二宮: 今回はなでしこジャパン(サッカー女子日本代表)でも活躍された大竹さんとそば焼酎「雲海 黒麹」のソーダ割りを酌み交わしながらサッカー談義に花を咲かせたいと思います。
大竹: 芋焼酎を飲む機会は多いのですが、そば焼酎は初めてです。飲み方も基本はロック。ソーダ割りで飲んだことはないですね。初ものづくしなので楽しみにしていました。

二宮: それにしても昨年のW杯でなでしこが優勝してから、女子サッカーの解説で大竹さんを見ない日はない(笑)。
大竹: おかげさまで(笑)。解説などの仕事に加え、一昨年から東京国際大学女子サッカー部の監督も務めていますから休みは週に1日くらい。今回のようにお店でゆっくり食事するのは本当に久しぶりです。

 男子に負けないことが代表の条件!?

二宮: なでしこの活躍でサッカーを始める女の子が増えているようですが、大竹さんが始めたのはいつ頃ですか?
大竹: 小学2年の時ですね。仲のいい女の子がサッカーを始めることになり、その子と一緒に遊びたくて親に「私もサッカーをやりたい」とお願いしたんです。

二宮: 双子の妹さんもご一緒に?
大竹: はい。大竹家では何か習い事を始めたり、遊びに行ったりする時も、すべて妹と一緒でないと許してもらえませんでした。それで、まずは妹に「サッカーやろう」と説得したんです。ただ、両親には「危ないからダメ」とすごく反対されました。当時のサッカーは男の子のスポーツというイメージが強かったですからね。1週間お願いし続けて、ようやくやらせてもらえることになりました。

二宮: その1週間の“交渉”がなければ、今の大竹さんはなかったかもしれない。
大竹: 実は、許可をもらう代わりに、両親とある約束をしたんです。「どんなに大変なことがあっても、絶対にやり続ける」と。もちろん、長いサッカー人生の中ではやめたくなった時もありました。周りでバレーボールを始める女の子が増えたりした時は、私もバレーをやりたくなったこともあります。でも、両親との約束があったので、サッカーをやり続けました。

二宮: 当時、小学生の女子チームはあったんですか?
大竹: 地元には女子チームがなかったので、男子に交じってプレーしていました。そして小学4年の時、別のチームからスカウトされたんです。そこも男子チームで、所属している市の協会には「女子は男子の試合に出てはいけない」という規定がありました。でも、スカウトにきた監督とコーチが、女子も出場できるよう協会を説得してくれたらしいんです。1年かけて協会に所属する全チームの署名を集めてくれたとも聞きました。小学5年の時に晴れて、姉妹でチームに入ることができたんです。

二宮: それはすごい。他チームからスカウトされた上に、協会のルールを変えさせるほど、2人とも実力があったと?
大竹: とにかく男子に負けたくないという気持ちでプレーしていました。現在のなでしこの選手たちもそうですが、小さい頃は男子に交じってプレーしている子がほとんどなんです。そこで男の子とやっても負けないような子は、将来、代表に入れる素質があると思います。

二宮: 大竹さんも男子には負けなかったわけですね。
大竹: そうですね(笑)。男子に交じってレギュラーに選ばれていました。でも女子にポジションを奪われて、他の男子からすればおもしろくない。時には嫌がらせにも合いました。無視されるのは当たり前。私が試合でミスすると、レギュラーから落ちた男子のお母さんに、「何なのよ、あれ!」と嫌味を言われたこともあります。それも私の親に聞こえるように……。

二宮: 澤穂希選手(INAC神戸)も、試合中に相手チームの男子からスパイクを蹴られたというエピソードを持っています。
大竹: でも、澤もしっかりとやり返したそうですよね(笑)。澤ほど精神的に強い選手はそういないですよ。ただ、そのくらい気が強くないと、男子の中でサッカーをやっていけないのも事実なんです。

 小学生で代表当確だった宮間

二宮: 澤選手との出会いは?
大竹: 彼女が小学6年生、私が中学3年生の時に初めてプレーを見ました。当時から技術が高く、体格もしっかりしていて、バランス感覚に優れている印象を受けました。澤が中学1年生になり、(読売)ベレーザに入ってきてからはずっと一緒にプレーしていました。

二宮: 当時から澤選手が代表の中心選手になるという予感はありましたか?
大竹: 初めて見た時から当たり前のように代表には入ってくると思っていました。ベレーザでも中学1年生ながらレギュラーに選ばれましたからね。当時のベレーザには多くの代表選手がいました。レギュラーになることが、そのまま代表に直結していたんです。

二宮: 澤選手とともになでしこの中心を担っているのが宮間あや選手(岡山湯郷)です。彼女との出会いは?
大竹: あやはメニーナ(ベレーザの下部組織)に所属していた頃から知っています。「一緒にプレーしたいね」と話していたこともあるので、あやがベレーザに昇格した時は嬉しかったですね。ただ、彼女は実家が木更津で、東京方面での練習や試合に行くために、フェリーに乗って通っていました。当然、学校にも行く必要がありますから、ハードな生活で体を壊してしまった。結局、ベレーザを離れることになってしまったので、その時は本当に残念でしたね。

