第298回 大晦日は存分に格闘技を堪能したい!『RIZIN DECADE』は午前中から夜中までの3部構成─
今年も残すところあと僅か。大晦日、さいたまスーパーアリーナ『RIZIN DECADE』が目前に迫っている。
10回目の大晦日大会ということで、今回はスペシャルな3部構成。午前中に第1部が始まり、第3部が深夜に及ぶロングイベントとなる。
第1部の試合開始は午前10時。ここで行われる主要カードは次の通りだ。

(写真:11月、ロサンゼルスで行われた記者会見に出席したガルシア<左>と安保 ©RIZIN FF)
▶エキシビションマッチ/RIZINスタンディングバウトルール(ボクシングルール)2分×8ラウンド/69.4キロ契約
ライアン・ガルシア(米国)vs.安保瑠輝也(MFL team CLUB es)
▶同 3分×8ラウンド/64.8キロ契約
アマド・バーガス(米国)vs.ショーン・ガルシア(米国)
▶同 3分×8ラウンド/63.5キロ契約
カーメル・モートン(米国)vs.アルバート・パガラ(米国)
▶RIZIN MMAルール 5分×3ラウンド/59キロ契約
神龍誠(神龍ワールドジム)vs.ホセ・トーレス(米国)
▶同 /120キロ契約
貴賢神(フリー)vs.エドポロキング(ROOTS GYM)
やはり最注目は元WBC世界ライト級暫定王者で24勝(20KO)1敗1無効試合の戦績を誇る人気プロボクサー、ガルシアに安保が挑む一戦。
安保は今年9月の『超RIZIN.3』でマニー・パッキャオ(フィリピン)と対戦し、3分×3ラウンドを互角、いや互角以上の内容で闘い抜きファンを驚かせた。はたして現役バリバリ、世界のトップクラスの実力を持つガルシアにも安保のボクシングは通用するのか? 興味深いマッチメイクである。
3大タイトルマッチが実現
第2部の内容は未定(12月13日時点)となっているが、近日中に発表がなされる。
そして第3部が『RIZIN.49』。

(写真:王者と挑戦者。立場が入れ替わっての再戦となる鈴木<左>とクレベル ©RIZIN FF)
ここでは、3大タイトルマッチが行われる。
▶RIZINフェザー級タイトルマッチ/3分×3ラウンド
鈴木千裕(王者/クロスポイント吉祥寺)vs.クレベル・コイケ(挑戦者/ボンサイ柔術)
▶RIZINライト級タイトルマッチ/同
ホベルト・サトシ・ソウザ(王者/ボンサイ柔術)vs.ヴガール・ケラモフ(挑戦者/アゼルバイジャン)
▶RIZINフライ級タイトルマッチ/同
堀口恭司(王者/ATT)vs.エンカジムーロ・ズールー(挑戦者/南アフリカ)
鈴木にとっては王座防衛戦でありながら、リベンジを期しての闘いになる。昨年6月、北海道での『RIZIN.43』でアームバーを決められ敗れた(クレベルの体重超過により公式記録はノーコンテスト)相手に鈴木がいかなる闘いを見せてくれるのか? 勝てるのか? 王者の真価が問われる試合となる。
元RIZINフェザー級王者のケラモフは、2階級制覇に挑む。サトシが得意のサブミッションで決めるのか? それともケラモフがラジカルファイトで王者を粉砕するのか? 展開が読み辛いが、その分ワクワク感も大きい。
堀口は半年ぶりのリングで王座初防戦を行う。今年9月『RIZIN.48』で新井丈(和術慧舟會HEARTS)を打撃でTKOに追い込んで勢いに乗るズールー。キャリア、総合力で堀口優位と見られているが果たして……。
またRIZIN女子スーパーアトム級王者・伊澤星花も登場、ノンタイトル戦でルシア・アプデルガリム(アルゼンチン)と対峙する。ルシアは今年5月の『巌流島バーチャルファイト』で、ぱんちゃん璃奈(フリー)を破った気鋭のキックボクサーだ。
第3部は十数試合が組まれている。今年の大晦日は朝から夜中まで、存分に格闘技を堪能したい。
<直近の注目格闘技イベント>
▶12月14日(土)、東京・国立代々木競技場第一体育館/「K-1 WORLD GP 2024 」 無差別級決勝トーナメントほか
▶12月15日(日)、大阪・住吉スポーツセンター/プロボクシングIBF世界バンタム級タイトルマッチ、西田凌佑vs.アヌチャイ・ドーンスアほか
▶12月15日(日)、東京・後楽園ホール/「RISE 184」スーパーフライ級王座決定戦、政所仁vs.花岡竜ほか
▶12月15日(日)、愛知・名古屋国際会議場/「HOOST CUP KINGS NAGOYA 16」ヘビー級王座決定戦、マウンテンRYUGO vs.ジャイロ楠ほか
▶12月15日(日)、東京・竹芝ニューピアホール/「PANCRASE 350&351」フェザー級王座決定戦、平田直樹vs.三宅輝砂ほか
▶12月15日(日)、東京・新宿フェイス/「COLORS Produce by SHOOT Vol.4」平田彩音vs. NOELほか
▶12月19(木)~22日(日)、東京・国立競技場代々木第二体育館/レスリング「天皇杯全日本選手権大会」
▶12月21日(土)、千葉・幕張メッセ/「RISE WORLD SERIES 2024 FINAL」GLORY RISEフェザー級GPトーナメント決勝ほか
▶12月22日(日)、大阪・梅田ステラホール/「DEEP OSAKA IMPACT 2024 4 th&5 th ROUND」松田亜莉紗vs. エリザベスほか
▶12月22日(日)、東京ビッグサイトTFTホール/「GRACHAN Presents:HELIOS」バンタム級タイトルマッチ、TSUNE vs.伊藤空也ほか
▶12月24日(火)、東京・有明アリーナ/プロボクシングWBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ、井上尚弥vs.サム・グッドマンほか
▶12月26日(木)、東京・TDCホール/「SHOOT BOXING GROUND ZERO TOKYO 2024」海人vs.モハメド・ブタザほか
▶12月29日(日)、大阪・GORILLA HALL/ストロー級王座決定戦、田上こゆるvs.旭那拳ほか
▶12月30日(日)、神奈川・横浜武道館/「KNOCK OUT : K.O CLIMAX 2024」BLACKウェルター級王座決定トーナメント決勝、渡部太基vs.中島玲ほか
▶12月31日(日)、東京・大田区総合体育館/プロボクシングWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ、フェルナンド・マルティネスvs.井岡一翔ほか
<近藤隆夫(こんどう・たかお)プロフィール>
1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。
連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)