第213回 シニアサッカー“ジョーク”?

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 2025年が明けて早いもので、もう1月の末日です。Jリーグクラブは2月中旬の開幕に向けて、合宿を張っています。僕のシニアサッカーの活動もJクラブに負けないほどに、熱く展開しています。

 

 第4回を迎えた高校OB交流会

 

「第4回 千葉県高校サッカー部OB交流フェスティバル」が1月12日、13日と2日間に渡り、JFA夢フィールド(千葉市)で行なわれました。今年も元日本代表MFで、日本サッカー名蹴会会長の金田喜稔さんがゲストプレーヤーとして参加していました。

 

 キンタさんが開会式のスピーチを終えた後、挨拶にいきました。「おお、俊三ぉ! まだやっとんのかーい(笑)。 ケガしないようにな!」と気さくに返してくれました。キンタさんは今年、修徳高校のユニホームを身にまとい、“キンタフェイント”を披露していました。相変わらず、滑らかなボールタッチでした。

 

 僕のチームは準優勝に終わりました。基本、楽しむことが大前提ですが、順位が決まるのは良いですね。2025年度には絶対に初戴冠の喜びに浸りたいです。僕個人を含め、僕のチームは59歳がほとんど。来年度はオーバー60にエントリーします。この部類では最年少チームになるため、25年度が一番優勝できるチャンスです。応援に来てくれている人たちのためにも、頑張りたいところです。

 

 「ケガをしない、させない」

 

 シニアサッカーも徐々にわかってきました。みんなの体力、スピード、キックの飛距離……。新年度はもう少し、声でチーム全体を動かしてみようと考えています。ただ、先述したように「楽しむこと」が大前提。僕の指示が絶対ではないし、楽しくプレーし、それでいて勝つ喜び(ここでの“勝つ”は1勝ではなく、優勝)を味わえればと考えています。

 

 それに加え、シニアサッカーで大切なのは「ケガをしない、させない」ことです。50代、60代で一足先に“介護生活”になったら、大変です(笑)。これは最近覚えたシニアサッカージョークですが、本当にそうなっても、そうさせてもいけません。熱い気持ちを持ちつつ、お互いを尊重し合うことが必要です。

 

 個人の見解で恐縮ですが、僕の子どもの頃の60代より、現代の60代は若々しく映ります。そして、サッカーはひと昔前まで「若者のスポーツ」という認識が一般的でした。「歳を取ったらできない……」と言われることもしばしば。

 

 しかし、今はサッカーも「生涯スポーツ」と評価されつつあり、40代以降の競技人口も盛り返しを見せています。楽しく、ハツラツしたプレーで生涯スポーツであるシニアサッカー界を盛り上げつつ、その魅力を、「ZAGUEIROの眼」を通じて発信していければと思う年始でした。今年もよろしくお願いします。

 

●大野俊三(おおの・しゅんぞう)

<PROFILE> 元プロサッカー選手。1965年3月29日生まれ、千葉県船橋市出身。1983年に市立習志野高校を卒業後、住友金属工業に入社。1992年鹿島アントラーズ設立とともにプロ契約を結び、屈強のディフェンダーとして初期のアントラーズ黄金時代を支えた。京都パープルサンガに移籍したのち96年末に現役引退。その後の2年間を同クラブの指導スタッフ、普及スタッフとして過ごす。現在、鹿島ハイツスポーツプラザの総支配人としてソフト、ハード両面でのスポーツ拠点作りに励む傍ら、サッカー教室やTV解説等で多忙な日々を過ごしている。93年Jリーグベストイレブン、元日本代表。

*ZAGUEIRO(ザゲイロ)…ポルトガル語でディフェンダーの意。このコラムでは現役時代、センターバックとして最終ラインに強固な壁を作った大野氏が独自の視点でサッカー界の森羅万象について語ります。

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