二宮: お会いするのは1年ぶりでしょうか。今回の対談場所『ラ・ソラシド』を選んだのはプロデューサーを務める奥田政行さんが、実は高橋さんと同じ山形県出身だったから。スカイツリーが見渡せる素晴らしいレストランで、そば焼酎を楽しみたいと思います。
高橋: やった! 山形生まれで得しましたね。帰って皆に自慢できます(笑)。

 焼酎好きな九州出身の先輩!?

二宮: 今回は宮崎県・雲海酒造の長期貯蔵そば焼酎「那由多(なゆた)の刻(とき)」「マヤンの呟(つぶや)き」を持ってきました。奇しくも宮崎県に本社があり、雲海酒造も株主である航空会社「ソラシドエア」と、このお店の名前が一緒なんです。
高橋: 宮崎なら全日本の合宿で何回か行きました。温泉に入ったり、焼酎を飲んでご飯を食べたり、楽しかったんですけど、夏の合宿はかなり練習が厳しかった思い出が……(苦笑)。

二宮: アハハハ。選手同士で飲む機会はよくあったんですか?
高橋: ある先輩が焼酎大好きで、休み前には皆で飲んでいましたよ。九州生まれで、とてもお酒が強い(笑)。

二宮: もしかして、その先輩って竹下佳江選手?
高橋: 実名はナイショにしておきましょう(笑)。芋焼酎ばかり飲んでいるんですけど、顔色ひとつ変わらない。

二宮: 高橋さんも豪快なイメージがありますが、お酒は強い?
高橋: よく言われるんですけど、弱いんですよ。普段は梅酒を飲むことが多いです。でも、飲み会の場の雰囲気は好きですね。さすがに歌は歌いませんが(苦笑)。

二宮: お酒好きといえば、柳本晶一さんもかなり飲みますよね。柳本さんとは?
高橋: よく飲み会をしましたよ。無礼講で、ここぞとばかりにいろいろ言っていました(笑)。ここだけの話、晶ちゃんは酔うと北島三郎さんの曲を歌い始めるんです。北島さんも晶ちゃんとは親交があるみたいで、試合で国歌斉唱をしてくださったり、応援にもよく来ていただきましたね。私のことも知っていて「みゆき、頑張れよ」と声もかけていただいたこともあります。その縁で私も1度、北島さんに誘われてコンサートにも行きました。

二宮: 実は私の父も北島三郎さんのファンで、函館の記念館まで連れて行ったことがあります。コンサートは盛り上がるでしょう?
高橋: 年配の方が多かったんですけど、「まつり」の曲で会場中がすごく盛り上がる。このエネルギーはどこから来るんだろうと感心しながら観ていました。

 「競り合いなら勝てる」と信じていた

二宮: この夏のロンドン五輪、バレーボールの全日本女子はロンドンで28年ぶりのメダルを獲得しました。一緒に代表で戦った選手もいますから、感激もひとしおだったのでは?
高橋: うれしかったですね。知っている選手が多いから、競った展開になるとこっちまで緊張感が伝わってくる。まともにテレビの画面を観られなくて、「誰か、決めて!」って祈っていましたね(笑)。でも、流れは日本に来ていると感じたので、競り合いになれば勝てると信じていました。

二宮: 特に準々決勝で中国相手にフルセットの激戦を制したのが大きかったですね。
高橋: 中国は私が代表の頃に対戦した選手がほとんどいなくて、世代交代が進んでいました。若手が多くて経験が少ない分、日本が接戦にもちこんで追い詰めたら行けるんじゃないかと思いましたね。

二宮: 竹下選手は五輪後に結婚を公表しましたが、知っていましたか?
高橋: 知らなかったですよ(笑)。だから、もう入籍していたって聞いてビックリしました。先日、本人に会った時には、周りから「聞いていないですよ」ってかなりツッコまれていましたね(笑)。

二宮: 今回は「那由多(なゆた)の刻(とき)」を爽やかなソーダ割りにしてみました。いかがですか?
高橋: おいしいです。ソーダ割りという発想自体、普通は思いつかないですよね。日頃、焼酎はあまり飲まないんですけど、これはイケます。

二宮:  グラスもそば&ソーダ特製のオリジナルになっています。
高橋:  デザインがかわいいですね。これなら、普段、焼酎になじみがない女の子でも飲んでみようかなという気持ちになるのではないでしょうか。

 バレーと向き合って終わりたかった

二宮: 昨年、2年半ぶりにコート復帰しました。もう一度、代表を目指そうという気持ちは?
高橋: それはなかったですね。代表に関しては北京で一区切りしていました。ただ、もう一度、ちゃんとバレーボールと向き合って現役を終わりたかった。そのためにはNEC時代にお世話になった葛和(伸元)さんの下でやりたかったんです。葛和さんはトヨタ車体の監督をしていたので、お願いして復帰することにしました。

二宮: ブランクを埋めるのは大変だったでしょう?
高橋: 必死でしたよ。復帰を決めて2カ月後にはリーグ戦が控えていましたから。まだ体の部分はトレーニングを続けていたので何とかなりましたけど、感覚を取り戻すのは時間がかかりましたね。

