昨季PO決勝カードはドロー ~リーグワン~

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「NTTジャパン ラグビー リーグワン2024-25」ディビジョン1第7節が9日に行われ、埼玉パナソニックワイルドナイツが東芝ブレイブルーパス東京に28-28で引き分けた。ワイルドナイツの連勝は6で止まったものの無敗、勝ち点30で首位をキープした。ブレイブルーパスは勝ち点25で2位のまま。ワイルドナイツは横浜キヤノンイーグルス、ブレイブルーパスは東京サントリーサンゴリアスと次節対戦する。

 

 昨季のプレーオフ決勝以来の対戦だ。昨季もレギュラーシーズン第9節、熊谷でワイルドナイツが勝利。ワイルドナイツが1位、ブレイブルーパス2位でレギュラーシーズンを終え、東京・国立競技場でのプレーオフ決勝はブレイブルーパスに軍配が上がった。

 

 舞台は再び熊谷。3分、ホストチームで、ここまで6戦全勝のワイルドナイツが先制する。SO山沢京平のPGで3点をリードした。

 

 昨季王者もすぐさま反撃する。6分、敵陣中央のスクラムからSOリッチー・モウンガがパスダミーで相手の意識を外にやると、内を突きトライを挙げた。FB松永拓朗のコンバージョンキックが決まり、7-3と逆転に成功する。

 

 ワイルドナイツは21分に山沢のPGで1点差に詰め寄る。しかし34分、その山沢が負傷交代を余儀なくされる。代わりにヴィンス・アソがCTBに入り、CTBのダミアン・デアレンデがSOを務めるスクランブル登板だ。プレースキッカーはWTB竹山晃暉が担当。その竹山が直後の35分、PGを着実に決めて再逆転した。

 

 直後にはモウンガのパントキックをSH小山大輝が競り勝ってボールをキープ。最後はデアレンデのパスからアソが抜け出した。トライエリア(インゴール)中央にボールを置くと、竹山がコンバージョンキックを決めた。前半はワイルドナイツが16-7で終えた。

 

 後半先にスコアしたのは風下となったブレイブルーパスだ。シンプルにFWで縦を突き、ワイルドナイツの守備網を崩しにかかる。10分、CTBセタ・タマニバルのトライ、松永のコンバージョンキックで2点差に詰め寄った。

 

 ペースはブレイブルーパスへ。17分には敵陣に侵入。インゴール目前に迫った。ここでワイルドナイツFB野口竜司がブレイクダウンでSH杉山優平のパスをハンドの反則で阻止し、イエローカードを受けた。

 

 ここで流れはブレイブルーパスに傾くかと思われたが強風を松永を苦しめたのか、逆転を狙ったPGを外してしまう。23分には1人少ないワイルドナイツに1トライ、1ゴールで点差を広げられた。

 

 しかし、ブレイブルーパスは流れを取り戻す。27分、モウンガのキックパスに反応したWTB森勇登がトライ。30分にはモウンガ、松永、森と繋ぎ、最後はWTBジョネ・ナイカブラがトライエリア右隅にボールを置いた。いずれも松永がコンバージョンキックを成功し、28-23とリードを奪い返した。

 

 ワイルドナイツも食らいつく。35分、敵陣でスクラムを獲得すると、小山は右サイドに展開した。アソの飛ばしパスをジャンプしてキャッチした竹山がトライエリア右隅に飛び込んで同点。コンバージョンキックは惜しくも外れ、スコアはそのままノーサイド。昨季プレーオフ決勝の再戦はドローに終わった。


 優勝候補同士の激しい一戦にノーサイドの瞬間はスタンドから拍手も聞こえてきた。試合後の総括もブレイブルーパスのトッド・ブラックアダーHCが「素晴らしい試合だったと思う」と語れば、ワイルドナイツのロビー・ディーンズ監督は「皆さんがご覧になったように、すごくタフな試合の試合になりました。最終的には勝敗はつかなかったですが、上位2チームが対戦したら出る当然の結果だというふうにも思っています。ファンの皆さんには楽しんでいただけたんじゃないかなと感じています」と評した。

 

 その点は両キャプテンも同意するところだろう。「試合の始めから最後まで、自分たちのフィジカリティを大事にし、80分間戦い続けた姿を誇りに思います。最後まで互いが勝つために必死こいた試合だった。リーグワンの試合はやっていて楽しいし、ファンの皆様にとっても楽しい試合だったと思います。こういう試合、毎週できるように頑張っていきたい」とブレイブルーパスのリーチマイケル。ワイルドナイツの坂手淳史は「中身のところではもっとできた部分があるんじゃないかなと思っています。ただ、ファンの方々にとって、すごく楽しいゲームだったと思いますし、こういうゲームがリーグワンの楽しさを伝えられる。もっともっと楽しみながらプレーを楽しんでやり続けたいと思います」と話した。

 

(文・写真/杉浦泰介)

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