9月28日午前5時、久しぶりに緊張で目が覚めました。
 この日は、萩本欽一監督率いる茨城ゴールデンゴールズとの対戦。2年連続全日本クラブ選手権優勝の、日本一のクラブチームです。知名度以上に実力のあるチームです。
(写真:一番右端が萩本監督)
 上尾市施行50周年記念事業「欽ちゃん球団が上尾にやってくる!」イベントでの対戦です。大塚監督が所属していることもあり、地元埼玉県のチームとしてご招待いただきました。

 茨城ゴールデンゴールズとは創部5ヶ月の06年4月に、水戸信金カップという大会で対戦して以来、2年5ヶ月ぶりの再戦です。水戸信金カップでは、8対0で負けました。

 13時の試合開始に備えて9時半に球場へ入った我がチームですが、それよりも先に、双眼鏡を持ったおじいさんが3塁側内野自由席入口に陣取っていました。
 「欽ちゃんはどこに行ったらよく見えるかな?」
 「欽ちゃんのチームは1塁側だから、反対側に行ったほうが良く見えると思いますよ」
 地元開催ながら完全アウェーの状態です。

 予定より20分早い10時40分の開場になると、あっという間にスタンドが埋まっていきます。11時からのバッティング練習の頃には、内野スタンドがいっぱいになっていました。

 4000人収容の内野席が完売になるような観客数の中で試合をするのも2年5ヶ月ぶりとあって、雰囲気にのまれそうではありましたが、試合前のミーティングで、そんな気持ちは吹き飛びました。

 観客席の声援、関係者の方々のご挨拶、バタバタとした空気を控室のドアを閉め切って
シャットアウトし、ミーティングが始まりました。

 「なんでこの試合を引き受けたかわかるか?」と大塚監督。
 選手は監督の顔をじっと見つめます。
 「都市対抗につながる大会であろうとクラブ選手権の大事な大会であろうと、お客さんがこんなに入る機会はほとんどない。数千人のお客さんのなかで、自分たちの最高のパフォーマンスができたら、それが今後の自信になっていく。だから引き受けた。どんな状況でも全力プレー! いつもの攻守交替の全力疾走! いいな」
 自分たちがどんなプレーをするべきか、冷静に考えることができました。監督の言葉を聞いて、地に足をつけるとはこういうことかと思えるような落ち着きを確認し、チームはベンチへ向かいました。

 先に守備につく我がチームの選手ひとりひとりがコールされ、グラウンドへ飛び出していきます。
整列の挨拶の後、セレモニー慣れしていない我がチームの選手が、コールを待たずに守備位置に全力疾走するという初々しいハプニングに緊張をほぐしてもらいながら、13時9分、試合が始まりました。


(このコーナーは毎週第1・3木曜日に更新いたします)
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