シャンソン知名祐里、「自分らしさをコートで表現したい」 ~女子バスケットボール~

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 女子バスケットボールのWリーグは5月5日からの2日間、東京・国立代々木競技場第二体育館で、『春日井製菓 presents Wリーグオールスター 2024-25 in 代々木』を開催する。2日目のオールスターゲームでは、27歳以上の選手で構成される「Team Harajuku」と、26歳以下の選手で構成される「Team Shibuya」が対戦する。「Team Shibuya」でファン投票1位(3万3784票。全体2位)に選出された知名祐里(シャンソン化粧品シャンソンVマジック)に意気込みを聞いた。

 

――「Team Shibuya」のファン投票1位で選出されました。

知名祐里: 正直、まだ実感が湧いていません。中間発表の時点で、1位という情報を聞き、びっくりしました。選ばれると思っていなかったですし、それどころかランキングにすら入らないと思っていましたから。

 

――オールスターは2年連続3回目の選出になります。

知名:シャンソンに入って1年目(20-21シーズン)の時はコロナで試合が中止になったので、出場は今年が2回目になります。

 

――知名選手の中で、オールスターはどういう位置付けですか?

知名: 誰もが経験できるイベントではないですし、こういう機会でしか関われない選手やファンの方たちがいます。特別感のある祭典。率直に選んでいただき光栄ですし、この機会に少しでも他チームの方々とコミュニケーションを取ることができたらいいなと思っています。

 

――去年のオールスターは知名選手の誕生日当日(5月3日)に開催されたため、コート上で祝福されていましたね。

知名: 盛大に祝っていただき、うれしかったです。サプライズだったので、本当にびっくりしました。

 

――試合は約7分間の出場でした。プレーをしてみての感想は?

知名: 他チームの選手たちと同じユニフォームを着てコートに立っていることが、すごく不思議な感覚でした。自分のバスケットボール人生において、今後の財産になる貴重な経験になりました。それこそオールスターはトップ選手が集まる場所。私にとっては、テレビで活躍を見ていた方たちと、一緒の舞台に立てているという特別感でいっぱいでした。

 

――知名選手の所属するシャンソン化粧品シャンソンVマジックは今季(24-25シーズン)、プレーオフセミファイナルでデンソーアイリスに敗退したものの、第1回ユナイテッドカップで初代女王に輝きました。チームとしては19季ぶりのタイトル獲得です。

知名: 私を含め、今いるメンバーにとっては初めてのタイトルだったので、自分たちにとってすごく自信になりました。だからこそ、リーグではファイナル進出、日本一に懸けていましたが、またセミファイナルで負けてしまった。ここ4シーズン、セミファイナルという大きな山を越えられず、ファイナルの舞台に立つことの難しさを痛感しています。ただシャンソンというチームは選手同士仲良く、すごく雰囲気がいい。リーグ戦はベスト4という結果でしたが、みんながひとつになり、目標に向かって戦い抜いたシーズンだったのは胸を張って言えます。

 

――知名選手は昨季に比べ、プレータイムが減りました。その点をどう捉えていますか?

知名: もちろんチームの優勝、試合に勝ち続けることを第一に考えていましたが、昨季まで年々プレータイムを増やしてきていた中で、今季はコートに立つ時間が減ってしまった。振り返ると、メンタル的にきつかった時間の方が長く、これまでのシーズンで一番もどかしさと、もう少し自分が何かやれたんじゃないかという葛藤を抱えたシーズンでした。チームとしてはタイトルを手にし、波に乗れたシーズンだったとは思いますが、いちプレーヤーとしては、少し悔いが残ります。

 

ゲームチェンジャーの役割

 

