第311回「井上尚弥vs.中谷潤人」はどうなる!? 5月・東京ドーム決戦に高まる期待!

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 5月・東京ドームでプロボクシング「スーパーファイト」実現が濃厚視されている。

 

▶4団体(WBA、WBC、IBF、WBO)世界スーパーバンタム級タイトルマッチ

 井上尚弥(王者/大橋)vs.中谷潤人(M.T)

 

 世界4階級制覇を果たし、バンタム級、スーパーバンタム級では4団体の王座を統一した絶対王者・井上に、世界3階級制覇王者の中谷が挑む。両者の戦績は井上が32勝(27KO)、中谷は32勝(24KO)でともに無敗の快進撃中。世界からも高い評価を受け「パウンド・フォー・パウンドTOP10」にも名を連ねた両雄が、いよいよ拳を交える。

 

 二人はともに昨年12月27日にサウジアラビアで開催された『THE RING Ⅴ NIGHT OF THE SAMURAI』に参戦した。

 メインで井上はアラン・ピカソ(メキシコ)を相手に4団体王座防衛戦を行い、中谷はセミファイナルでセバスチャン・エルナンデス(メキシコ)とスーパーバンタム級転向初戦に挑んだ。両雄が同じイベントのリングに立つのは初めてのこと。そしてこの2試合には「Road to 東京ドーム」の意味が込められていた。互いに鮮やかなKO勝利を収め「スーパーファイト」への気運をさらに高める狙いがあったのだ。

 

 だが、そう上手くはいかなかった。

 結果は、ともに12ラウンドを闘い抜いての判定勝ち。ファンはKO勝利を期待しており、それには応えられなかった形だ。そして同じ判定勝利でも、井上と中谷の試合内容には大きな差があった。

 

 KOを逃したとはいえ井上は完勝。120-108、119-109、117-111のジャッジスコアが示す通りピカソを圧倒した。対して中谷は4ラウンドまでは自らのペースで試合を進めるも、後半は打たれ強く手数も多いエルナンデスに巻き返されてしまう。115-113(2者)、118 -110のスコアで3-0ながらも、見方によっては敗者にされかねない薄氷を踏む勝利。

「後半にポイントを奪われた中谷が負けたと思った」

「やはり中谷では井上に勝つのは難しい。同じ無敗でもレベル差があるのではないか」

 試合後には、そんな声が多く聞かれた。

 

中谷潤人に秘策はあるか?

 さて、4カ月後に迫る「スーパーファイト」はどうなるのか?

 私の予想も大方と同じで「井上優位」である。井上は、いかなる状況になっても対応する能力を身につけている点が強み。戦績は同じ34戦だが中谷よりも高いレベルのファイターと対戦してきており、それゆえに闘いの「引き出し」を多く備えている。ともに一撃を有してはいるが、そこに持ち込む術で井上に一日の長がある。

 

 加えて言えば、中谷の相手だったエルナンデスは、かつて井上のスパーリングパートナーを務めたことがある。よって井上陣営は彼を基準に中谷の実力を見定めることができた。これも大きい。海外のスポーツブックでは「8-2」で井上優位のオッズが弾き出されるのではないか。

 

 ただ、こんな見方もある。

「今回のエルナンデス戦は参考外だろう。なぜならば、エルナンデスと井上はタイプが大きく異なる選手だからだ。相性は必ずある」

 そうかもしれない。

 決戦までには、まだ時間がある。

 トレーナーのルディ・エルナンデスとともに中谷は井上対策をジックリと練り込むことだろう。そこで秘策を有し、リング上で披露できるか否か――。

 実力者同士の日本人対決には独特な緊張感が漂う。試合に向けてのコンデション調整も重要なカギとなろう。世界最高峰の闘いを楽しみに待ちたい。

 「井上尚弥vs.中谷潤人」は近日中に正式発表される模様。米国のメディア『ボクシングシーン』では<5月2日、東京ドーム開催>と報じられている。

 

<直近の注目格闘技イベント>

▶1月18日(日)、東京・後楽園ホール/「RISE 195」スーパーフェザー級王座決定トーナメント決勝、パヌワット・TGT vs.常陸飛雄馬ほか

▶1月18日(日)、東京・竹芝ニューピアホール/「COLORS Produce by SHOOTO Vol.6」&「PROFESSIONAL SHOOTO 2026 Vol.1」修斗環太平洋バンタム級チャンピオンシップ、ダイキライトイヤーvs.川北晏生ほか

▶1月23日(金)、東京・恵比寿ザ・ガーデンルーム/「DEEP FIGHT CHALLENGE 2026 1st ROUND」トミー渡部vs.アニンタ・アリほか

▶1月25日(日)、東京・後楽園ホール/「Krush.184」鬼山桃太朗vs.橋本楓汰ほか

 

近藤隆夫(こんどう・たかお)プロフィール>

1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。

連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)

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