W杯組み合わせ決定。カギを握る“息切れしないマネジメント”
来夏に開催される北中米ワールドカップの組み合わせが決定し、ポット2の日本代表(FIFAランキング18位)はオランダ代表(同7位)、チュニジア代表(40位)、欧州プレーオフB組(ウクライナ代表、スウェーデン代表、ポーランド代表、アルバニア代表)の勝者とともにグループFに入った。
森保一監督はJFAを通じて、以下のようにコメントしている。
「今大会も非常に厳しいグループに入りました。オランダは言わずと知れた世界のトップ・オブ・トップのチームで決勝進出の経験があり、チュニジアはアフリカ予選を失点ゼロで勝ち抜いた堅守を誇る試合巧者です。まだ決定していないプレーオフ勝者も、日ごろから欧州で激しい戦いをしているチームとして、力のある国が出場することは間違いありません。どのチームとの試合も厳しい戦いになります」
ロナルド・クーマン監督が指揮を執るオランダはフィルジル・ファン・ダイク、コーディ・ガクポ(ともにリバプール)、フレンキー・デ・ヨング(バルセロナ)ら欧州のトップクラブで活躍するタレントを擁し、欧州予選も6勝2分けと無敗で切り抜けてきた。チュニジアはアフリカ予選10試合で無失点。今年11月フレンドリーマッチでもブラジルを相手に1―1のドローと健闘している。いくつかのシステムを持ち合わせているが、組織的な5バックは日本にとってなかなかに厄介だ。プレーオフ組に目を向けてもポーランドは欧州予選でオランダ相手に2試合とも引き分けており、アルバニアはセルビアを上回ってグループKの2位につけた。ウクライナはフランスに2敗した以外は3勝1分けで乗り切り、グループBのスウェーデンは未勝利の最下位とはいえネーションズリーグ上位枠で滑り込んでいる。
ただ、全グループを見渡しても楽なグループなどない。
韓国代表がメキシコ代表、南アフリカ代表、欧州プレーオフD組(デンマーク代表、北マケドニア代表、チェコ代表、アイルランド代表)の勝者と同組に入ったことを「比較的、楽なグループ」と見る向きもあるが、標高約1550mあるグアダラハラで1、2戦目を戦わなければならないのはなかなかに厳しい条件である。環境面で言えば日本はダラス(現地時間14日オランダ)→モンテレイ(同21日チュニジア)→ダラス(同25日プレーオフB組勝者)と移動距離はさほど問題にならないだろうが、暑熱対策はしっかりやらなければならない。第2戦は深夜のキックオフとなり、その対策も必要となってくる。
48チーム制となる今回の大会は4チームずつ12グループに分かれ、グループステージ上位2チームにプラスして3位の上位8チームがノックアウトステージに進む。その意味ではグループステージばかりに神経を注ぎ込むのではなく、ラウンド32以降の戦いをしっかりと見据えておく必要がある。「最高の景色」を目標にするならばなおさらだ。1、2位通過ならラウンド32でグループCの1、2位との対戦が待っている。おそらく実力上位のブラジル代表、前回大会ベスト4のモロッコ代表のどちらかが相手となり、3位で突破しても1位突破チームとの対戦となるためいきなりヤマ場を迎えるというわけだ。
前回のカタール大会同様、1チームの選手登録数は26人と思われる。長距離移動、時差、酷暑……過酷な環境のなか戦い抜くためにはメンバーを入れ替えながら乗り切っていかなければならない。森保監督は本大会を見据えるかのようにメンバーの入れ替え、ターンオーバー、新戦力の発掘など多数精鋭化を進めてきた。
9月に指揮官にインタビューした際、こう語っていた。
「コアメンバーがどれだけ充実しているかが大切です。ただ今回のワールドカップは移動、気候などいろいろな外的要因があって、これまで以上にハードな大会になる。コアメンバーだけで乗り切るのは相当に難しく、だからこそチーム全体の総合力で勝負していかなければなりません。世界と同等に戦えるだけの2チーム分の戦力はあると思っています。しかし本大会までにケガしてしまう選手が出たり、調子を落とす選手がいたりするかもしれないと考えたら2チームでも足りない。誰が出ても大丈夫という3チーム分持っておくことをやっていかなければならないと考えています」
ケガ人が続いた最終ラインも鈴木淳之介(コペンハーゲン)が台頭し、渡辺剛(フェイエノールト)も存在感を高めてきている。アタッカーに目を向ければ11月の親善試合では後藤啓介(シントトロイデン)、佐藤龍之介(ファジアーノ岡山)、北野颯太(ザルツブルク)ら伸び盛りの若手を招集している。3チーム分の戦力から選ばれた26人で、本大会に臨んでいく構えだ。
また長丁場の戦いでコンディションを維持していくにはリカバリーが重要になってくる。9月のアメリカ遠征ではメキシコ代表との1戦目を終えてチャーター機で移動する際に、リカバリー器具やわざわざ日本食の弁当を用意するなど、本大会を見据えたシミュレーションをしている。このときのフィードバックを踏まえて、スタッフの先乗り部隊を増やすことなどが検討されているという。
最高の景色を見るためには戦力面、コンディション面の両面において“息切れしないマネジメント”がキーポイントになる。