二宮: 宮間選手はキックの精度が非常に高い。初めてプレーを見た時の印象は?
大竹: 彼女が小学6年生の時ですが、その時点で代表に入る選手だと確信しましたね。ご両親が運営されているチームで男子に交じってサッカーをしていたのですが、あやが一番堂々とプレーしていた。それを見て「絶対にこの子は代表に入る」と思ったことを覚えています。「澤の次はあや」と期待を持って見ていました。

二宮: 既に小学生の頃から代表当確と言えるほどレベルが高かったと?
大竹: あやだけではありません。女子は成長が早いですから、小学生の時点で、ある程度、代表に入れるかどうかが見えてきてしまうんですよ。澤や大儀見(優季、ポツダム)、(大野)忍(INAC神戸)……。今のなでしこに選ばれている選手はみんな、小学生の頃から将来的に代表入りできるんじゃないかと思わせる実力を持っていましたね。

 ストイックだった現役時代

二宮: 13歳でベレーザに入団して、13年間の現役生活でした。成人してからは、練習後にチームメイトと飲みに行ったりしたことは?
大竹: 現役時代は、あまり飲みに行かなかったですね。実家から通っていたので、すぐに帰宅して家でご飯を食べていました。確かに飲み会でみんなとサッカーの話をしたりするのは楽しいけれど、必然的に帰りが遅くなり、寝る時間も短くなる。自分のペースを乱されて、コンディションが悪くなるのはイヤだったんです。

二宮: 付き合いが悪いと後ろ指を指されることはなかったですか?
大竹: ありました(笑)。それでも、グラウンドで結果を出すことがすべてと考えていたので、頑なに誘いを断っていましたね。チームメイトに私と同じ考えの選手がいたので、2人で「悪口を言われてもいいよね」と話していましたよ(笑)。

二宮: それほどプロ意識が高かったわけですね。
大竹: ただ、すべての選手がストイックな生活じゃないといけないとは思っていません。人にはそれぞれに合ったやり方がありますからね。お酒を飲んでリラックスできるなら、それもOKだと思います。私も普段の付き合いは悪かったですけど、オフの日はチームメイトみんなで食事に行っていました。

二宮: なるほど。では、現役を引退されてからお酒の飲み方に変化は?
大竹: お酒を楽しむ機会は、かなり増えましたね。東京国際大の監督になるまでは、友人や妹家族たちと、よく夜は食事に出かけていました。ただ、飲む量は多くない。これは現役時代の頃から変わっていません。

二宮: お酒は強くはない?
大竹: どうでしょう(笑)。でも、飲んでも顔は赤くなりませんよ。父からは「お前は麻酔が効きにくいから、アルコールも回らないんだ」と言われたことがあります。真偽のほどはわかりませんが(笑)。

二宮: 確かにソーダ割りのグラスが、もう空になったのに変化がまったくない(笑)。
大竹: この「雲海 黒麹」はすごく飲みやすいですね。ソーダ割りも口の中がさっぱりしておいしいです。まだ暑い日が続きますから、この清涼感は人気が出そうですね。

(後編につづく)

<大竹七未(おおたけ・なみ)プロフィール>
1974年7月30日、東京都生まれ。小学2年時より双子の妹・夕魅とサッカーを始める。13歳で読売ベレーザ(現日テレ)に加入。独特のリズムと高速ドリブルを武器にFWとしてゴールを量産。Lリーグ(現なでしこリーグ)では史上初の通算100得点を記録。ベレーザの全日本選手権4連覇、日本女子リーグ3連覇に貢献した。日本代表では2度のW杯(95年スウェーデン大会、99年米国大会)、1度の五輪(96年アトランタ大会)に出場。国際Aマッチ46試合29得点。01年に現役引退後は、解説者として活躍。10年から東京国際大女子サッカー部の監督に就任した。この6月にはJリーガーの弦巻拳東(松本山雅)と結婚。


★今回の対談で楽しんだお酒★[/color]

本格焼酎「そば雲海」の黒麹仕込み「そば雲海 黒麹」。伝統の黒麹と九州山地の清冽な水で丹精込めて造り上げた、爽やかさの中に、すっきりと落ち着いた香り。そしてまろやかでコクのある味わいが特徴です。
提供/雲海酒造株式会社

<対談協力>
三国一 アイランドイッツ店
東京都新宿区西新宿6−5−1 新宿アイランドタワーB1F
TEL:03-3346-3591
営業時間:
平日  11:00〜23:00(L.O.22:40)
土曜  11:00〜22:30(L.O.22:00)
日祝  11:00〜22:00

☆プレゼント☆
 大竹さんの直筆サイン色紙を本格焼酎「そば雲海 黒麹」(900ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼント致します。ご希望の方はより、本文の最初に「大竹七未さんのサイン色紙希望」と明記の上、下記クイズの答え、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストなどがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選は発表をもってかえさせていただきます。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。
◎クイズ◎
 今回、大竹七未さんと楽しんだお酒の名前は?

 お酒は20歳になってから。
 お酒は楽しく適量を。
 飲酒運転は絶対にやめましょう。
 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

(構成:鈴木友多)
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