福岡ソフトバンク(2軍) 9−6 香川・徳島連合
[ソ] 西山−山田大−川口−○高橋徹
[香・徳] 松尾(香)−片山(徳)−橋本(香)−塚本(香)−下地(香)−角野(徳)−●小林(徳)−天野(香)
本塁打 (ソ)中西2ラン
      (徳)永井ソロ

(写真:四国凱旋登板で好投したソフトバンク西山)
 30日、香川オリーブガイナーズと徳島インディゴソックスの合同チームが香川・オリーブスタジアムで福岡ソフトバンクホークス2軍と交流試合を行った。香川・徳島連合は4点を追う5回、一挙5点を奪って逆転したが、再び試合をひっくり返され、6−9で敗れた。

「無駄な四球やエラーが出ると野球は失点につながるということ」
 点の取り合いに敗れた香川・西田真二監督はそうゲームを振り返った。香川・徳島連合チームは4つのエラー、対するソフトバンクは7四死球。これが大味の試合内容を生んだ。

 ソフトバンクの先発は愛媛マンダリンパイレーツ出身の西山道隆。本人は「外角のストレートで勝負できるよう、フォームを1から作り直している」段階で、3月27日以来、久々の実戦登板となった。
 その新フォームはクロスに入れていた前足のステップを元に戻し、真っ直ぐ出すというもの。シンプルなフォームに近づけることで無駄をなくし、直球のキレを取り戻すことを目的にしている。

「久々の実戦を四国で投げられてよかった」(西山)
 全体的に制球はイマイチで新フォームは未完成の感は否めなかったが、初回からストレートはMAXの147キロをマーク。リーグの先輩としての貫禄はしっかりと見せ付けた。
「肩の力が抜けて、途中からそこそこいいところに決まり始めた。リズムが出てきたね」(ソフトバンク・藤田学投手コーチ)
「アイランドリーグ相手とはいえ、フォーム固めの段階で結果を残した。実戦で投げる中でコツをつかんだのでは」(香川・加藤博人コーチ)

 初回こそ21球を要したが、2回以降は11球、10球、14球。西山は少ない球数でリーグ打線をテンポよく牛耳っていく。結局、4回を投げて1四球、許した安打は打ち取った当たりが外野手の前にポトリと落ちた1本のみだった。
「制球はフォームが固まればついてくると思っている。今、やっていることに間違ってはいないことがわかりました」。まだまだと前起きをしつつも、西山の降板後の表情は満足感に満ちていた。

 西山の好投と初回の松田宣浩の2点タイムリー三塁打などで、ソフトバンクは4回までに4点をリードする。ところが、試合は中盤以降、大きく動いた。
 西山の後を受けてマウンドに上がったソフトバンク2番手の育成選手、山田大樹が6番・丈武(香川)の頭部直撃の死球を与え、一発退場。緊急登板となった川口容資も制球が定まらない。いきなり7番・近藤洋輔を四球で歩かせると、9番・国本和俊、1番・智勝(ともに香川)に甘く入ったストレートを連打されて3点を返される。
 その後も川口の一人相撲は続き、3連続四球で同点の押し出し。たまらずソフトバンクベンチは高橋徹に投手をスイッチするが、高橋も痛恨の暴投を犯し、香川・徳島連合が労せず5−4と逆転に成功した。

 対ソフトバンク初勝利の可能性が出てきた徳島・香川は細かい継投で逃げ切りを図る。しかし7回、先頭の明石健志が放ったボテボテの二ゴロをセカンドがはじき、エラーで出塁を許したことで流れは変わった。
 続く金子圭輔の当たりは3塁線を鋭く破るタイムリー二塁打。ソフトバンクが好機を逃さず5−5の同点に持ち込む。さらにソフトバンクは8回、7番手投手の徳島・小林憲幸を攻略。変化球でストライクの取れない小林が勝負に出たストレートをきっちりと打ち返す。9番・中西健太が1死1塁から左中間フェンスを越える2ランを放つなど、一気に3点を勝ち越した。

「変化球でストライクが取れないのがアイランドリーグ。変化球でストライクを取れるのがNPB。簡単にいってしまえば、この差が出た」
 加藤コーチがそう試合を総括したように、5回からマウンドに上がったソフトバンクの高橋はボールが先行する投球内容だったが、要所でスライダーを効果的に決めてきた。結局、リーグの反撃は4番・永井豪(徳島)のソロ本塁打のみだった。
(写真:ピンチを救い、勝ち投手になったソフトバンク高橋徹)

 一方の香川・徳島連合は9回もエラーで先頭打者の出塁を許し、8番手・天野浩一(香川)が途中出場の仲澤忠厚からタイムリー三塁打を浴びてゲームを決められた。香川・連合はエラー4つのうち3つが失点につながり、ソフトバンクは5四死球を与えた5回に大量失点を喫した。

 両軍にとって反省の多い内容だったが、両軍の監督は肯定的に試合をとらえた。
「うちにとっては2軍の試合に出ていない選手を多く起用できた。実戦でみつけた課題をもとに、1軍目指して成長してほしい」
 ソフトバンク・石渡茂2軍監督が今回の意義を強調すれば、香川・西田監督も「こういった試合はリーグの公式戦以上に大事。リーグ選抜チームでは出番が限られる選手も出せて、いい経験になっただろう。NPB2軍にとっても、リーグの選手が自らグラウンド整備をしたり、恵まれない環境でやっている姿が刺激になるのでは」と語った。

 立場は違えど、育成という目的は同じ。リーグによると、すでに決まっている7月の巨人2軍との交流試合のほか、複数の球団と対戦を調整中とのこと。また、NPB球団から若手選手をリーグへ送り込む打診もあるという。
 裏金問題に揺れ、希望枠が廃止された球界では今後、育成がカギを握ることは間違いない。2軍や独立リーグから這い上がってくる選手のためにも、NPBと独立リーグがタッグを組む重要性はより高まっている。


東部球場(高知−愛媛5回戦、高知3勝2敗)
 高知、ソリアーノ&パチェコはそろって無失点デビュー
 愛媛 4−2 高知
勝利投手 近平(2勝1敗)
敗戦投手 上里田(2勝2敗2S)
セーブ   梶本(1勝2敗1S)

<順位表> 勝   負   分   勝率   差       
 高知   7   5   2  .583
2 香川   6   5   3  .545  0.5  
3 徳島   6   6   2  .500  0.5  
4 愛媛   5   8   1  .385  1.5  

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【投票期間】 
 5月2日(水)〜5月6日(日)
【投票方法】 
 E-mail(tohyo@iblj.co.jp)またはFAX(087-825-9961)を四国アイランドリーグ事務局に送信
 チーム名、選手名、選んだ理由を明記してください。
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