なでしこジャパン、ベスト8で敗れる~パリ五輪・サッカー女子~
パリ五輪サッカー女子は日本時間3日(大会11日目)、準々決勝・日本女子代表(なでしこジャパン)対アメリカ女子代表の一戦がパリで行なわれ、0対1で敗れた。試合は90分では決着がつかず、延長戦へ突入した。延長前半アディショナルタイム、FWトリニティ・ロドマンにゴールネットを揺らされた。なでしこジャパンは延長戦後半の15分間で追いつけず、パリ五輪はベスト8で敗退となった。
延長後半に2枚替えも奏功せず(パリ)
なでしこジャパン 0-1アメリカ女子代表
【得点】
[な]
[ア] トリニティ・ロドマン(105+2分)
3大会ぶりのメダル獲得に向けてアメリカの重要なこの一戦。なでしこジャパンは、古傷の再発により戦線離脱していたMF藤野あおば(マンチェスター・Cウィメン)をはじめ、MF長野風花(リヴァプール・ウィメン)、MF清家貴子(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンWFC)、DF古賀塔子(フェイエノールト・ヴロウウェン)らがスタメン復帰を果たした。
なでしこジャパンは守備時に5-4-1、攻撃時に3-4-2-1になるシステム。アメリカは、スタート予想フォーメーションこそ4-3-3だったが、守備時に4-4-2、攻撃時には3-2-5になるシステムに映った。アメリカのこの可変システムはヨーロッパでトレンドになりつつあるものだ。ボールを持ちながら、相手を自陣に引き込み、“疑似カウンター”を狙ってくることも考えられた。
6分、アメリカがチャンスを作った。左サイドからアーリークロスを入れると、10番のMFリンジー・ホランが頭でゴールを狙ったが、GK山下杏也加(無所属)がキャッチした。30分にはFWソフィア・スミスが抜け出すが、DF熊谷紗希(ローマ・フェミニーレ)が巧みな寄せを見せ、シュートコースを切った。
35分、なでしこにチャンスが訪れた。左サイド深くまでボールを運んだ清家がペナルティーエリア内のFW田中美南(ユタ・ロイヤルズ)にラストパス。田中は相手DFを背負い、振り向きざまに右足を振ったが、これは相手GKに阻まれた。
その1分後には、またも左サイドの清家から逆サイドを駆け上がったDF守屋都弥(INAC神戸レオネッサ)が右足ボレーを放ったが、シュートは枠を逸れた。
後半の45分間でもスコアは動かず、試合は延長戦に突入した。池田太監督は、疲労が色濃く見えた古賀に代えて、DF高橋はな(三菱重工浦和レッズレディース)を投入した。
延長前半アディショナルタイムだった。右ウイングのロドマンが内側に切り込み、DF北川ひかる(INAC神戸レオネッサ)のマークを振り切り、角度がないところから左足を一閃。シュートは無情にも左サイドネットに突きささった。
延長後半、なでしこジャパンは最終ラインの高橋を最前線に上げるパワープレーに出るが、万事休す。タイムアップの笛が鳴り、なでしこジャパンはベスト8でパリの地をあとにすることとなった。
(文/大木雄貴)