第303回 ヴガール・ケラモフに気鋭・木村柊也が挑む! 6・14真駒内『RIZIN LANDMARK 11』─

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 約1年ぶりのRIZIN北海道大会が6月14日、札幌の真駒内セキスイハイムアイスアリーナで開催される。十数試合が組まれるが、注目は元RIZINフェザー級王者ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)と木村柊也(BRAVE)の対峙だ。

 

(写真:デビューから5試合連続で1ラウンドKO勝利を収めている木村。ケラモフにも得意の強打を見舞えるのか? ©RIZIN FF)

 これは飛び級的カード。RIZIN2戦目の気鋭が元チャンピオンの実力者に挑むことになる。

 3歳から日本拳法を学んだという木村は、明治大学1年生時(2019年)に『全日本拳法個人選手権大会』で優勝、コロナ禍での大会中止を挟み22年に連覇を果たしている。

 23年12月にMMA(総合格闘技)デビュー。GLADIATOR、GRACHANを舞台に試合を行い4連勝、そのすべてを1ラウンドKOで飾った。

 今年3月には香川での『RIZIN.50』に参戦し、横山武司(Swells柔術)に豪快な右フックを決め僅か54秒で圧勝。連続1ラウンドKO勝ち記録を「5」に伸ばしている。

 

 そんな木村は、5月8日に都内で開かれた記者会見でこう話した。

「ケラモフ選手はとても強い選手だと思う。でも自分もしっかりと準備をして、3月に続き勝って会場を爆発させたい。(ケラモフは)力が凄く強そうな感じ。自分のパンチが当たった時にケラモフ選手がどう思うのか、どうなるのかが自分でも楽しみです。倒しに行きます!」

 一方、受けて立つケラモフは次のようにメッセージを寄せた。

「試合に向け準備万端です。キムラ選手にも万全の状態で臨んでもらい、ともに美しい試合を見せましょう。そのうえで私が勝ちます」

 

(写真:「自分のパンチが当たった時にケラモフ選手がどうなるかが楽しみ」と話した木村 ©RIZIN FF)

 ケラモフは昨年大晦日『RIZIN.49』で階級を上げRIZINライト級王者ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)に挑戦するも1ラウンドに三角絞めを決められ敗れた。今回は階級をフェザーに戻しての再起戦、ケラモフにとっても負けられない闘いとなる。

 戦歴、総合力で上回るケラモフが優位と見られる一戦だが、アップセットの予感も漂う。木村の強烈なパンチがクリーンヒットしたならば、驚きの結末が待っているのかもしれない。

 

 いまRIZINフェザー級戦線は、混沌としている。

 5月4日、東京ドーム『RIZIN男祭り』で朝倉未来(JTT)が鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)を3ラウンドTKOで破り復活の狼煙をあげた。その直後の試合では王座交代劇――。ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)がクレベル・コイケ(ブラジル)を秒殺し第7代の新王者となったのだ。そして、このベルトを朝倉、カルシャガ・ダウトベック(ウズベキスタン)、平本蓮(剛毅會)、奪回を目指すクレベル、ケラモフ、鈴木らが狙う。

 

 だが、もし木村が北の大地でケラモフに圧勝したならば、デビュー7戦目、RIZIN3戦目でフェザー級王座挑戦の機会を先に得ることになるかもしれない。

 木村柊也は、どこまで強いのか?

 真駒内のリングを注視したい。

 

<直近の注目格闘技イベント>

▶5月11日(日)、東京・大田区総合体育館/プロボクシングWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ、フェルナンド・マルティネスvs.井岡一翔ほか

▶5月11日(日)、東京・アリーナ立川立飛/「SPACE ONE×BOM」吉成名高vs. チョークディー・ペッセーントーンほか

▶5月11日(日)、愛知・ポートメッセなごや/「RISE Fire Ball Nagoya」初代スーパーフェザー級王座決定戦、大﨑一貴vs.コーリー・ニコルソンほか

▶5月18日(日)、東京・竹芝ニューピアホール/「PROFESSIONAL SHOOTO 2025 Vol.3&4」世界フライ級王座統一戦、新井丈vs.関口祐冬ほか

▶5月18日(日)、東京・後楽園ホール/「KNOCK OUT 2025 vol.3」BLACKライト級タイトルマッチ、大谷翔司vs.大沢文也ほか

▶5月18日(日)、エディオンアリーナ大阪/「Krush.174&175」フェザー級タイトルマッチ、石田龍大vs.松本海翔ほか

▶5月24日(土)、インテックス大阪/プロボクシングIBF世界フェザー級タイトルマッチ、アンジェロ・レオvs.亀田和毅ほか

▶5月25日(日)、大阪GORILLA HALL/「PROFESSIONAL SHOOTO 2025 Vol.5」世界バンタム級暫定王座決定戦、ダイキ・ライトイヤーvs.永井奏多ほか

▶5月25日(日)、東京・後楽園ホール/「Krush.176」クルーザー級王座決定戦、谷川聖哉vs.山口翔大ほか

▶5月25日(日)、東京・竹芝ニューピアホール/「DEEP TOKYO IMPACT 2025 3rd ROUND」&「DEEP JEWELS 49」雅駿介vs.窪田泰斗ほか

▶5月28日(水)、神奈川・横浜BUNTAI/プロボクシングWBO世界バンタム級タイトルマッチ、武居由樹vs.ユッタポン・トンディーほか

▶5月31日(土)、神奈川・横浜BUNTAI/「K-1 BEYOND」スーパーフェザー級王座決定トーナメントほか

▶5月31日(土)、東京・後楽園ホール/「RISE 188」フェザー級タイトルマッチ、安本晴翔vs.國枝悠太ほか

▶5月31日(土)、韓国・インチョンパラダイスシティ/「RIZIN WORLD SERIES in KOREA」キ・ウォンビンvs.ホベルト・サトシ・ソウザほか

 

 

近藤隆夫(こんどう・たかお)プロフィール>

1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。

連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)

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