第826回 阪神「未来を照らす」ドラフト
佐々木麟太郎(米スタンフォード大)のサプライズ指名で盛り上がった今ドラフト、1番人気は、3球団(広島、阪神、北海道日本ハム)から1位指名を受けた大学ナンバーワンスラッガー立石正広(創価大)だった。
競合の結果、阪神・藤川球児監督が当たりクジを引き当て、交渉権を獲得した。
「しばらく先まで、タイガースの未来が明るくなった」
指揮官はご満悦だった。
立石の評価が不動のものになったのは、大学3年時の明治神宮大会。4試合で大会最多安打記録となる10安打を放ち、打率6割6分7厘、2本塁打、6打点の活躍で、チームの準優勝に貢献した。
日本ハム、千葉ロッテ、巨人の3球団でプレーし、23年から母校の創価大でコーチを務めている高口隆行の立石評。
「大学に入って体が大きくなった。打撃については、強く振ればいい、という意識が強過ぎるあまりに、やや荒っぽいところがあった。そこで“率を求めなさい”とアドバイスしたところ、自分なりに工夫したんでしょうね。コンタクト率が高くなってきましたよ」
守りはどうか。
「大学に入ってきた時はサードで、その後はファーストもやらせました。今年の春からセカンドをやるようになったのですが、サードよりも反応がいい。セカンドはサードよりもボールとの距離が取れるため、ボールへの入り方がよくなった。それに伴いハンドリングも上達し、球際も強くなっていきました」
立石にとって幸運なのは、阪神には森下翔太、大山悠輔ら、右の強打者が揃っていることだ。本人も「すごい魅力を感じている。少しでも吸収できたらいい」と意欲を示していた。
強打のセカンドといえば、阪神では前監督の岡田彰布以来か。藤川は「3番(森下)、4番(佐藤輝明)、5番(大山)のドラフト1位トリオの中に割って入って欲しい」と発破をかけていた。着々と“盤石の布陣”づくりに向けて手を打つ虎の未来は、前途洋々のように映る。
<この原稿は2025年11月24日号『週刊大衆』に掲載されたものです>
