第296回 プロボクシング7大世界タイトルマッチ! 最注目は2人の王者、中谷潤人と井上拓真の防衛戦 『10・13&14有明アリーナ』
暑い日が長く続いたが、ようやく秋の気配。いよいよスポーツ観戦日和――。
今週末にはプロボクシング「2DAYSビッグイベント」が開かれる。10月13&14日、東京・有明アリーナ『Prime Video Boxing 10』。ここで7大世界タイトルマッチと那須川天心の地域タイトル挑戦試合が行われる。

(写真:堤聖也〈左〉を相手に3度目の王座防衛戦に挑む井上拓真 Photo by 藤村ノゾミ)
対戦カードは、以下の通りだ。
<10月13日>
▷WBA世界バンタム級タイトルマッチ
井上拓真(王者/大橋)vs.堤聖也(2位/角海老宝石)
▷WBC世界フライ級王座決定戦
寺地拳四朗(1位/BMB)vs.クリストファー・ロサレス(2位/ニカラグア)
▷WBA世界フライ級タイトルマッチ
ユーリ阿久井政悟(王者/倉敷守安)vs.タナンチャイ・チャルンパック(8位/タイ)
▷WBA世界ライトフライ級王座決定戦
岩田翔吉(1位/帝拳)vs.ハイロ・ノリエガ(2位/スペイン)
<10月14日>
▷WBC世界バンタム級タイトルマッチ
中谷潤人(王者/MT)vs.ペッチ・ソー・チットパッタナ(1位/タイ)
▷WBOアジアパシフィック・バンタム級王座決定戦
那須川天心(1位/帝拳)vs.ジェルウィン・アシロ(2位/フィリピン)
▷WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ
田中恒成(王者/畑中)vs.プメレレ・カフ(6位/南アフリカ)
▷WBO世界フライ級タイトルマッチ
アンソニー・オラスクアガ(王者/米国)vs.ジョナサン・ゴンサレス(1位/プエルトリコ)
好カード揃いだが、最注目は両日のメインエベントだろう。
ともに世界バンタム級王者である中谷潤人と井上拓真が、いかなる闘いで魅せてくれるかである。
内容も問われる闘いに

(写真:前戦で1ラウンドKO勝利を収めている中谷潤人〈右〉はタイのペッチを相手に2度目の防衛戦を行う Photo by 藤村ノゾミ)
現在、世界バンタム級の中心地は日本である。4本のチャンピオンベルトが、すべて日本人選手の腰に巻かれている。中谷、井上のほかに西田凌佑(六島)がIBF王座、武居由樹(大橋)がWBO王座に就いているのだ。
この4人のチャンピオンの実力査定をするなら、頭一つ抜けているのが「3階級制覇王者」で28戦全勝(21KO)の戦績を誇る中谷、次ぐのがキャリア豊富な井上となろう。そして、この2人は互いに王座統一戦を望んでいる。
「井上拓真選手と互いのベルトをかけて闘いたい」
中谷は記者会見等で、幾度かそう発言してきた。これに対して井上が所属するジムの大橋秀行会長は「喜んで」と応えている。
「バンタム級で4団体王座統一をしたい」と拓真も話しており異存はなかろう。
ならば、来年前半に「中谷潤人vs.井上拓真」のスーパーファイトが実現する可能性は十分にある。
そのためにも、両雄は間近に迫った防衛戦で絶対に負けられない。
10月11日、東京ドームホテルでの記者会見でそれぞれが次のように話した。
「この試合に向けて十分な練習が積めた。『強い中谷潤人』を見せて勝ち、その先で井上選手、堤選手との勝者と闘えればと思う」(中谷)
「コンディションは良好。まずは堤選手との闘いに集中しますが、(中谷潤人との)統一戦に向けても負けられない」(井上)
ベルトを守れるか否かに加え、内容も問われる闘いとなろう。
なお、試合の模様は両日ともに「Prime Video」で生配信される。
<直近の注目格闘技イベント>
▶10月12日(土)、東京・後楽園ホール/「KNOCK OUT 2024 vol.5」BLACKフェザー級王座決定戦、チュームーシーフーvs.栗秋祥梧ほか
▶10月12日(土)、愛知県国際展示場/プロボクシングIBF世界ライトフライ級タイトルマッチ、シベナティ・ノンシンガvs.矢吹正道ほか
▶10月13日(日)、東京・渋谷Spotify O-East/「BOM48」&「BOM49」吉成名高vs. ボーン・ポンレックほか
▶10月13日(日)、東京・後楽園ホール/「SHOOT BOXING 2024 act.5」海人vs.ダビッド・キリアほか
▶10月20日(日)、東京・後楽園ホール/「RISE 182」フェザー級タイトルマッチ、門口佳佑vs.安本晴翔ほか
▶10月20日(日)、東京・BASEMENT MONSTAR王子/「IMPACT.52」定アキラvs.冨宅飛駈ほか
▶10月25日(金)、東京・後楽園ホール/「Krush.166」バンタム級王座決定トーナメント決勝戦、黒川瑛斗vs.白幡裕星ほか
▶10月26日(土)、愛知・名古屋国際会議場/「HEAT 55」ISKA K-1ルール インターコンチネンタル・スーパーウェルター級王座決定戦、アビラル・ヒマラヤン・チーターvs.ダミエン・ファブレガァほか
<近藤隆夫(こんどう・たかお)プロフィール>
1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。
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