高知・愛媛連合チーム 4−4 福岡ソフトバンク(2軍) (9回引き分け)
[ソ] 大隣−甲藤−大西−川頭
[高・愛] 西川(高)−梶本(愛)−岸(高)−近平(愛)−浦川(愛)−上里田(高)
本塁打 (ソ)吉本ソロ

(写真:ソフトバンク打線から三者連続三振を奪った愛媛・梶本)
▼ロッテ・角中、ヤクルト伊藤から“プロ入り1号”
 29日、高知ファイティングドッグスと愛媛マンダリンパイレーツの合同チームが高知・東部球場で福岡ソフトバンクホークス2軍と交流試合を行った。高知・愛媛連合は2点を追う7回、高知・中村竜央の2点タイムリーで追いつき、引き分けに持ち込んだ。

「今までなら4−2で負けていた。追いついたこと、そして同点で踏ん張ったことは評価したい」
 高知・藤城和明監督がそう試合を振り返ったように選手たちの成長と新しい力の芽生えが実感できた試合だった。

 高知・愛媛連合の先発は西川徹哉。「スライダーの制球があがり、チェンジアップを覚えて投球の幅が広がった」。藤城監督がいまや高知の先発の軸に成長したと評する19歳右腕は初回、先頭の城所龍磨を空振り三振に切ってとるなど、立ち上がりをゼロに抑える。

 ところが2回、1軍経験もある松田宣浩にライト前にヒットを放たれると、続く小斉祐輔にも連打を許す。「やはりNPBのバッターは迫力が違う。それに押されてしまいました」。本人が反省したように、ソフトバンク打線は一気に西川に襲い掛かる。7番・金子圭輔はきっちりと先制の犠飛。8番・明石健志はセンターを越えるスリーベース。ソフトバンクはこの回、3点を先行する。

 一方、ソフトバンクの先発は希望枠ルーキーの大隣憲司。キャンプ中にケガで出遅れ、“プロ初登板”となるマウンドだった。「ストレートが速かった。ビッと食い込んできて対応できなかった」と印象を語った主砲のマサキ(高知)も見逃しの三振に倒れるなど、1、2回は0点に抑えられる。

 しかし、打順が一回りした3回、リーグの“雑草”打者たちが“野球エリート”を攻略する。先頭の古卿大知(高知)が左中間二塁打で出塁すると、國信貴裕(高知)が犠打で走者を進め、現在のリーグでの打率が4割を超える新人・檜垣浩太(愛媛)があわやホームランかというライトフェンス直撃のタイムリー二塁打。続くマサキも内角のスライダーをライト線に運び、2点目。続く中村竜央(高知)のセンター前安打で二塁走者マサキがホームでタッチアウトになり、同点には追いつけなかったが、高知・愛媛選抜は1点差に詰め寄る。4安打を集中された大隣は「ストレートで勝負できなかった」と悔しがった。
(写真:“江夏2世”との呼び声も高い注目のルーキー大隣)

 そして、この日、もっとも相手をうならせたのが2番手でマウンドに上がったルーキーの梶本達哉だ。自慢のストレートで押し、4回は外野フライ3本で三者凡退に仕留める。さらに圧巻だったのは5回。先頭の明石を高めのストレートでバットに空を切らせると、続く荒川雄太、城所からも三振を奪う。「ストレートは走っていなかったが、全員三振を狙っていた」という狙い通りの三者三振。ネット裏のスカウトからは「三振を取れるボールを持っているね」との声があがった。

 試合は2−4とリードを許した7回、2死2、3塁から中村がレフトフェンス直撃のタイムリー三塁打。「高知で4番に打順を上げてから責任感が出た。思い切ってバットを振っているのがいい」。藤城監督も変身ぶりを驚く右打者の3安打目は貴重な同点打となった。

 高知・愛媛連合は8回に前日、香川相手に完封勝利をあげた浦川大輔(愛媛)、9回は30日の愛媛戦の先発が決まっていた上里田光正(高知)をマウンドに上げ、勝負にこだわる。上里田は連打で無死2、3塁のピンチを背負ったが、「うまく打たれただけ。自分の投球をして負けたのなら仕方ない」と気分を切り替え、後続を断って勝ち越しを許さなかった。

 昨季はリーグ選抜でソフトバンク挑みながら、0−6と敗れた。それから約1年後、同じ相手に2チームの連合で引き分けに持ち込むことができた。「負けなかったが、勝てなかった。チャンスでミスもあったし、ボールを簡単に見逃してしまう。追い越すまでにはリーグの選手たちの気持ちも技術も足りなかったということ」。藤城監督は試合を評価する一方で課題も付け加えた。引き分けでは満足できない。そんな雰囲気が監督、選手のみならずリーグ全体に広がっている。

 30日は3月に阪神2軍に快勝した香川と、チーム打率.249、得点57がリーグトップの香川が挑戦する。ソフトバンクは満を持してリーグ出身の西山道隆が先発マウンドに上がる予定だ。
 リーグの打撃力向上を香川・徳島連合が西山相手に示せるのか。それとも西山が先輩としての意地を見せるのか。両者の激突が楽しみな一戦は30日13時に香川・オリーブスタジアムでプレーボール。

<アイランドリーグ対決で角中が“プロ入り1号”>

 29日に行われたイースタンリーグ公式戦、千葉ロッテ対東京ヤクルト戦でヤクルト・伊藤秀範とロッテ・角中勝也のアイランドリーグ対決が実現した。

 先発マウンドに上がった伊藤は1−1で迎えた4回、「5番・レフト」でスタメン出場した角中をバッターボックスに迎える。規定打席不足ながら打率3割を超える好調のルーキーは開幕1軍をつかんだ右腕から勝ち越しのソロ。リーグ出身対決で見事な“プロ入り第1号”をマークした。

 伊藤は7回途中まで9安打を浴びながら3失点。イースタンリーグ初勝利の権利を手にしてマウンドを降りたが、中継ぎ陣が打たれてチームは逆転サヨナラ負けを喫した。
 一方の角中は8回に同点タイムリーをみせるなど、5打数4安打2打点の大活躍。打率は.406に上昇した。

 28日には同じくリーグ出身の巨人・深沢和帆が2軍初登板を果たした。キャンプ中の故障で出遅れた剛球左腕は1イニングをゼロに抑え、初登板で“プロ初セーブ”をあげている。深沢、伊藤、角中――今後もイースタンリーグ、そしていずれは1軍で、同期の3選手がしのぎを削る場面が数多く見られることを期待したい。


県営鳴門球場(徳島−香川5回戦、徳島3勝1敗1分)
 代打・矢野、サヨナラ打 天野は2戦連続負け投手
 徳島 2×−1 香川
勝利投手 片山(2勝2敗)
敗戦投手 天野(3勝3敗)

<順位表> 勝   負   分   勝率   差       
 高知   7   4   2  .636
2 香川   6   5   3  .545  1.0  
3 徳島   6   6   2  .500  0.5  
4 愛媛   4   8   1  .333  2.0  

<4月30日(月)の予定> ( )内は予告先発 
オリーブスタジアム 香川・徳島−ソフトバンク2軍 13時
・福岡ソフトバンクホークスマスコット、ハリーホークが登場
・両チーム選手によるサインボール投げ込み

東部球場       高知(上里田)−愛媛(近平) 13時
 太陽石油シリーズ
・小中学生を対象にカード取りゲームを実施。当たりカードを引くと任天堂DSをプレゼント

太陽石油はアイランドリーグのオフィシャルスポンサーです[/color][/size]