矢ケ部姉妹、女子ダブルスで金 男子ダブルスは永石&森本ペアが銀 〜デフリンピック〜
21日、東京2025デフリンピック・バドミントン競技が京王アリーナTOKYOで行われた。女子ダブルスは姉・紋可(ゼンリンデータコム)、妹・真衣(筑紫女学園大学)の矢ケ部姉妹が決勝でジアン・ジャーレイ&チャン・ホンイェン組(中国)をストレートで下した。男子ダブルスは永石泰寛(特別養護老人ホーム清水園)&森本悠生(北海高校)組がミハイル・エフレーモフ&ショフゾド・グロムゾダ組(デフ個人中立選手=DINA)にストレートで敗れ、銀メダルだった。

世界ランキング3位(ランキングは個人に付く)で並ぶ矢ケ部姉妹は前回ブラジルでのカシアス・ド・スル大会に続く出場だ。同大会では準決勝に勝ち進んだものの、日本選手団が新型コロナウイルス感染症の影響で辞退。メダルマッチに臨むことすら叶わなかった。その無念を晴らすような勝ち上がりがだった。
全戦ストレート勝ち。姉・紋可が粘り強く拾い、妹・真衣の強打で押す。3学年違いの姉妹はアイコンタクトで連係を取った。「私が慌てても、姉が明るくサポートしてくれた」と妹・真衣。抜群のコンビネーションは最後まで崩れることはなかった。中国ペアとの対戦となった決勝でも、第1ゲームは15−9から6連続得点を挙げるなど21−9で先取した。第2ゲームは12−7から4点を返されたものの、「気持ちを強く持っていた」(真衣)と退くことはなかった。最終的には21−13と危なげなく逃げ切った。
表彰式後、金メダルを胸に掛けた矢ケ部姉妹は、報道陣から「自国開催のデフリンピックで金メダルを取ったことがどんな意義を持ってくると感じますか?」と問われると、こう答えた。
「ろう者の子どもたちに聞こえなくてもこういう舞台で活躍できるという憧れを持ってもらうことで、もっとスポーツに取り組むきっかけになってくれたらうれしいです」(妹・真衣)
「今回のデフリンピックを通し、聞こえない人に対する理解が広まればうれしいです」(姉・紋可)
38歳の永石、最年少18歳の森本による20 歳差の男子ダブルスは決勝でロシア出身のDINAペアにパワーと高さに屈した。それでも準決勝では世界ランキング1位のペアをファイナルゲームまでもつれる熱戦を制した。同種目日本勢初の銀メダルだ。
「金メダルを目指していたので、2位という結果は本当に悔しい。今後は2人で相談して金メダルを取りたい」と永石。初のデフリンピックとなった森本も「負けたのは悔しいけど、決勝という舞台で戦えたことは素晴らしい経験だった」と振り返った。
メダリスト4人は混合団体のメンバーとして、2種目目のメダル獲得を目指す。
(文・写真/杉浦泰介)
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- 観客席にはミルオトでシャトルを打つ音を可視化
- 場内アナウンスはビジョンにて字幕でも伝えられていた
- 表彰式には国際手話、日本手話の通訳士が登場


