グレコ60kg級・文田健一郎、東京のリベンジ果たす金 女子68kg級・尾﨑野乃香は銅 ~パリ五輪・レスリング~

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 パリ五輪大会14日目、レスリング競技が日本時間7日に行われた。男子グレコローマンスタイル60kg級決勝は東京五輪銀の文田健一郎(ミキハウス)がカオ・リグオ(中国)を4-1で下し、金メダルを獲得した。2大会連続の表彰台、日本グレコ勢としては1984年ロサンゼルス五輪以来、40年ぶりの金メダルとなった。女子68kg級は尾﨑野乃香(慶応義塾大学)が銅メダルを獲得。同級の金メダルはアミト・エラー(アメリカ)。また男子130kg級は41歳のミハイン・ロペス(キューバ)が個人種目史上最多5連覇を達成した。

 

 全身を使って攻撃が可能なフリースタイルに対し、グレコローマンスタイルは腰から下への攻撃、守備が禁じられている。豪快な投げ技が魅力である。日本のグレコローマンスタイルは五輪で、64年東京大会の市口政光(バンタム級=当時・以下同)花原勉(フライ級)、68年メキシコシティ大会の宗村宗二(ライト級)、84年ロサンゼルス大会の宮原厚次(52kg級)の4人が頂点に立っている。


 初戦~準決勝、敗者復活戦~決勝を2日間に分けて行うレスリング。文田は初戦(2回戦)と準々決勝をいずれもテクニカルスペリオリティー(8ポイント差がついてのコールド勝ち。フリースタイルは10ポイント差)で勝ち上がる。準決勝は昨年世界選手権決勝で敗れたジョラマン・シャルシェンベコフ(キルギス)。第2ピリオド、残り2分20秒までは1点のビハインド(0ー1)だったが、豪快な反り投げで相手を裏返した。4点のビッグポイントを獲得。シャルシェンベコフに追い上げられたが、4-3で逃げ切った。


 決勝の相手、カオ・リグオは昨年ベオグラードで行われた世界選手権の銅メダリストだ。同大会準々決勝で対戦した際には3-1で文田に軍配が上がっている。1分19秒経過で、カオ・リグオがパッシブを受ける。文田に1ポイントが入り、バーテレポジション(腹ばいにさせて攻撃を仕掛ける)を選択。必死に耐えようとするカオ・リグオを一回転させ、さらに2点を追加した。第1ピリオド3分を3-0でリードして終えた。


 第2ピリオドはカオ・リグオの反撃に遭った。パッシブを受け、今度はバーテレポジションを凌ぐ場面だ。この窮地を文田は耐え抜いた。残り10秒を切ったところで捨て身の突進で押し込んでくる。そのまま第2ピリオドがタイムアップ。相手陣営がチャレンジを要求したものの、失敗に終わって文田に1点が加点。4-1で勝利を収めた。

「月並みですが、今まで取ってきたどのメダルよりも重い。長い時間をかけて、目指した。時間や感じたことが首に掛かっているんだと思います」

 

(文/杉浦泰介)

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