二宮: 今季は監督就任3年目ということで、これまで以上に結果が求められます。
岡里: そうですね。今季は勝負の年になると思っています。


二宮: 今季はいい新人選手が加入したようですね。
岡里: はい、ガードの町田瑠唯です。今夏、チリで行なわれたU−19の世界選手権ではアシスト王になり、大会ベスト5に選ばれました。

二宮: ガードはチームの司令塔ですから、指揮官としても最も重要視しているポジションでは?
岡里: そうですね。ガードがしっかりしているチームはブレませんからね。ですから、町田には大きな期待を寄せています。

 膨らむ若手への期待

二宮: しかし、まだ18歳。高卒ルーキーが実業団に入ってすぐに通用するものですか?
岡里: 町田は身長が161センチとリーグ一小さいんです。正直、獲得するかどうかを検討した際、そこが一番気になりました。「あの小さな体で実業団でやっていけるだろうか……」と。でも、運動能力はずば抜けていて、ガードのセンスもある。その点に関しては実業団でも十分に通用すると思っています。

二宮: ガードのセンスは、もって生まれたものもあると?
岡里: そうですね。他のポジション以上に、ガードは教えて上達するというわけではないんです。もともともっていなければ務まらない。町田にはそれがあります。

二宮: 高校と実業団とではスピードも当たりの強さも違うでしょうね。
岡里: スピードはもともとありますから、全く問題ないですね。フィジカル的には多少のしんどさはあるとは思いますが、それでもチームに加入してから体が結構大きくなっていますので、大丈夫だと思います。実際、見ていても、それほど当たり負けはしていません。現在は、まだスタメンを張っているわけではありませんが、今後、出番は徐々に増えてくると思います。

二宮: あとは頼りになるセンターが欲しいですよね。
岡里: 昨季、篠原恵が新人ながら期待以上の活躍をしてくれたのですが、シーズン途中でアキレス腱を断裂し、戦列を離れてしまいました。これが非常に痛かったですね。今はほぼ完治して復帰していますから、今季はやってくれると思います。

二宮: では、岡里さんがやりたいバスケットが今季はできそうですね。
岡里: はい、そうなることを期待しています。ガード、フォワード、センターと、若くて能力のある選手が中心になっているので、シーズンを通して経験を積んでいくと、さらに面白いチームになると思います。

 優勝して飲む一杯は最高!

二宮: さて、お酒もだいぶすすんでいますが、岡里さんは結構、強いですね。
岡里: ほとんど顔が変わらないので、よくそう言われますね(笑)。

二宮: これまでに一番美味しかったという一杯はありますか?
岡里: やっぱり現役時代の優勝した後の一杯ですよね。もう、あれはいつ飲んでも最高の味でしたよ。

二宮: そんな時に飲むお酒は?
岡里: 当時はビールがほとんどでしたけど、このそば焼酎「雲海」のソーダ割りなんか、飲みやすいし、美味しすぎてグイグイいっちゃうでしょうね!

二宮: プロ野球では優勝すると、ビールかけがありますが、バスケットではどうなんですか?
岡里: 実は現役時代、一度だけビールかけをやったことがあるんです。でも、バスケットは優勝が決定するのは3月ですから、もう寒くて寒くて……。それっきりでしたね(笑)。

二宮: 改めて、そば焼酎「雲海」のソーダ割りはいかがですか?
岡里: スッキリしているので、何杯飲んでも飽きがこないですね。どのお料理にも合いますし、食欲の秋にはもってこいですね。

 求む! スピーディなセンターの台頭

二宮: さて、8月には来年のロンドンオリンピック予選を兼ねたアジア選手権が行なわれました。結果は韓国、中国に次ぐ3位。そこでの切符獲得はなりませんでしたが、来年6月の世界最終予選の出場権を得ることができました。岡里さんは、この大会をどう感じましたか?
岡里: 確かに韓国や中国は日本よりも平均身長が高い。でも、それほど強いという印象はありませんでした。日本は十分に韓国や中国に勝てると思います。

二宮: それでも勝つことができなかった。やはり岡里さんが理想とするスピーディなバスケットを、さらに追求していく必要があるのでは?
岡里: そう思いますね。国内で戦うなら、180センチ台の選手がインサイドをやっていても十分ですが、世界ではそれでは全く通用しません。もちろん、センターの技術や知識は必要ですが、それに加えてフォワードのスピーディな動きも必要になってくる。そういうセンターが出てこないと、日本はいつまでも世界で勝つことはできないと思います。

二宮: 現在の日本代表は、ガードの大神雄子選手が中心となっています。
岡里: 確かに大神は非常に能力が高い選手です。しかし、今の日本代表はあまりにも大神に頼り過ぎています。彼女以上に得点能力の高いフォワードやセンターが出てきて、その選手たちを大神がうまくコントロールしながら、自らもシュートを打つ、というようなチームが理想でしょう。

二宮: 高さがない日本は、アウトサイドからの攻撃が重要になると。
岡里: そうなんです。やはりアウトサイドの攻撃がないと日本は勝てませんからね。

 負けず嫌いな選手は伸びる!

