パリ五輪柔道女子48キロ級金の角田「コミュニティーを持つことは大事」~警視庁×J:COM「特殊詐欺被害防止共同宣言」~
警視庁×J:COM「特殊詐欺被害防止に向けた共同宣言式」が22日、練馬区内で行なわれた。宣言式には警視庁特殊詐欺対策本部・山本栄治副部長、光が丘警察署・蔵谷吉喜署長、(株)ジェイコム東京・國分孝夫代表取締役社長、同・植木敦子取締役が登壇した。式後に開かれたトークショーからパリ五輪柔道女子48キロ級金メダリストの角田夏実が加わり、詐欺被害の防止策などについて語り合った。

右からざっくぅ、國分社長、角田、山本副部長、蔵谷署長、ピーポ君
警視庁特殊詐欺対策本部・山本副部長はこう警鐘をならした。
「令和6年の詐欺被害額は、過去最多だった平成30年の約88億円を大きく超えてしまいました。非常に憂慮される状況でございます。特に昨年からは、警察官を装い『あなたは特殊詐欺事件の被疑者である。事件にかかわっている』と架空の事件を示し、その不安に乗じてお金を振り込ませる手口が非常に多くなっています。この事件の特徴としては60歳台以下の方々が9割。これらの年代の方が被害に遭われております。これまでの特殊詐欺は高齢者が被害に遭う傾向にありましたが、この手口は幅広い世代の方が被害に遭っております。広い世代の方に注意喚起、啓発をしていく必要がございます」
ちなみに、令和6年における特殊詐欺被害状況は以下の通り。
<東京都>
認知件数:3494件(前年比+576件)
被害額:約153億1406万円(前年比:約71億6548万円)
<練馬区警察署管内>
認知件数:170件(前年比:+20件)
被害額:約7億4000万円(前年比:約4億6000万円)
地域とともに歩む企業としてJ:COMは、誰もが安心安全に暮らせるまちづくりを目指している。同社は2023年4月から警視庁より「特殊詐欺被害防止アドバイザー」役を受嘱している。被害抑制の一環として迷惑電話自動ブロックサービスなどを提供するとともに、注意喚起のチラシやステッカーを配布してきた。
J:COMは今回の宣言を機に、警察官を装い金銭をだまし取る一連の手口を映像化し、特殊詐欺に関する注意喚起をする。ケーブルテレビの強みを生かし、国民を特殊詐欺から守る。
ジェイコム東京・國分社長はこう語った。
「我々は都内約500万世帯を対象としたケーブルテレビの会社です。加入世帯は約25%、125万世帯。それからコミュニティーチャンネルといいまして無料でご覧いただける地域の情報を発信しています。それをご覧いただいている世帯数が約70%の356万世帯となっております。日頃の業務の傍ら、警視庁の方たちとも関係をつくらせていただくことがございました。官民が一体となって世の中、日本のためにお役に立てることを我々はやるべきだと感じております。今後、警視庁からいろいろ教えていただきながら、我々のやるべき活動を進めていきたいと思います」

角田<下>はトークショー後、世界一を獲った巴投げを披露した。受け身役は柔道着に着替えた蔵谷署長。
宣言式後のトークショーから参加したパリ五輪金メダリストの角田は、警察を名乗る詐欺師から電話がかかってきたことがあるという。
「私も一度、詐欺の電話がありました。警察官を装った電話だったのですが、『捜査一課の誰々です~。いま、口座が犯罪に使われています』と話をされました。あ、なんかちょっと聞いたことあるな、これ、詐欺かな? と思いながらも、やっぱり(自称ではあるが)警察官から電話がかかってきた時点でもう、焦っちゃって……。どうしよう、どうしよう、という感じになってしまったんです。
その時、すぐそばに友人がいてくれたので冷静になれました。“あ、もう1回、折り返します。知り合いの警察官に相談します”と電話を切ることができましたが、ひとりだったら焦ってそのまま誘導に流されてしまうかも、と感じました。皆さんも一度、(詐欺まがいの電話がかかってきたときは)冷静に考える必要があると思いました」
筆者が「さまざまな手口の詐欺があると町道場の人々が認識していれば、情報交換の場やハブとして(町道場が)機能するのでは?」と水を向けると、角田はこう答えてイベントを締めた。
「そうですね。私も(詐欺の)電話がかかってきた時、ちょうど柔道の練習仲間といたので、話をしました。また、練習場に行って、“この間、こういう詐欺電話がかかって来たからみんなも気をつけて”、と言える事ができました。人が集まる場所やコミュニティーがあるってすごく大事なことだと思います。(道場で)柔道に取り組むだけではなくて、安全に暮らせるようにするための場所に道場がなっていってほしいなと思います」
(文・写真/大木雄貴)