北京五輪代表選考会を兼ねた競泳の日本選手権は4月15日、東京・辰巳国際水泳場で開幕し、4種目の決勝などが行われた。
 男子400メートル自由形で松田丈志(ミズノ)が五輪派遣標準記録を突破する3分47秒36で5連覇を果たし、2大会連続の五輪代表入りを決めた。
 
 松田は前半から積極的な泳ぎで、終盤まで日本新記録の期待も集まったが、100分の8秒及ばなかった。それでもプレッシャーのかかるレースで五輪代表第一号となり、観客の声援に笑顔で左手をあげて応えた。「前半、慌てずに行くことだけを考えていた。日本新記録は狙っていたので残念だが、北京五輪代表に決まってよかったです」。
 レースを振り返って松田はこう語り、続けた。「以前は前半から外国人選手に置いていかれていたが、前半、ついていけるようになってきたので、後半をもっと鍛えていけば、世界でも戦っていけるのではないかなと」。
 この種目の第一人者として、見据えるのは世界の舞台だ。

 女子400メートル個人メドレーは序盤から積極的な泳ぎを見せた春口沙緒里(大野城SC)が4分38秒94で初優勝し、2位の藤野舞子(FBインター)とともに五輪代表となった。
 春口は「得意のバタフライと背泳ぎでどこまで飛ばせるか、だと思っていた。(代表に決まり)北京までの数ヵ月のトレーニングが楽しみです」と笑顔で語った。
 4年前、アテネ五輪代表入りを逃した藤野は、2位ながら最後の粘りで代表入りを果たし、思わず涙を見せた。「ラストの50メートルは本当に苦しかったが、どうしてもオリンピックに行きたかったので粘れた。北京では決勝に残ってベストを出したい」。夢の舞台での健闘を誓った。

 このほか、女子400メートル自由形の柴田亜衣(チームアリーナ)は4分10秒38で3度目の優勝を果たしたが、派遣標準記録突破はならなかった。
 男子100メートル平泳ぎ準決勝では北島康介(日本コカ・コーラ)が日本歴代2位のタイムとなる59秒66を出し、決勝進出を決めた。「決勝では期待に応えられるようにできるだけ速いタイムを出したい」と意欲十分。女子100メートルバタフライ準決勝では土肥亜也子(コナミ東日本)が58秒59の日本新記録を出し、全体のトップで決勝進出を決めた。