二宮: 今季の富士通レッドウェーブは若い選手が中心ということですが、最近はよく「指示待ち人間」が多くなっていると言われています。みんないい子なんだけれども、ガツガツさがない。その辺はどうですか?
岡里: うちのチームには一人、すごく気の強い選手がいるんです。ガードフォワードの清水愛咲美です。

二宮: 気が強いのはどんな部分ですか?
岡里: 開幕前の練習試合で、一度、途中で交代させたことがあったんです。そしたら試合後、体育館の玄関でバッタリ会った時に「なんで私はさっきの試合で交代させられたんですか?」って、すごい剣幕で言いに来たんですよ。それで「こういうところができてない」と理由を言ったら、「自分はそれをずっと練習してきているので、できます。ですから、使ってください!」と。「だったら、次は絶対にミスするなよ」って言ったら、「明日のゲームでは絶対にミスしません」ときっぱり言ってきました。

二宮: 監督としては、それくらい気の強い選手の方が頼もしいのでは?
岡里: そうなんです。監督に直訴するような選手はなかなかいないですからね。だから、嬉しかったですよ。清水はまだ22歳と若いですし、今後が楽しみです。

二宮: 負けず嫌いな選手は、レギュラーを外されないように必死にやりますから、伸びるでしょうね。
岡里: 清水は昨季はレギュラーというところまでいきませんでしたが、今季は確実にレギュラーに入っています。

 新人の壁はシュートフォームの確立

二宮: 今季はセンターフォワードの鈴木あゆみ選手がキャプテンですね。
岡里: 彼女はすごく優しい性格で、頭も賢い。でも、強い口調でモノを言ったり、人を注意したりすることが苦手な子なんです。日本代表の候補に選ばれても、最終選考で落とされることも少なくありません。優しい分、押しが弱いんですよね。それであえてキャプテンにしました。チームをまとめるには、言わなければいけないことはハッキリ言わなければいけないですからね。そういう部分で成長してくれたらなと思っています。

二宮: 注目の新人、町田選手はガードとしてのセンスに長けているということですが、得点力という点ではいかがですか?
岡里: うーん、まだあるとはいえないですね。でも、どの選手も実業団1年目というのはあまりよくないものなんですよ。それが2年目、3年目になると入り出す。町田もそうなると思います。

二宮: それは経験が必要だということですか?
岡里: もちろん経験もそうですが、だいたい新人選手はまだシュートフォームができていないんです。それを実業団に入ってから修正するのですが、そう簡単なことではありませんから、1年目はあまり結果が出ないんです。それが2年目以降になると、フォームが確立されて、シュートが入るようになるんです。

二宮: 岡里さん自身もそうでしたか?
岡里: はい。私がシューターとして出られるようになったのは3年目からでした。それまでは、なかなか入りませんでしたね。

 やんちゃな選手ほど本番に強い!

二宮: あの“バスケットの神様”と言われたマイケル・ジョーダンだって、外すことがあるんですからね。それほどシュートは簡単なものではない。
岡里: そうですね。あ、マイケル・ジョーダンと言えば、彼がつけた23番をつけているのが、清水なんです。私の現役時代は、23番は恐れ多くてつけられませんでした。それを清水は彼を知っているのか知らないのか、平気な顔してつけているんですからね。

二宮: アハハハ。鈍感力でしょうかね。
岡里: そうかもしれません(笑)。

二宮: 岡里さんは現役時代、監督に意見を言ったりしたことはあったんですか?
岡里: 私はなかったですね。でも、一度だけ中川文一監督にキレて、足元にボールを投げたことがありました(笑)。

二宮: 岡里さんは選手からボールを投げられたことは?
岡里: まだないです(笑)。まぁ、やってくるとしたら、それこそ清水くらいでしょうね(笑)。

二宮: チームにはそういうやんちゃな選手がいた方がいいですよね。優等生ばかりでは強くなりません。
岡里: 本当にそう思いますね。やんちゃな選手ほど本番に強かったりしますからね。清水は普段のシュート練習では全然入らないのに、いざゲームになると決めちゃうんですよ。それも文句のつけようのないシュートを決めるんです。それでこちらに“ドヤ顔”をしてくる(笑)。ベンチはもう、大爆笑ですよ。

 優勝への手応えは十分!

二宮: 当然、今季の目標は優勝ですね。
岡里: はい、もちろんです。3年目の今季は自分にとっても勝負の年だと思っていますので。

二宮: 若いチームですが、優勝への手応えは?
岡里: 楽勝というわけにはいきませんが、優勝の可能性は十分にあるチームに仕上がっているという自信はあります。

二宮: 最大の敵となると、やはり日本代表が多く所属するJXでしょうね。
岡里: はい。大神や吉田亜沙美といったガードを中心に、フォワードも充実していますし、若いセンターの渡嘉敷来夢は192センチと身長がある。非常にバランスのとれたチームです。ただ、うちも決して負けてはいません。

二宮: 若いだけに、それこそ勢いに乗ったら、一気にいく可能性もあるのでは?
岡里: そうだと思います。特にフォワードの山本千夏とセンターの篠原といった2年目の選手が自信をもって勢いをつけ、ベテランの安定した力が合わされば、チームはグンと強くなると思います。山本も篠原も将来は日本代表の中心選手になると期待しているんです。

二宮: 将来性豊かな選手が多いだけに、これからチームがどんなふうに変わっていくのか、楽しみです。
岡里: ありがとうございます。来年3月には優勝報告ができるように、頑張ります!

二宮: 優勝後の一杯は、現役時代とはまた違った、格別な味かもしれませんね。
岡里: そうですね。ぜひ、選手たちとそば焼酎「雲海」のソーダ割りで乾杯したいと思います!

(おわり)

<岡里明美(おかざと・あけみ)プロフィール>
1974年7月24日、茨城県生まれ。名古屋短大付属高(現・桜花学園高)に進学し、3年時に高校3冠を達成。卒業後、シャンソン化粧品に入社。スリーポイントの名手としてならし、日本リーグ、Wリーグでの10連覇達成に大きく貢献した。日本代表としても活躍し、96年アトランタ五輪では7位入賞。2003年に現役を引退し、05年より富士通レッドウェーブのアシスタントコーチとなる。コーチを経て、09年4月より日本バスケットボール界初の女性ヘッドコーチに就任した。

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(構成:斎藤寿子)
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