バンタム級キックボクシング元王者・秋元皓貴「自分のスタイルを確立したくない」 〜ONE〜
9月27日にタイ・ ルンピニースタジアムで行われる格闘技イベント『ONE Friday Fights 81』でONEフライ級キックボクシング元世界王者イリアス・ エナッシ(オランダ/モロッコ)と戦う、 ONEバンタム級キックボクシングの元世界王者の秋元皓貴が13 日、都内のPOWER OF DREAMで練習を公開した。
バン! バシッ!
リング上に乾いた音が鳴り響く。
対戦相手のエナッシについての印象をこう語る。
「 自分がフライ級で全然タイトルに絡めていない時から、 エナッシはチャンピオンになっていた。 倒さないといけない相手だと思っていた」
秋元が2020年にバンタムに上げたため、対戦は叶わなかったが「彼もバンタムに上がってきたと知った時に 必ずやるだろうな、と。ものすごく強い相手ですが、 しっかり準備してきた。いい試合を見せられたらと思います」という。対戦機会は巡ってきた。
エナッシ対策を練って試合に臨むか、 相手に合わせず自分のスタイルを貫くのかと聞くと、こう答えた。
「 自分は自分のスタイルを確立したくないと思っていて。 どんな相手にでも臨機応変に自分のスタイルを変えて行きながら、 その相手に対してどういうふうに戦うかをつくっていきたいと思ってい るので、 今回も対策して今までと違う自分を見せられると思います」
秋元自身、エナッシとは「すごく噛み合う相手だと思う」と印象を持つ。だが「あえて噛み合わさせずにエナッシのいいところを消して、 嫌なことをしていければと思うので、 そういった部分を楽しんでもらえたら」と言う。
前戦のウェイ・ ルイ(中国)戦は勝利の手応えを得ながら判定負け。その悔しい負けがあったから今回はより身が入るかと聞かれると、 「もちろんそれもありますが、どの試合も重要。1試合1試合しっかりやっていきたい。この試合もですし、 その次も勝ってまたタイトルに絡めるようにしっかり勝っていきた いと思います」とタイトル戦線への想いを述べた。
パワーオブドリームでも練習を積む武居由樹(大橋)は、9月3日に比嘉大吾(志成)と激闘を繰り広げWBO世界バンタム級王座を防衛した。秋元は「試合が近いので会場で見ることはできなかったのですが、練習が終わってすぐチェックしました。3ラウンド目くらいから見ていてすごくいい試合でしたし、パワーをもらいました。自分が試合を終わってからもパワーオブドリームの選手の試合が続くので、いいバトンを渡せたらと思います」と話す。
『ONE Friday Fights 81』では秋元のほか武尊など4人の日本人選手が出場予定だ。
「ここでみんなしっかり勝って、いい勝ち方をすればまた日本のレベルを見せることもできると思いますし、日本大会だったりが盛り上がってくる」
秋元は2019年からONEに参戦している。「自分はONEに出てONEで強くなったというのがあるので、やってきたという自負よりかはONEでやってきたことをしっかりこれからも見せていくだけなのかなと思います」。成長の証明はタイで示すつもりだ。
(文・写真/杉浦泰介)
※BS11では毎週木曜日23時に『ワールドファイトCLIP! Supported by U-NEXT」を放送中です。