5月24日、都市対抗埼玉県予選が始まりました。埼玉県は「南関東(千葉・山梨・埼玉)」代表(2チーム)の座をかけての戦いとなります。
 埼玉県内のクラブチームは11あります。前年度のシードで埼玉県第1・2代表に決定している企業チームの日本通運とHondaに続く第3代表を勝ち取るため、クラブチーム同士が戦います。昨年は敗者復活トーナメント準々決勝まで勝ちあがりましたが、代表になることはできませんでした。今年はなんとしても敗者復活トーナメントではなく、本選のトーナメントで勝ちあがりたいところです。

 24日の1回戦は2対1で勝ち、25日の2回戦に駒を進めました。
 2回戦の対戦相手は総合力でウチを上回るチームです。一度も勝ったことがない相手なので、絶対に勝つ気持ちで試合に臨みました。
 ところが……大きなトラブルに見舞われてしまったのです。

 2回裏の攻撃で、ワンアウトの後、6番田中がセンター前ヒット。二盗を決め迎えたバッターは7番の森。フルカウントからファウルで粘り、10球目。ライトオーバーのホームランかと思われる打球が大きな弧を描きました。

 ガシャン!!

 ボールがライトフェンスにぶつかる音と同じくらいのタイミングで、フェンスを背に飛びついたライトのグローブにボールがおさまりました。
 2塁ランナーはフェンスに当たったとみて一度スタートをきりましたが、1塁塁審が「アウト」と言うのを聞き、慌てて2塁へ戻ります。「なんでアウト?」ランナーは理解しがたい表情でベンチと1塁塁審を交互に見ています。

 審判に対する抗議はめったにしない我がチームですが、このときは全員総立ちになり、ベンチを飛び出さんばかりの勢いで1塁塁審に叫びました。
「ライトが捕る前にボールがフェンスに当たってるじゃないか!」
 誰もが「ガシャン!!」という音は選手がフェンスにぶつかった音ではなく、ボールがフェンスにぶつかった音だと知っています。きちんと見ていれば、視覚的にも明らかです。しかし審判は首を横に振りながら高々と上げた右の拳を下げようとはしません。
 1分ほど球場は騒然とした雰囲気に包まれましたが、「これ以上言うな」という監督の指示で、ゲームは2アウト2塁から再開されました。

 審判は絶対とは言えども、「きちんと公平にジャッジしていますか?」と問いただしたくなるような場面が今までにも何度となくありました。「試合を早く終わらせたいから」「たいして強いチームじゃないからほどほどに」そんな意識で臨んでいるのではと疑いたくなるようなジャッジがひとつの試合に必ずひとつやふたつはあるような気がするんです。

 「悔しかったら絶対にアウトを言わせるプレーをしろ」監督の言葉はもっともですが、ゲームの中で重要な役割を荷っている審判の方には、充実したゲームができるようなジャッジをしていただきたいと思っています。結局、このゲーム、私たちのチームは10対4で負けてしまいました。

★携帯サイト「二宮清純.com」では、このコーナーのコラムをHPに先行して配信中です。紅一点の女子部員の奮闘ぶりを一足早く携帯でお楽しみいただけます。更新は第1、3火曜。ぜひ、チェックしてみてください。
広瀬明佳
福島県郡山市出身。母がソフトボール、兄が野球をやっていたことから中学・高校時代ソフトボール部に所属。大学時代軟式野球サークル。前職での仕事をきっかけに初めて硬式野球の道へ。現在、埼玉県内の硬式野球クラブチームに所属。チームの紅一点として奮闘中!

(このコーナーは毎週第1・3木曜日に更新いたします)
◎バックナンバーはこちらから