新メンバーが入部し、2年ぶりのユニフォーム発注をしました。
 体のサイズを選手から聞き、表にまとめ、メーカーさんに発注しました。対応して下さるのはいつものSさん。部長という肩書にも関わらずフットワークが軽く、無理なお願いをいつも何とかしてくれる信頼できる方です。
 しかし今回はいままでにない大事件が起こりました。
 発注から1週間が経った日の朝、Sさんから携帯に留守電が入っていました。
 「この間ご注文いただいたユニフォームなのですが、在庫切れで全員分揃いません。お電話下さい」
 いてもたってもいられず、すぐに電話をかけ直しました。
 「ユニフォーム、在庫ないんですね……」
 「Mが1人分、Lサイズが3人分、計4人分の在庫がないんですよ。ほかの支店にもあたってみたんですけど」
 「どうしましょう……」
 「今から足りないサイズを作るとなると、4月に入っちゃうんです」
 4月では3月28日の公式戦には間に合いません。どうにかしなくては、という考えしかなく、一度電話を切ることにしました。
 「間に合わせる方法を考えてまた連絡します!」

 電話を切った時点で、方法はひとつしかないと思いました。
 辞めた選手のユニオームをかき集める、です。

 早速辞めた選手数人に連絡を取りました。
 「必ず原状回復するので貸して下さい!」と送った絵メールの返信はどれもうれしいものばかり。
 「いいですよ。お渡ししに行きましょうか?」「喜んでお貸ししますよ」
これほどいい選手たちでよかったと思ったことはないというくらい、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 そのほかにも現役の選手にユニフォームを直接メーカーさんの本社に持って行ってもらったりと、たくさんの力を借りて、ユニフォームが仕上がってくるのを待つばかりとなりました。
 出来上がるまで多少不安ですが、28日に無事開会式を迎えられるよう、祈るばかりです。

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広瀬明佳
福島県郡山市出身。母がソフトボール、兄が野球をやっていたことから中学・高校時代ソフトボール部に所属。大学時代軟式野球サークル。前職での仕事をきっかけに初めて硬式野球の道へ。現在、埼玉県内の硬式野球クラブチームに所属。チームの紅一点として奮闘中!


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