ヤングなでしこ、巧みなビルドアップでNZを圧倒 ~U-20女子W杯コロンビア~
コロンビアで開催されているU-20女子ワールドカップ(W杯)のグループE第1節、日本代表(ヤングなでしこ)対ニュージーランド代表の一戦が現地時間2日(日本時間3日)、コロンビア・ボゴタで行なわれ、ヤングなでしこが7対0でニュージーランドに勝利した。FW土方麻椰(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)とFW笹井一愛(ノジマステラ神奈川相模原)の複数得点などで圧勝した。
狩野監督、華麗なパスサッカー植え付ける(ボゴタ)
U-20女子日本代表 7-0 U-20女子ニュージーランド代表
【得点】
[日] 土方麻椰(16分、38分)、笹井一愛(41分、90+1分)、大山愛笑(45分)、小山史乃観(60分)、早間美空(75分)
ヤングなでしこが披露したビルドアップは見事だった。選手の足元の技術、個人技に頼ることなく、狩野倫久監督がしっかりと立ち位置を選手たちに落とし込んだ形跡が見て取れた。
基本フォーメーションはオーソドックスな4-4―2に見えた。守備時はこの形に戻っていた。
13 9
11 19
14 8
6 2
4 5
1
しかし、攻撃時には下記のように相手選手の間に素早く立ち、ビルドアップを円滑にしていた。
11 13 9 19
↓
6 8 2
14
4 5
1
ボランチ2枚(14と8)のうち、ひとりが下りてDFラインからボールをピックアップ。前線は1度、敢えて4トップ気味になり、相手DFラインとボランチの間にスペースを作ってから、13番・土方もしくは9番・笹井が下がり、フリーマンとしてボールを受け、起点を作り、大きく開くサイドハーフに展開していた。
両サイドバックの6番・佐々木里緒(マイナビ仙台レディース)と、2番・柏村菜那(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)は一列前のワイドに張ったサイドハーフとFWの間にポジションを取り、マーカーを引きつけてパスコースを空けたり、前線に飛び込んだりして相手を混乱させていた。
後半に入ると超攻撃的な3-5-2も披露していたが、原理原則は同じだったように映った。2トップの1枚が前線に張った状態からビルドアップがスタートし、タイミングを見て下りてきた。中盤のど真ん中に構えるボランチも機を見て下り、DFラインからボールを引き出していた(※下記、選手交代が多いため黒塗り●で表記)。
● ●
● ↓ ●
●●●
↓
● ● ●
G K
狩野監督の仕込みが見事だったと言えよう。この華麗なビルドアップが、相手のレベルが上がっても通用するか。さらに言及すれば数年後、年齢制限のないトップのカテゴリーでも通用するか。なでしこの未来が楽しみなビルドアップを披露してくれた。
ヤングなでしこの次節の対戦相手はU-20女子ガーナ代表だ。日本時間6日午前7時からキックオフ。
(文/大木雄貴)
◆第1節終了時点 グループE順位表
順位| チーム | 勝ち点 勝 分 負 得点 失点 得失点
1位| 日本 | 3 1 0 0 7 0 7
2位| オーストリア | 3 1 0 0 2 1 1
3位| ガーナ | 0 0 0 1 1 2 -1
4位|ニュージーランド| 0 0 0 1 0 7 -7