第297回 K-1ヘビー級の熱は蘇えるのか? 12・14代々木『K-1 WORLD GP 2024』に注目!

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 K-1無差別級の頂点を決める世界規模のトーナメントが、いよいよ来月に迫っている。12月14日、東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2024』。無差別級トーナメント初戦(準々決勝)の組み合わせは以下の通りに決まった。

 

(写真:昨年9月、「30周年記念無差別級トーナメント」を制し、現K-1クルーザー級王者でもあるリュー・ツァー ©K-1)

▶3分×3ラウンド(延長1ラウンド)
クォン・ジャンウォン(韓国、26歳/アジアラウンド勝利)vs.クラウディオ・イストラテ(イタリア、29歳/30周年記念トーナメント準優勝)
▶同
リュウ・ツァー(中国、28歳/30周年記念トーナメント優勝)vs.未定
▶同
アリエル・マチャド(ブラジル、37歳/南米大会優勝)vs.リース・ブルーデネル(英国、31歳/西欧大会優勝)
▶同
K-Jee(日本、33歳/アジアラウンド勝利)vs.エロール・ジマーマン(キュラソー、38歳/アジアラウンド勝利)

 

(写真:西欧大会を制したリース・ブルーデネル。左はカルロス菊田K-1プロデューサー©K-1)

 昨年9月、横浜アリーナ『ReBOOT~K-1ReBIRTH』での「30周年記念無差別級トーナメント」を皮切りにK-1重量級戦線が本格化、今年は海外3カ国と大阪でFINAL(12・14代々木)に向けての予選が繰り広げられた。
 7月、イタリア領シチリアで開かれた西欧大会Vのブルーデネル、8月、ブラジルでの南米大会を制したマチャドは本戦トーナメントのリングに上がる。しかし6月、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦サラエボでの東欧大会で優勝したミロス・ツヴェチカニン(セルビア)は、他団体との契約に伴い欠場。そのためリュウ・ツァーの相手は未定となっているが、近日中に出場選手が発表される模様だ。

 

 果たしてトーナメントの行方は?
 絶対的な本命不在、展開次第で誰が勝ち上がっても不思議ではない状況にある。初戦で破壊力のあるクウォンとクラウディオ、総合力の高いマチャドとブルーデネルが潰し合うことを考えれば、1日で3試合を闘うスタミナを証明しているリュー・ツァーが有利か。だが彼の相手が決まっておらず、どうなるかは読みにくい。これは全選手に共通することだが、ダメージを少なく初戦で勝利することが優勝への不可欠要素となろう。

 

(写真:南米大会決勝でアブネル・フェレイラ<右>を2ラウンドKOで下したアリエル・マチャド ©K-1)

 1990年代から2000年代にかけて大人気を博したK-1ヘビー級。
 ピーター・アーツ、アーネスト・ホースト、アンディ・フグ、マイク・ベルナルド、佐竹雅昭、武蔵、ミルコ・クロコップ、サム・グレコ、マーク・ハント、レミー・ボンヤスキー、セーム・シュルト……名前を挙げればキリがないが実力と個性を兼備したファイターたちにリングが彩られていた。

 

 それに比すると、今回のトーナメント出場選手は知名度が低い。だが、ここからが人気再興への勝負だろう。いかなるファイトが展開されるのか? ヘビー級ならではのド迫力ファイトで魅せてくれるのか?
 決戦の日を楽しみに待ちたい。

 

<直近の注目格闘技イベント>

▶11月10日(日)、東京・竹芝ニューピアホール/「PANCRASE 348& 349」中田大貴vs.石田陸也ほか
▶11月10日(日)、東京・後楽園ホール/「NJKF祭 KICKBOXING JAPAN CUP 1st ROUND」55kgトーナメント1回戦ほか
▶11月16日(土)、東京・後楽園ホール/「Krush.167」女子アトム級タイトルマッチ、松谷綺vs.ガブリエル・デ・ラモスほか
▶11月17日(日)、愛知・ポートメッセなごや第1展示場「RIZIN LANDMARK 10 in NAGOYA」ヴガール・ケラモフvs.摩嶋一整ほか
▶11月23日(土・祝)、愛知・名古屋国際会議場/「Krush.168」大岩龍矢vs.トーマス・アギーレほか
▶11月23日(土・祝)、東京・後楽園ホール/「RISE 173」フライ級タイトルマッチ、数島大陸vs.那須川龍心ほか
▶11月23日(土・祝)、東京・竹芝ニューピアホール/「DEEP TOKYO IMPACT 2024 5th ROUND」&「DEEP JEWELS 47」中井りんvs.鈴木“BOSS”遥ほか
▶11月24日(日)、滋賀・ハーティーセンター秦荘/「ACF108~HEROES2024~」HEROES MMAライトヘビー級王座決定戦、ルーカス・タニvs.ダニエル・シウバほか
▶11月28日(木)、東京・後楽園ホール/「Fighting NEXUS vol.37」ミドル級王座決定トーナメント決勝、佐藤龍汰朗vs.将斗ほか
▶11月30日(土)、東京・後楽園ホール/「PROFESSIONAL SHOOTO 2024 Vol.8」フェザー級チャンピオンシップ、SASUKEvs.椿飛鳥ほか

 

 

近藤隆夫(こんどう・たかお)プロフィール>

1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。

連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)

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