サクラフィフティーン・マッケンジーHC「W杯は参加するだけじゃない」
29日、日本ラグビーフットボール協会が女子日本代表の記者会見を都内で行った。会見にはレスリー・マッケンジーHCが登壇。2024年の総括に加え、18日(現地時間17日)、イギリスで開催された女子W杯の抽選会の結果を受け、大会への意気込みなどを語った。
3勝6敗1分け――。今年のテストマッチ戦績は負け越したものの、アメリカ、南アフリカ、スコットランド、ウェールズという強豪相手に1桁点差と健闘した。
「今年はこれまで十分に時間をかけてこれなかったセットピースのところを6週間かけて成長することができた。ケープタウンで行われたWXV(ダブリュー・エックス・ヴイ)でも強化したことが発揮できたと思っています。タフな1年ではありましたが、今、自分たちがどの位置にいて、どこに向かっていくべきなのかを理解できた」
この秋に行われたWXV2では南アフリカ、スコットランド、ウェールズに3連敗だった。
「連続するゲームで私たちのパフォーマンスを出すということを示すことができた。全てのゲームでタイトに戦うことができたと思っています。そのためにチーム、選手に対しストレスをかけながらここまでもっていった。一方でアンラッキーな部分もあり、結果に結び付けることができなかった。W杯を見据えていくと、3つの連続する試合の中でパフォーマンスを出さないといけない」
来年、イングランドで開催されるW杯。世界ランキング11位のサクラフィフティーンはアイルランド(同6位)、ニュージーランド(同3位)、スペイン(同13位)と同じプールCに入った。抽選会の中継を寝過ごしてしまったというマッケンジーHCは結果を受け、「目を覚ました時にアイルランド、ニュージーランド、スペインと同じプールに入ったと知り、すごくワクワクしている」と感想を述べた。
「W杯まで残り9カ月。どれだけ成長をしていけるかが問われてくる。やるべきことが分かっている。それを達成するためには、エフォートと勇気が必要だと思う。私たちは参加するためだけに行くわけではありません。そこでしっかりコンペティター(競争相手)として戦うことを考えている」
指揮官の会見後、キャプテンのFL長田いろはと、リーダーグループのSH津久井萌がオンライン取材に応じた。長田は「3カ国との対戦にワクワクしています。チャレンジングで、簡単な試合ではないと思いますが、サクラフィフティーンのラグビーを体現して、勝利をするために準備していきたい」と言えば、津久井も「自分もどのチームとも楽しみですが、個人的にはニュージーランドと試合をしたことがないのですごくワクワクしています。イングランドはプレミアシップがあって、女子のプロ選手もいる。ラグビー大国での試合ができることも楽しみ」とプール分けにポジティブな印象を持っているようだ。
アイルランドとニュージーランドはランキング的にも格上、スペインはWXV3を優勝するなど勢いに乗っている。来年のW杯は厳しい戦いが予想されるが、マッケンジーHCは「プールステージを突破するには2つの試合を勝たなければいけない。そのためにはアイルランドとスペイン戦が大きなカギになる。プール戦を突破して、準々決勝に進出したい」と意気込む。
(文・写真/杉浦泰介)