二宮: やはりイメージ通りに動けないと?
高橋: たとえばブロックをされても“これは抜ける”という感覚は持てているのに、実際には動き出しが遅かったり、タイミングがズレたりして、スパイクが抜けない。ほんのわずかな部分がかみ合わなくてもどかしかったですね。“前はできていたのに、なんでできないの?”って(笑)。

二宮: 感覚はやっていくうちに戻りましたか?
高橋: 試合に出続けてリーグ戦が終わる頃にはだんだん戻ってきましたね。普通は1年くらいかかってもおかしくないところを4カ月で取り戻せた。徐々にイメージ通りのプレーができるようになってきたのは楽しかったですよ。

二宮: 今年4月でチームを退団しましたが、もう1年、ベストの状態にしてバレーボールを続けたいという気持ちは?
高橋: その思いにはならなかったですね。北京五輪後は、次の目標が見えずに悶々とした日々を送ってきました。でも、小さい頃からバレーボールをやってきて、中途半端に終わるのはよくない。自分が今まで積み重ねてきたバレーボールというものとしっかり向き合って、終わりたかったんです。そのためにはバレーボールに熱い情熱をもった葛和さんの下で一緒にやりたかった。競技と向き合う期間は半年だろうと何年だろうと、納得した時点で引退しようと決めていましたから、今はもう“やりきった”と言えますね。

二宮: ということは現役は完全に引退?
高橋: 完全撤退です。他の選手に話を聞くと、迷ったり、未練がある人もいるようですが、今の私にはそういう部分が全くないんです。スッキリした気分で次のステージに進めると感じています。

二宮: まさか竹下さんみたいに突然、結婚を発表する可能性は?
高橋: そんなことしたら周りから怒られますよ(笑)。私は隠し事があっても、すぐバレてしまうタイプなので……。

二宮: たまには合コンをやる機会もあるでしょう?
高橋: 合コンはやらないですね。女子会のほうが多いです。女の人同士でワイワイ騒いでいるほうが楽しいんですよ。そこに男子が加わったら、あまりおもしろくない(笑)。

二宮: では次の女子会の時はぜひ、そば焼酎のソーダ割りを勧めてみてください。雲海酒造さんから焼酎を提供してもらえるかもしれませんよ(笑)。
高橋: 本当ですか? お酒好きな子も多いので、それはうれしいな。

(後編につづく)
※9月26日発売の『自遊人』10月号では、この対談の特別編が掲載されています。こちらも合わせてお楽しみください。

<高橋みゆき(たかはし・みゆき)プロフィール>
1978年12月25日、山形県生まれ。小学1年からバレーボールを始め、山形商業高を経て、97年にNECレッドロケッツへ入団。身長170センチと小柄ながら、相手のブロックアウトを狙う巧みなスパイクで頭角を現す。00年より全日本入り。04年のアテネ五輪、08年の北京五輪に出場を果たす。05年からはイタリアに渡り、セリエA・ヴィチェンツァで2シーズンプレー。北京五輪後は競技の第一線から離れ、バレーボール教室やメディア出演など幅広く活躍。昨季、2年半ぶりに競技復帰し、トヨタ車体クインシーズ入り。今年4月に退団し、現役生活を締めくくった。
>>オフィシャルブログ


★今回の対談で楽しんだお酒★[/color]

長期に渡り、樫樽の中で貯蔵熟成した長期貯蔵の本格そば焼酎「那由多(なゆた)の刻(とき)」。豊かな香りとまろやかなコクの深い味わいが特徴。国際的な品評会「モンドセレクション」2012年最高金賞(GRAND GOLD AWARD)受賞。

提供/雲海酒造株式会社

<対談協力>
LA SORA SEED FOOD RELATION RESTAURANT
(ラ・ソラシド フードリレーションレストラン)

 山形県屈指の自然派レストラン「アル・ケッチァーノ」の奥田政行さんとap bank/kurkkuの「Food Relation Network」プロジェクトが実践の場として展開するレストラン。日本の優れた食材を生産者の想いと共にひと皿ごとに表現していきます。ランチは野菜をふんだんに食べていただくビュッフェスタイル、ディナーは“日本”を感じて頂けるコースをご用意し、東京スカイツリーを一望できる最上階でお楽しみいただきます。

東京都墨田区押上1-1-2東京スカイツリータウン・ソラマチ31F
TEL:03-5809-7284
営業時間:11:00〜23:00(定休日なし)

☆プレゼント☆
 高橋みゆきさんの直筆サイン色紙を長期貯蔵本格そば焼酎「那由多(なゆた)の刻(とき)」(720ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼント致します。
 また今回は対談店舗にちなみ、「ソラシドエア」から特製モデルプレーン(BOEING737-800、130分の1サイズ)を合わせて差し上げます。ご希望の方はより、本文の最初に「高橋みゆきさんのサイン色紙希望」と明記の上、下記クイズの答え、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストなどがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選は発表をもってかえさせていただきます。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。
◎クイズ◎
 今回、高橋みゆきさんと「那由多(なゆた)の刻(とき)」を楽しんだお店の名前は?



 お酒は20歳になってから。
 お酒は楽しく適量を。
 飲酒運転は絶対にやめましょう。
 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

(構成:石田洋之)
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