またウェットスーツ界に話題に巻き起こす新感覚のスーツが誕生した。
 このほど山本化学工業の新素材『バイオラバーCBCM』を初採用した、世界初の着圧機能付きトライアスロン用ウェットスーツ『TETSUJIN DAMASHIIトライアスロンウェットスーツ Premium』が発表された。これは25年以上のトライアスロン競技実績を誇るウェットスーツメーカー有限会社ナチュラルエナジー(本社:京都市)と共同開発したものだ。

 この『TETSUJIN DAMASHII トライアスロンウェットスーツPremium』は、山本化学工業が着圧機能を持つ医療機器メディカルバイオラバーを開発したことが発端となっている。その後、ナチュラルエナジー社とのテストを重ねることにより、着圧機能を付けたウェットスーツ向け新素材「バイオラバーCBCM」を開発。その技術と性能を存分に活用し、長いトライアスロン競技経験を持つナチュラルエナジーの長田達也社長が自身の経験、実績をもとにベストパフォーマンスを生み出すウェットスーツを生み出した。

 トライアスロンはラン、バイク、スイムという3つの種目をこなす激しい競技である。競技者がレースのフィニッシュまで安全にスタミナを保ちながらパフォーマンスを最大限に発揮できるトライアスロン用ウェットスーツの製作は大きなチャレンジだった。「競技者のカラダのどの部位にどれだけの負荷がかかるのか?」「スイムの後のバイクやランの競技でできる限りカラダに負担をかけないようにするには?」といったテーマの下、研究開発が行われた。

 その結果、このスーツには以下の特徴がある。
○新素材「バイオラバーCBSM」の採用による着圧機能を実現
 たとえば、スイム競技では足を激しく動かすことで瞬発力を持つ白筋に多くの乳酸が溜まる。これを解消する為には、血流を改善し、溜まった乳酸をいち早く持続力を持つ赤筋に移行させることが大切だ。これにより、乳酸が赤筋内で糖分に変換され、エネルギーに生まれ変わる。
 新素材はこのカラダのメカニズムを一刻も早く実現できるシステムで、着用することにより、下肢(足)に9〜23hPaの着圧をかける。しかも足の先端側は着圧が強く、カラダの中心に近づくほど弱くなり、足全体の血流を改善させるシステムになっている。
 
○山本化学工業の特許素材S.C.S 素材を全面採用
 2009年のローマで開催された世界水泳選手権で37個もの世界新記録を樹立した高速水着(イタリア・アリーナ社製)でも使われたS.C.S.素材を全面に採用している。

○エアロドーム型素材の採用による浮力サポート
 ゴムの中間層に円柱形の空気を詰めたドームを施した新素材を使っており、外部に放出されない空気が大きな浮力となり、トライアスリートのスイムポジションを安定させる効果がある。

○ストレスフリーショルダー
 ナチュラルエナジー社と長田達也社長の長年の経験をもとに、山本化学工業の低モジュラス素材を採用し、スイム時の腕の動きにストレスがかからないよう工夫している。

 この着圧機能を持った新素材「バイオラバーCBCM」を世界で初めて採用したトライアスロン用ウェットスーツ『TETSUJIN DAMASHII トライアスロンウェットスーツPremium』は、トライアスロンシーズンが本格発売する前の3月中旬より本格的に販売された(初年度は限定500着のみの販売)。新機能満載のウェットスーツで、山本化学工業では「トップアスリートからトライアスロン愛好家はもとより、それほど体力に自信のない方、年長者のトライアスロンレースへの参戦を大きくサポートしたい」と意気込んでいる。

 山本化学工業株式会社