森保J、中国に勝利。24年ラストゲームを白星で飾る ~26年北中米W杯アジア最終予選~
サッカー2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第6節、中国代表(FIFAランキング92位)対日本代表(同15位)の一戦が19日、中国・福建省で行なわれ、日本が3対1で勝利した。日本は、来年3月の次戦(バーレーン代表戦、埼玉スタジアム)にも北中米W杯出場が決まる可能性がある。
中国の“奇策”に屈せず(福建省)
日本代表 3-1 中国代表
【得点】
[日] 小川航基(39分、54分)、板倉滉(45+5分)
[中] リン・リャンミン(49分)
中国はある“奇策”を仕掛けてきた。福建省の廈門白鷺スタジアムのタッチラインが、本来設定されている位置より、1.5m~2mほど内側に引かれていた。
国際サッカー連盟(FIFA)はタッチライン(=縦)105メートル×ゴールライン(=横)68メートルの規格を推奨している。しかし、国際試合は縦100メートル~110メートル、幅64メートル~75メートルであれば成立する。
横幅を狭くすることでDFライン、中盤がスライドする距離は狭くなる。日本は左右に中国の陣形を揺さぶりたいが、幅が狭ければそれは難しくなる。
日本は流れの中での好機演出は、確かに難しかった。しかし、セットプレーから活路を見出した。39分、左コーナーキック(CK)をキッカーのMF久保建英(レアルソシエダ)がゴール中央へクロスを供給すると、FW小川航基(NEC)が頭で合わせ、日本が先制した。
さらに日本はCKで畳みかける。前半アディショナルタイムには右CKをMF伊東純也(ランス)がニアへボールを送ると、DF町田浩樹(サンジロワーズ)がヘッドでコースを変える。ファーにボールが流れると最後はDF板倉滉(ボルシアMG)が頭で押し込み、2対0とした。
ところが、である。後半開始早々、日本が攻撃的に出た裏を突かれた。右サイドに開いたMFウェイ・シーハオが中央へクロスを送ると、ニアでFWシエ・ウェンノンが潰れて、最後はゴール中央に構えるMFリン・リャンミンに右足でゴール右に流し込まれた。
失点から5分後、攻めの姿勢を崩さない日本がリードを広げた。右サイドで伊東と久保がワンツーを見せる。リターンパスを受けた伊東は対峙したDFを鋭い切り返しでかわし、正確なクロスを入れる。これをまたしても小川が頭で叩き込み、日本をセーフティーリードへと導いた。日本は中国が仕掛けてきたピッチ幅を狭くするという“奇策”に屈せず、勝利した。
これで日本は年内の活動を全て消化した。早ければ、来年3月に埼玉で行なわれるバーレーン代表戦の結果次第で、北中米W杯の出場が決まる。
(文/大木雄貴)