志田&松山ペア、笑顔で銅メダル! ~パリ五輪・バドミントン女子ダブルス~
現地時間2日、パリ五輪大会11日目にバドミントン女子ダブルスの3位決定戦・決勝が行われた。3位決定戦は志田千陽&松山奈未組(再春館製薬所)がムラリタラン・ティナア&パーリー・タン組(マレーシア)をストレートで下した。日本勢の同種目表彰台は藤井瑞希&垣岩令佳組(2012年ロンドン大会銀)、髙橋礼華&松友美佐紀組(16年リオデジャネイロ大会金)以来、2大会ぶり3組目。金メダルは東京大会銀のチェン・チンチェン&ジア・イーファン組(中国)が手にした。
らしさが全開の3位決定戦だった。大会前、志田はこう語っていた。
「声を出して、足をたくさん動かし、笑顔で戦っている時の“シダマツ”が一番強いと思いますし、それが“シダマツらしさ”なのかなと思っています」
その言葉通りにコート上に響き渡る2人の声掛け、そしてシャトルに食らいついた。「今日はずっと前を向いて、“次、1本!”と2人で声を掛け合っていました」と松山。7日間で6試合目、心身ともにきついものがあるだろうが、笑顔を絶やさなかった。1学年下の松山が前衛、先輩の志田が後衛が基本布陣だが、逆の陣形でも苦にしなかった。
テンポの速い攻撃に時折ドロップショットを織り交ぜ、緩急をつけた。第1ゲームを21-11で奪うと、そのままのペースで駆け抜けた。第2ゲームもリード。序盤、中盤に3連続ポイントを上げると14-9から5連続ポイントで突き放した。2ポイントを返されたものの、マッチポイント迎えた。最後は松山のショットを相手が返しきれず、21-11。ストレート勝ちで銅メダルを手にした。
「昨日負けて悔しかったんですけど、2人で持ち帰るものを獲得できて良かったです」と志田。日本勢としては、リオデジャネイロ五輪以来、2大会ぶりの表彰台。世界レベルの選考レースを勝ち抜いてきた。世界ランキング1位や世界選手権メダルなど、これまで先輩たちが成し得てきた偉業はまだ到達できていないが、女子ダブルスとしては史上3組目となる五輪表彰台に立って見せた。
(文/杉浦泰介)