三菱重工浦和、3大会ぶり2度目の優勝 ~サッカー皇后杯~
第46回皇后杯JFA全日本女子サッカー選手権大会の決勝戦、アルビレックス新潟レディース対三菱重工浦和レッズレディースの一戦が25日、エディオンピースウイング広島で行なわれた。試合は延長戦の末、1対1でPK戦に突入。このPK戦を浦和が5対4で制し、3大会ぶりに皇后杯優勝を決めた。

(写真:©URAWA REDS)
浦和GK池田、セーブとPK成功の大活躍(広島)
新潟 1-1 浦和
(PK 4-5)
【得点】
[浦] 高橋はな(11分)
[新] 滝川結女(28分)
会場には3063人の観客が詰めかけたこの一戦。序盤は浦和がワントップ・高橋はなと、トップ下・塩越柚歩のホットラインから流れを掴んだ。
8分、高橋が左サイドでボールを引き出すと右足ヒールで塩越に落とす。塩越はカットインし、ゴール前にスルーパスを送るものの、ペナルティーエリア内に走り込んだMF島田芽依にはわずかに合わなかった。
11分、塩越は浅くなった新潟DFラインを見逃さなかった。塩越が敵陣中央やや右でボールを持つと、右足アウトサイドでDFラインの裏にスルーパスを通す。これに反応した高橋がペナルティーエリア内右サイドでワントラップから右足を振り抜く。冷静にGKの股下を狙ったシュートは見事ゴールネットを揺らし、浦和が先制した。
16分にはペナルティーエリア内で、高橋-塩越が連続ワンツーを披露し、相手ゴールに迫った。高橋のラストパスに塩越はスライディングで左足を精いっぱい伸ばしたが、あと数センチ足りなかった。
一方の新潟も黙ってはいない。26分には左サイドバック・園田瑞貴がペナルティーエリア付近から左足でハーフボレー。シュートはゴール右隅を捉えていたが、これを浦和のGK池田咲紀子が横っ飛びではじき出した。ゴールには至らなかったものの、新潟はこれを機に勢いづいた。
28分、再び新潟に好機が訪れた。ペナルティーエリア手前でMF川村優理からパスを受けたMF滝川結女が、得意のドリブルでエリア内右サイドに侵入。DF3人に囲まれながらも右足でシュートを放つと、綺麗にゴール左隅に吸い込まれた。新潟はボールを支配される展開ながら、スコアをタイに戻して見せた。
後半8分、新潟のFW山本結菜が右サイドからクロスを入れると、ファーに走り込んだMF石田千尋が左足で合わせた。しかし、これをGKの池田がまたしてもファインセーブ。
90分で決着がつかず、試合は15分ハーフの延長戦へと突入した。延長後半には浦和のFW藤崎、新潟のMF川澄に決定機が訪れるものの、ゴールには至らず、皇后杯決勝戦は2年連続のPK戦にまでもつれた。
先攻の新潟は3人目のDF横山笑愛が浦和GKの池田にキックを阻まれた。対する後攻の浦和は5人全員が成功。特に勝負が決する5人目はGKの池田が見事に決めた。池田は攻守に渡り、八面六臂の大活躍を披露した。
(文/大木雄貴)