用されるなど、北京の暑さの中でも快適に過ごせるように配慮されたつくりとなっている。

 また、女子選手には、シルクテイストのシフォン素材のスカーフ、デニム素材のバッグなど、女性ならではのアイテムが充実。ジャケットやバッグには、スワロフスキー社のCRYSTALLIZEDTM-Swarovski Elements (クリスタライズ-スワロフスキー・エレメント)が使用されるなど、エレガントさが加えられているのも、嬉しいポイントだ。
「選手に負担をかけないように、北京の暑さに対してどうアプローチしていくか、というところは苦労しました。完成したものは、スポーツウエアが持つ特長にファッション性を融合することができたと思います」(中島さん)

 モデルとして、実際にウエアを着用し会見に出席した陸上400メートルハードルの成迫健児選手は、「通気性がとても良くて軽い。サラッとした感じで、すごく気持ちがいい」とその着心地の良さを強調する。
 同じくモデルを務めた女子円盤投げ・ハンマー投げの室伏由佳選手は、「いろいろな国の選手がいる開会式という場で、女性ならではの柔らかいスカーフで個性が演出できて良い。個人的にはバッグがとても気に入った。中も小分けできるような作りになっていて、すごく使いやすいと思う」と、その仕上がりに満足した様子。
 両選手とも、代表入りは正式決定していないだけに、「代表権をしっかり獲って、ぜひこのウエアを着て開会式に出たい」と口を揃えた。

 開会式は実際に現地で見る予定だという中島さんは、「開会式で、日本の選手たちが何百人も並んで入場行進する姿を見たら、涙が出てくるかもしれないですね」と語る。
 ミズノのテクノロジーが注ぎ込まれたウェアには、製作者たちの思いも詰まっている。北京五輪の開会式で、日本選手団が入場行進する姿が今から楽しみだ。


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 ミズノは、財団法人日本オリンピック委員会とのオフィシャルパートナー契約に基づき、第29回オリンピック競技大会(中華人民共和国・北京:2008年8月8日〜8月24日)に出場する日本代表選手団の開会式入場行進ウエア・シューズ類を提供します。

厳しい練習に身を投じて、大舞台に立つことを夢見てきた日本代表選手は、「揺るぎなき自信と誇り」、「不屈の精神と飽くなき挑戦心」を胸に抱き、第29回オリンピック競技大会(2008/北京)に臨みます。
その日本代表選手のスタートラインとも言える8月8日の開会式で、全ての選手が「無限∞の可能性」をコンセプトに開発したウエア・シューズを着用します。なお、夏季オリンピック競技大会の開会式ウエアをスポーツメーカーが開発するのは初めてのことです。

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(このコーナーでは北京五輪に向けたミズノの取り組みと、子どもたちへの普及、育成活動を随時レポートします)
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