横浜DeNA、“下剋上”で26年ぶりの日本一! 〜プロ野球日本シリーズ〜

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 3日、プロ野球日本シリーズ第6戦が横浜スタジアムで行われ、セ・リーグ3位の横浜DeNAがパ・リーグ王者の福岡ソフトバンクを11-2で破った。通算成績を4勝2敗とし、26年ぶりの3度目の日本一を達成した。日本シリーズのMVPは打率4割4分4厘、9打点の桑原将志(DeNA)が輝いた。

 

 筒香、先制弾含む4打点(横浜DeNA4勝2敗 横浜)

福岡ソフトバンク

2=000|200|000

11=031|070|00X

横浜DeNA

勝利投手 坂本(1勝)

敗戦投手 有原(1勝1敗)

本塁打 (ソ)柳田1号2ラン

    (D)筒香1号ソロ

 

 貯金2でセ・リーグ3位のDeNAが、貯金42とぶっち切りでパ・リーグを制したソフトバンクを破ったのだから正真正銘の“下剋上”だ。本拠地スタートとなった連戦で2連敗。クライマックスシリーズ(CS)を駆け上がった勢いは削がれたと思ったが、福岡に移ってから息を吹き返した。

 

 先発陣がゲームをつくり、4-1、5-0、7-0。打線も4、5戦で2桁安打と当たってきていた。1日の移動日を挟み、2日に予定されていた第6戦は雨のため、この日に順延した。先発はDeNA大貫晋一、ソフトバンク有原航平がそのままスライド登板。両投手は初回にランナーを許すも、ゼロで抑える立ち上がりを見せた。

 

 試合が動いたのは2回裏。先頭の筒香嘉智が有原のチェンジアップを振り抜いた。横浜の空高くかっ飛ばした打球はバックスクリーン右横に飛び込む先制弾。この一発でDeNA打線に火が付いた。ヒット2本で二、三塁のチャンス。ここでシリーズ絶好調の桑原が2点タイムリー。3回裏には満塁のチャンスで森敬斗が押し出し四球を選び、序盤に4点のリードを奪った。

 

 シリーズ第3戦から29イニング連続無得点のソフトバンクも意地を見せる。先頭の今宮健太がヒットで出塁すると、続く柳田悠岐がバックスクリーンに叩き込む。2点差に迫ると、1死後、近藤健介がヒット。しかし栗原陵矢がダブルプレーに倒れ、後続は続かなかった。

 

 三浦大輔監督は5回表からサウスポー濱口遥大をマウンドに送る。濱口はソフトバンク打線を三者凡退に切って取り、流れを引き寄せる。その裏、ソフトバンク3番手のカーター・スチュワートJrから戸柱恭孝がヒット、森が四球を選ぶと、濱口の代打・佐野恵太がライト前へ運ぶ。満塁となって桑原が押し出しフォアボール。続く梶原昂希がタイムリーで加点した。

 

 こうなると止まらないDeNA打線。ピッチャーが岩井俊介に代わっても、タイラー・オースティンの押し出しデッドボール後、筒香が走者を一掃するフェンス直撃のタイムリーツーベースを放つ。宮﨑敏郎もタイムリーツーベース。結局、この回打者11人の猛攻で7得点を挙げるビッグイニングとした。

 

 6回表からは坂本裕哉が2イニングをピシャリ。8回は伊勢大夢、9回は森原康平と勝利の方程式でランナーを許すことなく試合を締め括った。1998年以来、3度目の日本一は、当時の主力投手だった三浦監督がもたらした。このシリーズでの継投、選手起用はハマッた。

 

(文/杉浦泰介)

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