――知名選手と言えば、スピーディーなプレーと泥臭さが持ち味です。

知名: 私がチームに求められているのは、そこだと思っています。スターターよりもベンチスタートが多く、試合途中からコートに入る。流れを変えるゲームチェンジャーの役割を任されています。攻守においてアグレッシブにいくことは、変わらずやっていきたい。あとは自分が試合に出ても出ていなくても、チームに対して声を掛け続けるということは、今季意識してきた部分です。もちろん、試合に出られない悔しさはありますが、ファンの方々はチームの勝利やプレーをすごく楽しみにして見に来てくださっている。自分がすべきなのは、試合に出ていない時でもチームを盛り上げ、嫌なムードを払拭すること。

 

――ベンチでチームを盛り上げている姿はWリーグのSNSにUPされていた動画からも見て取れました。

知名: それが自分の役割だと受け止めています。私がベンチを盛り上げることで、チームの雰囲気が良くなるならば率先してやっていこう、と。同期や後輩を巻き込んでいこうと思っていました。

 

――プレーヤーとしての課題は?

知名: オフェンスが、アシスト重視のプレーになり過ぎているところです。自分で仕掛けていくことや、シュートを狙うプレーが極端に少ない。周りを生かそうとし過ぎるあまり、自分が消えてしまっている時間がある。シュートを打てる場面で打ち切れなかったり、パスを選択してしまったり。そこはゲームの流れをしっかり見極め、自分が行くべき時には点を取りに行く。その気持ちを忘れないようにしたいです。

 

――味方にパスをする傾向が多いというのは、自身のシュート力や攻撃力に自信が持てないからでしょうか。それともアシストをするのが好きで、プレーでパスを選んでしまうからですか?

知名: 正直どちらもあります。自分が得点するよりも、自分のアシストで味方が得点する方が好きなんです。あとはWリーグに入ってから、周りにいい選手がたくさんいるからこそ、“この選手たちを生かしたい”と思ってしまうんです。

 

――試合ごとのスタッツで意識している項目はありますか?

知名: 正直、スタッツはあまり気にしてないですね。それらの数字は、自分がベストなプレーをし続けたら、いずれ少しずつついてくるものだと思っています。だから数値的な目標を掲げるというよりは、その瞬間をとりあえず一生懸命プレーすることに注力しています。まずはチームの勝利に貢献すること。これまでと比べ、何かを大きく変えるというよりかは、今までやってきたことをベースにし、プラスアルファで自分らしいプレーをもう少しコートの中で表現できればと思っています。

 

――最後にオールスター戦に向けての意気込みを。

知名: 昨季はオールスターの特別企画で町田選手(富士通レッドウェーブ)、平末明日香選手(アイシン ウィングス)との座談会に参加させていただきました。そこでバスケットボールに関することを質問させていただくことができ、貴重な時間となりました。今季はチーム編成がアンダー26で、まだ話したことのない選手がチームの中にはいるので、そういった方たちと少しでも多くコミュニケーションを取り、交流を深めていきたいと考えています。

 

知名祐里(ちな・ゆうり)プロフィール>

2001年5月3日、沖縄県出身。ポジションはポイントガード。真嘉比小、松島中、西原高を経て、3年時の19年にはU-18女子日本代表候補に選出。同年のインターハイでは、西原高のエースとして県勢23年ぶりとなるベスト8進出に貢献した。2020年にシャンソン化粧品シャンソンVマジックに入団。スピードを生かしたプレーと粘り強いディフェンスが持ち味。身長165cm。背番号12。基本はインドアだが、リフレッシュ法は旅行や美味しいものを食べること。好きな食べ物は肉料理。

 

※BS11では5月6日(火・振休)18時から「Wリーグオールスター 2024-2025 in 代々木」を放送します。オールスターに先立って、Wリーグ専門情報番組「WE LOVE!Wリーグ」を4月30日(水)23時に放送! 知名選手ら「Wリーグオールスター 2024-2025 in 代々木」に出場する選手が出演予定、オールスターへの意気込みを熱く語ります。ぜひご視聴ください。

 

(取材・構成/杉浦泰介、写真/©Wリーグ)

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