オリンピアンが躍動! 8ROCKS&INFINITIESが白星スタート ~D.LEAGUE~

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 13日、日本発プロダンスリーグの「第一生命 D.LEAGUE 24-25 REGULAR SEASON ROUND.1 開幕戦」が東京ガーデンシアターで行われた。今季から1チームが増え、14チームの総当たり対戦方式で争われる。昨季リーグ初の連覇を達成したKADOKAWA DREAMS(カドカワ ドリームズ)はBenefit one MONOLIZ(ベネフィットワン モノリス)に2対4で敗れた。同レギュラーシーズン連覇のCyberAgent Legit(サイバーエージェント レジット)は新チームのList::X(リスト エクス)を破った。ブレイキンのオリンピアンが加わったKOSÉ 8ROCKS(コーセー エイトロックス)、Valuence INFINITIES(バリュエンス インフィニティーズ)、LIFULL ALT-RHYTHM(ライフル アルトリズム)はいずれも開幕戦白星。このラウンドのMVD(Most Valuable Dancer)には8ROCKSのShigekixが輝いた。

(写真:開幕戦勝利に貢献し、MVDを受賞したShigekix ©D.LEAGUE24-25)

 今シーズンからジャッジシステムが変更となり従来の審査員ごとではなく、審査項目ごとに判定される。審査項目は「オーディエンス」に加え、「テクニック」「コレオグラフィー」「ステージング」「エースパフォーマンス」「シンクロパフォーマンス」の計6項目。このうちの「エースパフォーマンス」はソロパート、「シンクロパフォーマンス」は8名全員で動きを完全に揃えるパートをそれぞれ6~12秒設けることを義務付けられている。


 この新ルールに各チームがアジャストし、どう生かしていくかも今季の見どころだ。特に「エースパフォーマンス」「シンクロパフォーマンス」はそれだけで1票を持っている以上、そこを託されたダンサーの重圧はかなり大きい。一方、シンクロパフォーマンスはコレオグラフィーを得意とするチームにとっては、優位な新項目か。あとはこの2つのパフォーマンスをショーケースのどこに配置するかも戦略の妙になってくるだろう。

 今ROUNDで印象に残ったのはエースにオリンピアンを据えた8ROCKSとINFINITIESだ。2nd macthで登場した8ROCKSはSEPTENI RAPTURES(セプテーニ ラプチャーズ)と対戦。先攻のRAPTURESは田植えをイメージさせる衣装と振り付けに、水滴の落ちるような音に合わせて踊る。昨季から纏うダークな雰囲気も醸しながら4分間を踊り切った。

(写真:3人の息の合ったダンスは音ハメもバッチリ ©D.LEAGUE24-25)

 対する8ROCKSはライダースファッションで統一し、疾走感溢れる“らしさ全開”のショーケース。アクロバットからスタートし、いきなり今季新加入のパリオリンピックブレイキン男子4位のShigekixがハイスピードなソロで魅せる。さらにRYO-SPIN、YU-KI、Shigekixによる音ハメ抜群の“三重奏”で観客を沸かせる。ショーケースの終盤はエースパフォーマンス。Shigekixによるヘッドスピン。チームの勢いを加速させる車輪の如く高速で回った。最後は重力を無視するようなフリーズでビタ止め。Shigekixが一旦横に下がると、REIMIをセンターに7人が隊列を組んで踊った。最後はYU-KIがエアトラックスの高速旋回からのフリーズでバシッと決めた。

 

 ジャッジは「コレオグラフィー」以外の項目を全て8ROCKS。5対1で開幕戦白星を掴んだリーダーのYOUTEEは「ここ2年連続で開幕戦負けていた。今回はシゲちゃん(Shigekix)が入って絶対に勝つしかない状況を自分たちでつくり、こういう結果に繋がって良かったです」と喜んだ。YOUTEEからマイクを受け取ったShigekixは「これからも僕たちはブレイキンやダンスの可能性を見せていくので、引き続き応援をよろしくお願いいたします!」と爽やかな笑顔で語った。レギュラーダンサーとしてのデビュー戦を白星で飾り、チームの勢いをドライブさせたShigekixはMVDに輝いた。

 

(写真:このROUND唯一のSWEEP勝利のINFINITIES ©D.LEAGUE24-25)

 もしROUND.1のベストショーケースを選ぶとしたら、7th macthでFULLCAST RAISERZ(フルキャスト レイザーズ)をSWEEPで下したINFINITIESを選ぶ。こちらもパリオリンピックに出場したhiro10がレギュラーダンサーとして加わり層の厚みは増した。昨季はレギュラーシーズン3位で初のチャンピオンシップ(CS)出場を果たしたが、TRIAL MATCHでDYM  MESSENGERS(ディーワイエム メッセンジャーズ)に敗れた。先攻のINFINITIESはド頭に「シンクロパフォーマンス」を持ってきた。ドラムスのスローなテンポに合わせ、8人が足技を中心に魅せた。ピアノの演奏に代わると、一転してパワームーブを披露した。

 

 曲が転調すると、ヒップホップで軽やかにステップを刻む。楽器がバイオリンに変わると、再びパワームーブの連続。パワームーブを得意とするTSUKKIからのhiro10への流れは鳥肌モノ。ソリストが高速で弦を弾くように、スポットライトの円の中をhiro10が高速で旋回した。最後は8人が力尽きたように身体をフロアに投げ出してフィニッシュ。まさにダンスの協奏曲と呼べるような作品だった。後攻のRAISERZも力強いKRUMPを見せたが、ジャッジは6項目でINFINITIESに軍配を上げた。


 2季連続CSファイナルで戦ったDREAMSとLegitは対照的なスタートとなった。リーグ2連覇中のDREAMSはMONOLIZに敗戦。2季連続レギュラーシーズンウィナーのLegitは新規参入のXに勝利した。昨季は13位、12位と苦渋を舐めたdip BATTLES(ディップ バトルズ )、LIFULL ALT-RHYTHM(ライフル アルトリズム)は白星発進となった。またALT-RHYTHMは、この日出番はなかったもののパリオリンピックブレイキン女子の金メダリストAMIの加入を発表しており、今季D.LEAGUEには3人のオリンピアンが参戦することとなった。

 

(文/杉浦泰介)

 

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