黒田博樹(ドジャース)の抜けた穴を補って余りある活躍ぶりだ。カープの新外国人コルビー・ルイスが投げるたびに評価を高めている。6月15日の西武戦でセ・リーグトップの10勝目をあげた。防御率2.16は3位、奪三振110はトップという安定ぶりだ。

 しかも中4日で投げ続けているのは両リーグ通じて彼ひとり。エースの黒田と4番の新井貴浩(阪神)が抜け、開幕前には最下位候補の筆頭だったカープが、3位巨人と1.5ゲーム差の4位(6月18日現在)と健闘しているのはルイスのお陰である。逆に言えばルイスがいなかったらと思うとゾッとする。今頃は横浜と最下位争いをしているところだろう。

 カープファンにとっては救世主のようなルイスの存在だが「来シーズンはいるのか?」と気をもむ者は少なくない。というのも元阪神のアンディー・シーツ、オリックスのグレッグ・ラロッカなど低年俸が原因で別の球団に移籍する外国人選手は後を絶たないからだ。ルイスの推定年俸は9500万円。この成績なら今の年俸の3倍、いや4倍の札束を積み上げる球団はたくさんあるだろう。

 肝心のカープとの契約はどうなっているのか。球団関係者によると「契約はオプション付きの2年で、その間、国内球団への移籍はできないことになっている」そうだ。カープファンにとっては朗報だが、メジャーリーグ復帰となると話は別。先の関係者は「シーズンオフ、もしメジャーリーグの球団からオファーがあり、ルイスがそれに応じたら、球団は止められないはず」と語っていた。

 メジャーリーグの球団にとって中4日で投げられるスターターは喉から手が出るほど欲しい人材。日本でのルイスの活躍を見て興味を示さない球団はないだろう。ということは来季はメジャーリーグ復帰か。カープファンにすれば救世主のいる間にクライマックスシリーズ出場を果たしてもらいたいところだろう。

<この原稿は2008年7月7日号『週刊大衆』に掲載されたものです>

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