ブラックラムズ東京、今季初の連勝で8位浮上 ~リーグワン~

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 14日、「NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25」ディビジョン1の第11節が東京・秩父宮ラグビー場で行われ、9位のリコーブラックラムズ東京が5位の横浜キヤノンイーグルスを27-20で破った。ブラックラムズは順位をひとつ上げ、イーグルスはひとつ下げた。

 

 前半3分にPGで先制されたブラックラムズだが、スクラム、ラインアウトのセットプレーで流れを掴む。21分、29分には連続でイーグルスのコラプシングを誘った。先発したPR津村大志によれば、「相手の組み方をしっかり分析してきた」上で自分たちのスクラムを徹底したという。30分に前節からプレースキッカーを務めるFBメイン平がPGを決め、同点に追いついた。

 

 33分、SHのTJ・ペレナラ、FLリアム・ギルと繋ぎ、最後はNo.8ファカタヴァ アマトがトライエリア(インゴール)中央に飛び込んだ。メインがコンバージョンキックを決め、10-3とリード。前半終了間際に22m以内でのラインアウトを与えたが、守備陣が奮闘し、そのままのスコアでハーフタイムを迎えた。

 

 後半開始早々、イーグルスはWTB石田吉平が、ハイパントキックをキャッチしたブラックラムズのSO中楠一期に危険なタックルを見舞い、イエローカード(オフフィールド・レビューで、のちに20分間レッド)を科されて数的不利を余儀なくされた。3分にはPGを決められ、リードを広げられた。それでもFLビリー・ハーモンのトライ、SO田村優のゴールキックで3点差に迫る。

 

 19分、ブラックラムズが力強い突破と流れるようなパスワークから追加点。最後はFLマイケル・ストーバーグが抜け出してトライエリア中央にグラウンディング。メインがコンバージョンキックを決め、再び10点差に。しかし30分、ストーバーグが自陣での反則でイエローを科された。数的不利の間に1トライ1ゴールを返されたものの、36分には途中出場のLOブロディ・マクカランのトライとメインのゴールキックで突き放した。

 

 メインはこの日のプレースキックを4本全て成功させた。前節は4分の1で、最初のコンバージョンキックではショットクロック(60秒以内)オーバーとなった。「前節は公式戦で初めて蹴ったこともあり、少し焦ってしまった。今週は落ち着いて蹴れました。キッカーを求められるのは自分にとっても光栄だし、チームの勝利に貢献できるのでプレッシャーを感じますが楽しんでやれています」。タンバイ・マットソンHCも「タイラは良かったです。来週も同じことを期待しています」と笑顔で語った。

 

 イーグルスにPGで7点差まで迫られたが、危なげなく白星を勝ち取った。トップリーグ時代から“事務機ダービー”と呼ばれる戦いで、18-19シーズンの18年9月以来、6季ぶりに勝利した。マットソンHCも「リーグ戦で横浜キヤノンイーグルスを倒したことがないというメンバーもたくさんいる。その意味でもすごく大事な結果だったと思います」と喜んだ。

 

 試合後の記者会見で、ゲームキャプテンを務めたペレナラはこう試合を振り返った。
「今週は、この試合が自分たちの会社にとってどれだけ大事かという話をしてきました。今日は『負けて学ぶ』ではなく、しっかりとシャットダウンして学ぶことができました。またバイウィーク明けのパフォーマンスについても話しをしをしていました。1度目のバイウィーク明けのゲームがコベルコ神戸スティーラーズ戦だったのですが、あまり誇りに思えないパフォーマンスをしてしまった。今回は『もう一度コネクションを大事にしよう』という話をした。『オフフィールドでやるべきこと、そしてオンフィールドでコネクトすることを大事にしよう』、と言っていたので良いスタートが切れたかなと思います」

 

 チームに加わって、数カ月だが、成長を実感できるという。
「勝てると信じられるようになってきた。シーズン序盤は、接戦を落とすこともありました。最後に勝ち切ることが今まではできなかったのですが、自分たちは『勝ち切れる』という期待に変わってきたと思います。(中楠)一期も最後の10分、『こうやって勝つんだ』という話をするようになり、『これをやれば勝つ』というコミュニケーションに変わってきました。若手がそういうことをできるようになったことは良いことです」


(文・写真/杉浦泰介)

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