りくりゅう、シンメトリーのガッツポーズ ~世界フィギュアスケート国別対抗戦2025~
フィギュアスケートの国別対抗戦2025・第2日目が18日、東京体育館で行なわれた。日本が2位で迎えたこの日、ペアの選手たちにとっては今大会初登場となった。“りくりゅう”こと三浦璃来/木原龍一組(木下グループ)はSP自己ベストを更新する80.99を記録した。国別対抗戦のペア・フリーは明日、19日。

囲み会見で質問に答える三浦<左>と木原。撮影:筆者
圧巻の演技だった。サイド・バイ・サイドの3回転トウループを綺麗に決めた。ハンドトゥーハンドのリフト技は安定感抜群だった。スロー3回転ルッツでの三浦の着氷はいつも通り素晴らしかった。6分間練習では、スローのタイミングを確認していた。投げ役の木原は手応えをつかんだのか三浦に向かい親指を立ててグッドポーズを見せた。投げられ役の三浦も小気味よく頷いていた。
チェンジフットのコンビネーションスピンでは、これもいつも通り木原の掛け声で息がぴったり。最後のデススパイラルでは、三浦は身体を氷すれすれにピンと張った。木原はしっかりと視線を会場全体に向け、どの組よりも観客、ジャッジへのアピールが巧みだった。
演技を終えた瞬間、木原は左手で、三浦は右手の拳を握り大きくガッツポーズを作った。ガッツポーズまでも、息の合ったシンメトリーだった。その後抱き合い、互いの健闘をたたえ合った。記者席からは「素晴らしい」「すごいわ」との声が漏れた。点数は自己ベストの80.99を記録した。
自己ベストについて三浦は「SPのシーズンベストがスケアメ(24年10月のスケートアメリカ)で止まっていた。この基礎点が低い構成でもきちんと80点を出せたことがよかったかなと思います」と喜ぶと、木原は「トウループを(綺麗に)降りたのはわかっていた。僕が目に見えるエレメンツはすべて決まっていました。最終戦でしっかり滑ることができてよかったです」と続けた。
明日のフリープログラムが終わると、オフに入る。そして五輪シーズンが幕を開ける。三浦は、来季の構成について述べた。
「基礎点で言えば来年が一番高くなるので80点以上を目指していければなと思います」
そして木原――。
「構成が変わるので点数で直接比較することができないかもしれませんが、80点台を2年ぶりに出せたので自信になりました。今シーズン、学んだテクニック面、良い面を今まで学んできたことと融合ができればいいなと思います」
今シーズンの経験と、それまで培ってきたものを融合させて、五輪シーズンに臨む。
(文・写真/大木雄貴)