“着火剤”役となった切り札・永野の活躍で金メダル! ~パリ五輪・フェンシング男子フルーレ団体~
パリ五輪フェンシング男子フルーレ団体の日本代表(敷根崇裕、飯村一輝、松山恭助、永野雄大)が日本時間5日(大会12日目)、金メダルを胸に飾った。日本はグランパレで行なわれた決勝戦でイタリア代表を45対36で下した。個人、団体を通じて初の金メダル獲得となった。なお、銅メダルはフランス代表が獲得した。
フェンシングにおけるフルーレの攻撃有効面は手足を除く、胴体両面および頭部だ。「斬り」は無効で「突き」のみが有効となる。先に剣を相手に突きたてた方に攻撃の「優先権」が与えられる。総当たり9試合制(1試合3分間)。タイムアップ時に得点の多いチームまたは、45点を先取したチームが勝者となる。
最終的には、51秒を残して45対36。スコア上は圧勝したように思える。しかし、実際は流れが日本に傾いたり、イタリアに傾いたりと難しい試合展開だった。第8試合を迎えるまでは――。
第1試合敷根、第2試合飯村、第3試合松山を終え、日本は計15対14と1点リード。しかし、第3試合の松山は5得点7失点とやや雲行きが怪しくなってきていた。第4試合敷根、第5試合松山も粘りを見せるものの、計23対25とイタリアに逆転を許した。
しかし、第6試合だった。弱冠20歳のフェンサー・飯村が相手に傾きかけた流れを手繰り寄せる。この試合7得点3失点、計30対28とスコアを立て直した。続く第7試合の松山は5得点6失点、計35対34。
ここで日本を率いるエルワン・ルシュペーコーチが動いた。敷根に代えて、永野をピストに立たせた。この25歳のフェンサーが大爆発する。34歳の大ベテラン、アレシオ・フォコーニにつけ入る隙を一切与えず、5得点0失点の大活躍を演じて見せた。永野の圧巻とも言える剣さばきにより日本はスコアを40対34とした。1点リードの緊迫した場面で初出場の永野は見事、“着火剤”の役割を果たしたといえよう。
パリへ発つ前、永野は自分の役割について語った。
「チームの状況を見て、良い流れを持って来られたらいいなと思っています。それが攻める状況なのか、守る状況なのかは出るタイミングじゃないとわからない。どちらの場面でも自分のパフォーマンスを発揮できるように練習では準備しています」
状況を把握し、日本をセーフティーリードへと導いた。相手の出方を伺いながら5点を奪った永野の剣さばきは「職人」のそれだった。
永野からバトンを託された飯村が冷静な試合運びを披露。51秒を残し、日本が45点を先取。悲願の金メダルを首に飾った。
(文/大木雄貴)
日本代表選手4名は、日本フェンシング協会を通じて、コメントを発表した。
<松山恭助 選手>
男子フルーレ史上初の金メダルを獲得することができて非常に嬉しく思います!長い間、個人としてもチームとしても悔しい
思いをしてきたので、今日報われて良かったです! これからも何年も勝ち続けられるチームを目指して頑張っていきます!
<飯村一輝 選手>
応援ありがとうございました! いまだに夢みたいです!自分たちだけでは辿り着けなかった場所に、コーチをはじめこれまで
支えてくださった皆さまのサポートのおかげで到達することができました。この金メダルをきっかけに、応援してくださった方々の
夢を後押しすることができれば嬉しいです!
<敷根崇裕 選手>
東京五輪のリベンジと今大会個人戦のリベンジが果たせて嬉しいです! また、オリンピックで金メダル獲得するという夢を叶えられ
幸せです!次はまだ叶えられていない個人での金メダルを目指して頑張ります!日本で夜遅くまで応援してくださった方、
現地で応援してくださった方、本当にありがとうございました!
<永野雄大 選手>
男子フルーレ史上初の金メダルに立ち会えたことが光栄です。今までコツコツ積み上げてきたものが試合で出せたと思います。次の試合に向けてまた強くなれるように頑張ります。遅い時間まで応援ありがとうございました。

(写真: ©公益財団法人日本フェンシング協会)