大岩J、ベスト8で散る ~パリ五輪・サッカー男子~
パリ五輪サッカー男子は日本時間3日(大会10日目)、ノックアウトステージ準決勝のU-23日本代表対同スペイン代表戦がリヨンで行なわれ、日本が0対3で敗戦した。前半11分、MFフェルリン・ロペスのミドルシュートでスペインが先制した。後半28分にもCKからロペスに追加点を決められた。さらに41分にFWアベル・ルイスに押し込まれ、日本はベスト8で敗退した。
前半の対応遅れが仇となり敗戦(リヨン)
U-23日本代表 0-3 U-23スペイン代表
【得点】
[ス] フェルリン・ロペス(11分、73分)、アベル・ルイス(86分)
試合開始から、位置取りが修正できていればまだわからなかった。スペインの得意の4-3-3のアンカーを日本は誰がマークに行くのか、はっきりさせるのに時間を要してしまった。
日本もスタートシステムおよび、攻撃時は4-3-3ながら、守備時には4-4-2の中盤フラットに可変した。しかしながら、相手のアンカーがあまりにも自由過ぎた。2トップの片方が、パスコースを消しながら、プレスに行く様子も見受けられなかった。
対応に遅れていた11分。スペインが牙をむいた。ロペスに中盤でボールを持たれ、左足を振り抜かれた。GK小久保玲央ブライアン(シントトロイデン)の左手をかすめ、悲しいかな右サイドネットにボールは吸い込まれ、スペインに先制された。
25分以降、やっと兆しが見えかけた。相手のアンカーに対し、MF藤田譲瑠チマ(シントトロイデン)が積極的に出ていくようになり、監督の指示か選手の自己判断かはさておき、日本は守備時に4-4-2の中盤ダイヤモンドに変更した。これにより、相手の中心を潰せるようになった。
40分、日本に好機が訪れた。藤田がペナルティーエリア内に位置取るFW細谷真大(柏レイソル)に縦パスを入れる。日本のエースは背中にDFエリック・ガルシアを背負いながら、反転し、右足を一閃。グラウンダーのシュートはゴールネットを揺らし、日本は同点に追いついた。しかし、映像確認によりゴールは取り消された。ガルシアとポジション争いをした際、パスを受ける前に一瞬、細谷の足がわずかにDFラインをこえていたため、オフサイドが取られた。
後半に入ると、中盤と前線ではマンツーマンに近い状況を作り、日本がペースを握っていた。だが、後半25分、スペインの左CKからペナルティーエリア外にポジションを取るロペスにロングパスが渡り、右足の強烈ハーフボレーのシュートがゴールネットに突き刺さった。
GKからのビルドアップを捨ててから、流れを呼び戻した日本だったが、試合終了間際にまたしても、スペインのCKから失点。日本はベスト8でパリの地を後にすることとなった。
(文/大木雄貴)