2017年愛媛国体での優勝が狙える若いゴルファーを育てるべく、ダイキジュニアゴルフスクールが誕生して、間もなく1年半を迎える。新年度に入って、スクール生が5名増え、現在は計23人の小中学生が、松山市内の専用練習場で日々、ボールを打ち続けている。
(写真:平瀬プロによるレッスン開始に地元メディアも多数集まった)
 スクール初年度となった2009年は小学5年生の竹下桃夏さんが全日本小学生ゴルフトーナメントに出場し、早くも一定の成果をあげた。今年は5月19日から行われた四国女子アマチュアゴルフ選手権(エリエールゴルフクラブ松山)に、6年生になった竹下さん、中川月奈さんが一般のアマチュア選手に交じって参加した。結果は中川さんが33位タイ、竹下さんが39位タイと“大人の壁”にはねかえされたものの、試合経験を積むことができた。

 ピンポイントでクセを修正

 そして、このほどスクールに強力なアドバイザーが加わった。女子プロゴルファーの平瀬真由美選手である。平瀬選手といえば1993、94年と2年連続で賞金女王に輝いた実績を持つ。アメリカツアーにも参戦し、日本のみならず世界を知る選手だ。現在は結婚して4児の母となり、夫の実家と職場がある愛媛県で生活をしている。

「機会があったら、ぜひ子供たちを観ていただけないか」
 愛媛にいる貴重な人材を活用しない手はない。スクールの発案者であり、日本ゴルフ協会の理事でもあるダイキ株式会社・大亀孝裕会長は今年に入って平瀬プロにスクールでの指導を依頼した。「教えた経験がないのに、大丈夫でしょうか」。最初はとまどっていた平瀬プロだが、大亀会長の熱心な勧誘もあり、スクール専属アドバイザーとして就任が決まった。

 初回のレッスンは7月17日と19日に行われた。残念ながらスクールでは平瀬プロの活躍した時代には生まれていなかった子供たちがほとんどだ。だが、ツアー18勝をあげた実力者だけに、その指導は的確そのもの。わずか1日で変化をみせたスクール生もおり、早くもその心をつかんでいる。たとえば、ある女の子は左右にショットが曲がるクセに悩んでいたが、ワンポイントアドバイスを受けて実践したところ、まっすぐボールが飛ぶようになった。「平瀬先生、曲がらなくなりました」。スクールの宮崎順ゼネラルマネジャーによると、その生徒はうれしそうに平瀬プロへ報告していたという。今後も月2回ペースで、平瀬プロは子供たちへのアドバイスを行う予定になっている。
(写真:パッティングの指導を受ける子供たち)

 試合のための練習へ

 この夏休みはスクール生にとって最大の目標となる大会が開かれる。8月3日の愛媛県小中学生ゴルフ大会(松山シーサイドカントリークラブ)と、8月17日の四国小中学生ゴルフ大会(新居浜カントリー倶楽部)だ。17日の四国小中学生ゴルフ大会では小学校低学年なら1位、高学年なら上位4位以内に入ると、10月に福島県リベラルヒルズGCで開催される全日本小学生ゴルフトーナメントに出場できる。昨年は小学校高学年の部で竹下さんひとりが参加した全国大会に、今年は2名以上の選手を送り込むことがスクールの目標だ。

「四国のジュニアゴルフのレベルは結構高いので、そんなに簡単にはいかないでしょう。でも、なるべく多くの選手に、チャンスがあれば上位を狙ってほしいと思っています」(宮崎GM)
 大きな大会で結果を残すには、何よりコースに出てラウンドをこなすことが大切だ。スクールでは7月30日、8月10日と2回、コンペを実施する計画を立てている。コンペは3月にも開催しており、今年だけで3回目だ。昨年はわずか1回しか開けなかったことと比較すると、スクールの充実度は着実にアップしている。

「練習のための練習ではダメ。試合のための練習をしなさい」
 平瀬プロはそう子供たちに語りかけている。トッププロからの指導、コースに出ての実戦……まさに試合で勝つためのカリキュラムがスクールには整いつつある。ここからスクール生がどんな成長をみせるのか非常に楽しみだ。

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(石田洋之)
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