エディー・ジョーンズHC、大学生育成プロジェクト始動「2027年W杯への第1日」

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 25日、将来の日本代表(ジャパン)選手育成プロジェクト「JAPAN TALENT SQUADプログラム」(JTSプログラム)が東京・明治大学八幡山グラウンドで行われた。同プログラムは各大学と連携の上、選抜された14人の大学生を対象にジャパンスタッフの大学訪問などを含む、S&C(ストレングス&コンディショニング)及び栄養面における年間を通したサポートを行う。

 

(写真:笑顔で選手たちを指導するジョーンズHC。声掛けも「イイヨ!」「ジョウズ!」とポジティブなものが多かった)

 6日前に日本ラグビーフットボール協会(JRFU)から発表されたJTSプログラム。メンバーには2月に福岡で行われた「トレーニングスコッド合宿」に抜擢された大学生、HO佐藤健次(早稲田大学4年)、FB矢崎由高(同2年)、SH土永旭(京都産業大学4年)、SH髙木城治(同2年)、LO石橋チューカ(同2年)、FL青木恵斗(帝京大学4年)、CTB秋濱悠太(明大4年)の7人と、U20日本代表のPR八田優太(京産大2年)、WTB海老澤琥珀(明大2年)、SO伊藤龍之介(同2年)、CTB/SO本橋尭也(帝京大2年)の4人。それにジョーンズHCが大学でのプレーを観て目に留まったというLO/No.8田島貫太郎(明大4年)とSO/FB小村真也(帝京大4年)の2人と、高校日本代表でのプレーが光ったFL福田大和(帝京大1年)を加えた14人が選ばれた。

 

 

 この日はS&Cプログラム講習、ラグビースキルセッション、1on1ミーティングを実施した。メディアに公開されたラグビースキルセッションは、ハーフコートを使ったトレーニング。BKはパススキル、FWはセットプレーを中心としたメニューを行った。ジョーンズHCもトレーニングを間近で見守り、身振り手振りを交えて指導した。身体づくりに関してはジャパンのS&Cコーチを担当してきた太田千尋氏が指導。「スピード、特に加速力を80分間継続できるか。そのためには身体が小さくて弱かったらダメ。ダメージを受けたら発揮できない。その上でゼネラルなストレングスをしっかり鍛える必要がある」。ジョーンズHCが掲げる“超速ラグビー”に必要な身体作りに着手する。

 

 ジョーンズHCは第1次政権(2012~15年)時から若手の抜擢に積極的だった。代表合宿にも高校生・大学生を招集し、15年W杯イングランド大会では藤田慶和(現・三重ホンダヒート)、福岡堅樹の現役大学生を選出。就任記者会見でも「大学ラグビーの選手が“もっと上にいきたい”と思わせるようなモチベーションを高める工夫が必要になる」と言及していた。

「2027年、31年のW杯を意識し、若いタレントをしっかり育成していきたい。いろいろな大学を回り、コーチ陣とも話をした。U20の選手も見た。全員を見れているわけではないが、小さなスコッドを集めることができた。彼らがテストマッチでプレーできる準備をしていきたいです」

 次回は6月を予定しており、以降については「大学との交渉の中で決めていく」と言い、「もし集まることができなくとも大学と連携して選手をサポートしていこうと思っている。特にS&C、栄養、メンタルの部分」と述べた。

 

(写真:ジョーンズHCのイングランド代表、オーストラリア代表時代、コーチを務めたニール・ハトリー氏がセットプレーを指導)

 ジャパンは6月の宮崎合宿の前、5月下旬に長野・菅平で「トレーニングスコッド合宿」を行う。ジョーンズHCによれば、菅平にはリーグワンプレーオフ進出チーム(埼玉パナソニックワイルドナイツ、東芝ブレイブルーパス東京、東京サントリーサンゴリアス、横浜キヤノンイーグルス)と入れ替え戦に出場するチーム(花園近鉄ライナーズ、三重ホンダヒート、三菱重工相模原ダイナボアーズorリコーブラックラムズ東京)を除くリーグワン5~9位チームからの選出となるという。そこに大学生を加える予定。JTSのメンバーにも「4、5人は12カ月で日本代表でプレーできるポテンシャルを持っている」と期待を寄せている。

 

「2023年以降のことを考えると、変化を加える必要があることは間違いなかった。特に日本人選手は年齢が高い傾向があった。大学生の彼らの準備をスタートさせないといけない。今日は2027年W杯への第1日目の準備でした」

 今回招集した14人に対しては1on1ミーティングで、「彼らにはアイディアを渡した」という。「あとは彼らがハードワークするか、いかにワールドクラスの選手になりたいかどうか。彼ら次第です」。トレーニング中は笑顔が目立ったジョーンズHCだが「彼らに宿題を与えた。どれくらいやってくるか、しなかったら問題。その時には笑顔じゃなくなるかもしれない」と“鬼軍曹”の顔をチラリと覗かせた。

 

(文・写真/杉浦泰介)

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