第115回 ヒョードルに試合を!
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これから大晦日『Dynamite!!』に向けて、国内(一部韓国)で格闘技ビッグイベントが続けて開催される。
9月23日(祝)「戦極〜第十陣〜」(さいたまコミュニティアリーナ)
9月26日(土)「K-1ワールドGP2009〜ファイナル16〜」(ソウル・五輪体操競技場)
10月6日(火)「DREAM11〜フェザー級GP2009決勝大会〜」(横浜アリーナ)
10月25日(日)「DREAM12」(大阪城ホール)
10月26日(月)「K-1ワールドMAX2009ファイナル」(横浜アリーナ)
10月30日(金)「バーリ・トゥード・ジャパン2009」(東京・JCBホール)
11月7日(土)「戦極〜第十一陣〜」(両国国技館)
12月5日(土)「K-1ワールドGP2009決勝大会」(横浜アリーナ)
どの大会も見所十分、加えて、この間に大晦日「Dynamite!」のカードも発表されていくのであろう。年末に向けて大いに楽しめそうである。
さて、9月から12月にかけて行われる日本でのビッグイベントには参戦予定はないが、大晦日のリングに是非とも上がってもらいたい選手がいる。
エメリヤーエンコ・ヒョードルだ。
PRIDE活動休止以降、ヒョードルは、コンスタントに強豪と対戦する場を失っている。ヘビー級最強との呼び名が高く、ピーク時にあるにもかかわらず、彼の試合が組まれないのは、もったいないことだと思う。
先月の1日に彼は、『アフリクション』のリングでジョシュ・バーネットと戦うことになっていた。久々のヒョードルのビッグファイトを大いに楽しみにしていた。アメリカへ試合を観に行く準備もしていたのだが、試合前のドーピング検査でジョシュに陽性反応が出たことで、このカードは流れてしまった。
この2年間でヒョードルは総合格闘技のリングに僅か2度しか上がっていない。昨年7月のティム・シルビア戦(1R36秒、チョークスリーパーで勝利)、今年1月の対アンドレイ・アルロフスキー戦(1R3分14秒KO)。ヒョードル本人は戦いを欲しているが、なかなか相手が決まらないようである。
つい最近、UFCと契約するのでは……とも噂されたが、交渉は決裂した模様。今後は「DREAM」と提携している団体「ストライクフォース」のリングに上がるとヒョードルは表明しているが、11月に試合が組まれるかどうかは流動的である。このままの状態が続くのは本当にもったいない。格闘技界の至宝に埃をかぶせてはいけない。選手の良い時期はいつまでも長く続くものでもないのだ。大晦日のリングで、ヒョードルと、しかるべき相手とのカードが組まれることを切に願う。
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近藤隆夫(こんどう・たかお)
1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実〜すべては敬愛するエリオのために〜(文春文庫PLUS)』ほか。
連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)