第291回 RIZIN王者・鈴木千裕が五味隆典に対戦を求めた理由─。6・23代々木『KNOCK OUT CARNIVAL 2024』

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 いまや「RIZIN」主力ファイターのひとりとなった鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)が、6月23日、東京・国立代々木競技場第二体育館『KNOCK OUT CARNIVAL 2024 SUPER BOUT “BLAZE”』に参戦する。

 

(写真:総合格闘技「RIZIN」とキックボクシング「KNOCK OUT」の二刀流王者・鈴木千裕 Photo by 藤村ノゾミ)

 現在、鈴木は総合格闘技「RIZIN」のフェザー級(66キロ以下級)王者であり、キックボクシングでもKNOCK OUT-BLACKスーパーライト級(65キロ以下級)のベルトを腰に巻く“二刀流”ファイター。「KNOCK OUT」登場は約1年3カ月ぶりとなり、今回の相手は格闘技界の“レジェンド”五味隆典(東林間ラスカルジム)、ほぼボクシングルールでの対峙となる。

 

 その鈴木が、5月9日に東京・千代田区で開かれた「KNOCK OUT」の記者会見に出席し、五味戦に向けての熱い思いを語った。

「(五味が)会見に来ていない意味が分からない。プロじゃないと思います。僕だってこの時間、練習したいんですよ。でも、その時間を割いてここに来ているのに」

「五味さんからは『PRIDEの時の俺で闘うから覚悟しておけよ!』と言われました。RIZINのリングで五味さんはボクシングマッチを2戦やっていますけど、あれはPRIDEの時の五味さんじゃない。僕は、PRIDEの五味さんと試合をしたい。だから契約体重も73キロ(五味のPRIDE時代に闘っていた階級)にしてもらいました」

「五味さんは山籠もりをしているそうですが、それで最高のコンディションを作ってくれるなら、記者会見の欠席も許します」

 

(写真:五味隆典戦に向けての想いを語る鈴木千裕 Photo by 藤村ノゾミ)

 このカードは、鈴木が望み実現した経緯がある。

 なぜ、師でもある五味と闘いたいと思ったのか?

「師を超える、それが恩返し。(師が)現役じゃないとそれは叶わないじゃないですか。ならば五味さんを超えるのは、いましかない。正々堂々と闘いKOして超えたい」

 

 師を殴れるのか?

「憎しみはない。リスペクトを持って全力で闘う。格闘技はケンカでも、殺し合いでもなく競技。そこで五味さんに勝ちたいんです。

 たとえば僕が後輩に技術を教えて、その技で倒されたとします。その時、『教えた技術は間違っていなかった、次の世代につなぐことができた』と自分なら思える。僕の中では、それが恩返し。だから五味さんと闘いたいと思ったんです」

 

「天下無双の火の玉ボーイ」vs.「天下無双の稲妻ボーイ」。

 普通に考えれば、現役バリバリの鈴木が優位だが、果たしてどうか?

 勝負強い五味がコンディションを最高の状態に仕上げたならば、鈴木にとっては不利な契約体重設定であることも含め、予想を超える展開になる可能性も十分にある。

 

(写真:会見に出席した選手たち<左からNA☆NA、渡部太基、栗秋祥梧、重森陽太、鈴木千裕、山口元気プロデューサー、小笠原瑛作、レンタ・ウォーワンチャイ、中村優作、小川悠太> Photo by 藤村ノゾミ)

 また同大会には他団体の強豪選手も多く参戦。

 KNOCK OUT-BLACK(通常のキックボクシングルール)、KNOCK OUT-RED(ムエタイルールに近い闘い)、KNOCK OUT-UNLIMITED(タックル可、グラウンド状態でも打撃攻防ありの闘い)など多彩なルールの下での試合が行われる。

 見逃せないイベントとなりそうだ。

 

<直近の注目格闘技イベント>

▶5月12日(日)、東京・大手町三井ホール/「RISE EVOL.12」吉岡龍輝vs.TAKUほか

▶5月19日(日)、/東京・後楽園ホール/「RISE 178」小林愛理奈vs.小林愛三ほか

▶5月19日(日)、東京・竹芝ニューピアホール/「PROFESSIONAL SHOOTO 2024 Vol.4」&「修斗×YFU 7対7日中対抗戦」SASUKE vs.ホワーン・ユエロアほか

▶5月23日(木)~26日(日)、東京体育館/「レスリング全日本選抜選手権」

▶5月25日(土)、東京竹芝ニューピアホール/「PANCRASE 343」平田直樹vs.Ryoほか

▶5月26日(日)、愛知・名古屋国際会議場/「HOOST CUP KINGS NAGOYA 15」ヘビー級タイトルマッチ、ジャイロ楠vs.マウンテンRYUGOほか

▶5月26日(日)、東京・後楽園ホール/「Krush.161」スーパーウェルター級王座決定トーナメント準決勝ほか

▶5月26日(日)、東京・竹芝ニューピアホール/ 「DEEP TOKYO IMPACT 2024 3rd ROUND」&「DEEP JEWELS 45」ミクロ級タイトルマッチ 大島沙緒里vs.村上彩ほか

 

近藤隆夫(こんどう・たかお)プロフィール>

1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。

連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)

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