セガサミー出身の荘司宏太、踏み出したプロ野球選手としての一歩

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 プロ野球が先月28日に開幕しました。巨人を相手に開幕3連敗となった東京ヤクルトですが、“期待”のルーキーがデビューしました。セガサミー硬式野球部から昨年のドラフト会議で3位指名された荘司宏太です。ようやくプロ野球選手としての一歩を踏み出しました。

 

 荘司はオープン戦で結果を出し、開幕1軍入りを果たしました。中継ぎで6試合に登板、計6イニングを無失点で8奪三振とアピールに成功。編集部から今年の注目選手を聞かれた際には、当然、彼の名を挙げさせていただきました。「どういう場面で使われるかわからないですが、初戦はかなり緊張するはず」と見ていましたが、本人のコメントでも<いつもの5倍くらい緊張した>(「サンケイスポーツWEB版」2025年3月29日配信)と言っていましたね。

 

 プロ初登板は開幕2戦目でした。0-12の6回に4番手としてマウンドに上がりました。投球内容は1回1安打無失点2奪三振。翌日のプロ2戦目は0-2の8回に5番手で登板し、2人の走者(ヒットとフォアボール)を出したものの、3奪三振でゼロに抑えました。

 

 ストライクゾーンで勝負できて、チェンジアップも効果的です。2戦で計5三振を奪えたことは本人にとって自信になったはず。これまでの2試合はビハインドの場面での登板でしたが、いずれは勝ちパターンで投げ、チームから信頼されるピッチャーに成長することを期待しています。

 

 同じセ・リーグの横浜DeNAには、セガサミー出身の宮﨑敏郎もいます。荘司本人も「対戦したい」と言っていましたし、宮﨑からすれば先輩として意識する面もあるでしょう。NPBの舞台での“セガサミー対決”、ぜひ注目してください。

 

まずは勝ちグセを

 

 全体に目を向ければ、好スタートを切ったチームもいれば、出遅れたと見られるチームもあります。ただ、開幕カードはあくまで143試合中の3試合。一通り当たってから、それぞれのチームのかたちが見えてくるはずです。まず監督としては各カード2勝1敗を目指して戦っていると思います。そうやって勝ちグセをつけながらシーズンを戦っていきたいところでしょう。

 

 さて、我々、セガサミー野球部は3月にJABAスポニチ大会(8~11日)とJABA東京都企業春季大会(20~23日)に出場しました。スポニチ大会は1勝2敗で1次リーグ敗退。トーナメント戦となった企業春季大会は3位になりました。

 

 計6試合を通じ、選手の見極めもできました。ケガやコンディション不良で投げられなかったピッチャーもいましたが、尾﨑完太、武富陸、伊波らがいいピッチングを見せてくれた。あとは新人の長谷川優也らも使える目処が立ってきた。今後は投手全員をうまくやり繰りしていきながら、試合を重ねていきたいと思います。


 打線は繋がりを見せてきているというか、植田匡哉などに当たりが戻ってきた。中川智裕は企業春季大会の東京ガス戦で2本塁打&サヨナラ打を放つなど、好調の兆しを見せています。加えて新人の加藤巧也、笠松 拓真もいい働きを見せている。若手にはチームに新風を吹かせてほしい。既存の選手たちも状態のいい選手をどんどん使っていき、投手陣を支えていって欲しいですね。

 

 企業春季大会3位に満足はしていませんが、チーム全体がメンタル的にも上向きになっていると感じます。去年は公式戦で全然勝てなかったもんですから、そういう意味で勝ちで終われたことも良かったのかもしれません。4月は、17日からのJABA日立市長杯に出場します。都市対抗野球大会の予選は6月。そこをひとつのピークに持っていきたい。まずは勝ちグセをつけていき、チームの完成度を高めていきます。引き続き、セガサミー野球部の応援をよろしくお願いします!

 

<このコーナーは毎月1日更新です>

 

西田真二(にしだ・しんじ)プロフィール>
1960年8月3日、和歌山県出身。小学3年で野球を始める。PL学園高、法政大学を経て、83年にドラフト1位で広島カープに入団。高校時代は78年夏にエース&4番として甲子園優勝に貢献した。大学時代は5度のベストナインに輝くなど、3度のリーグ優勝に導いた。プロ入り後は左投げ左打ちの外野手として、91年のセ・リーグ優勝に貢献するなどカープ一筋13年で現役を終えた。現役引退後は野球解説者を経て、カープ、四国アイランドリーグ(現・四国アイランドリーグplus)の愛媛、香川などで後進を育成。20年よりセガサミー野球部の監督を務める。

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