第20回「人を支えられる社会人になりたい」~あしなが募金贈呈式~
「ひとに健康を、まちに元気を。」をコンセプトに、社会貢献活動を展開している明治安田生命保険相互会社(以下、明治安田)とのタイアップ企画です。

全国の遺児を支援
今年度で15回目となる「あしなが育英会への寄付金贈呈兼感謝状授与式」が5日、都内・明治安田生命ビルで行なわれました。明治安田は今年度に開催したチャリティーイベントなどで集めた1946万9929円を、あしなが育英会に寄付。同社は2011年から、あしなが育英会を通じ、全国遺児の生活と教育を支援しています。今年度の寄付金により、あしなが育英会への累計金額は約3億8227万円となりました。
式には、明治安田からは中村篤志取締役執行役副社長、塩田信行ブランド戦略部部長、西原佑至ブランド戦略推進グループマネジャー(司会役)が、あしなが育英会からは村田治会長、大学奨学生の岡村涼太郎さん、山下かんなさん(ともに大学4年生、4月より社会人)、宮﨑琴音さん(大学1年生)が出席しました。
あしなが育英会とは、病気や災害、自死などで親を亡くした子どもたちや、障がいなどで親が十分に働けない家庭の子どもたちを、奨学金、教育支援、心のケアなどで支える民間非営利団体です。1993年4月に任意団体として設立され、2019年に一般財団法人化されました。
明治安田は、「あしながチャリティー&ウォーク」というイベントを全国で開催しています。このウォーキングイベントは、明治安田の役員、従業員が主にが参加。開催地域のJリーグクラブ関係者やサポーター、選手OBが参加する「Jリーグウォーキング」も併せて開催する場合もあります。2025年度は、105の支社が「あしながチャリティー&ウォーク」を開催し、チャリティー募金のみの参加者を含め、総勢3万7823名が参加しました。
2025年度の募金額は2418万6929円となりました。明治安田は、先述したように、この中から1946万9929円をあしなが育英会に、471万7000円を東日本大震災の被災地3県(岩手、宮城、福島)に寄付しました。
「子どもたちを救いにウガンダへ」
あしなが育英会奨学生の岡村さん、宮﨑さん、山下さんは、それぞれの境遇について、次のように語りました。
岡村さんは小学4年時、父が重度の障がいを負いました。「父が高専(高等専門学校)を卒業し、工学系の仕事に就いていたこともあり、自分も同じような道に進みました」といいます。

あしなが育英会は、奨学金制度だけでなく、高校生向けのキャリア支援として、大学生から体験談などを聞けるサマーキャンプを実施しています。岡村さんは、サマーキャンプに参加し、「高専卒業後に就職を考えていましたが、大学に進学したいと思い、編入で大学に入りました」。岡村さんは4月から社会人になるため、「仕事を頑張りながら、未来の子どもたち、後輩にアクションを起こせたら」と抱負を語りました。
宮﨑さんは、小学5年時にアメリカ人の父を病気で亡くしました。高校2年時には家庭を支えるためアルバイトをする必要があり、大好きだったバスケットボールを辞めざるを得ませんでした。この経験が、彼女の背中を押しました。

「やりたいことを断念しないといけない立場にいる子どもを救うため、私は来シーズンの1年間、あしなが育英会の海外研修支援制度を受けて、ウガンダに行きます。アフリカの遺児たちがどんな状況に置かれていて、どんな夢を持っていて、いまどんな気持ちで過ごしているのか。今後、自分がどのように支援に携われるのか、自分の目で見てきます」
山下さんは、4月から明治安田に入社予定です。「10歳の時に病気で父を亡くし、生命保険に助けられて生きてきました」と声を震わせながら語り、続けました。

「生活を保障してくれる(保険金や奨学金などの)存在に助けられました。私は、奨学金制度が無かったら、進学しようとすら思いませんでした。自分自身、学生時代にこのような体験をしたからこそ、もっとより多くの方々に自分が伝えられることもあるはずですし、私だからこそ気付けることもあるはずです。誰かに何かを伝えられる、誰かを支えられる社会人になりたいと思い、私は4月から明治安田に就職が決まっています」
「しっかり働き、親孝行したい」
司会の西原ブランド戦略推進グループマネジャーから「社会人になって楽しみにしていること、不安なことは?」と水を向けられると、山下さんはこう答えました。
「楽しみは、自分自身のお金で生活していけるところです。いままではアルバイトをしていましたが、親の庇護の下で過ごしてきました。これからはしっかり働き、親孝行したいす。不安な点は、学生の間は大人の方々が温かく見守ってくれて、許されてきた部分もありましたが、このままではいけないと思います。社会人としての責任を持ち、社会の歯車となって働いていくため、言葉づかいなどをより一層気を付けていきたいなと考えています」
奨学生は皆、それぞれ立派なスピーチを披露しました。
塩田ブランド戦略部部長は「みなさん、とてもしっかりされているので敢えて、お願い事をさせていただきたいのですが」と前置きし、続けました。

「私たちは全国各地であしながウォークを開催しています。地域のお客さま、Jリーグクラブなど多方面にお声がけして大勢が集まるんです。学生のみなさまには、そのタイミングで来ていただけると、参加者はその場で募金できます。
一方で、(イベントの)本筋は社内の募金です。自分たちが募金をするのですが、より一層、社会でのつながりを持つためとか、あしなが募金を発展させたいのであればできるだけ、たくさんの参加者が集まっているところにお越しいただけると、効果が出てくると思います。私たちはできるだけたくさんの方がお越しいただけるよう努力を続けていきます。他の奨学生に“できるだけ行こうよ”と声掛けを少しでも強化していただければありがたいです」
中村副社長は、こう締めくくりました。
「夢を追いかける若いみなさまの支援の一助になればと思っています。あしなが育英会のますますのご発展と、奨学生みなさまの今後のさらなるご活躍を祈念しております」
(文・写真/大木雄貴)